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きょうの料理の『トマトと豚の塩しょうが焼き』を作って考えた。

コロナの第7波により、また仕事がテレワーク中心になりました。

引きこもっていても腹は減る。
もともと料理が好きだったこともあり、以前は自炊をしていたのですが、買い物→料理→片付けを繰り替えすのがどんどんめんどくさくなり、あと、自分の料理に飽きてしまい、ここのところほとんど自炊はしていませんでした。

コロナ前、近所に好きなレストランがあってよく通っていた時、そこのシェフに「えびさん、たまには違う店にも行ってくださいね。」と言われたことがありました。
なぜ?と聞くと「どんなにお気に入りでも同じ人が作った料理は飽きますから。あまり続けて食べると僕の料理もきっと飽きます。」と。

なるほどそうか。

たぶん自分で作る料理もそう。無意識に味付けの癖が出ていて、それで飽きたんだと思います。


一昨日、出前館のカレーで夕食を済ませた夜、ソファーでゴロゴロしながらテレビをザッピングしていた時に目に留まった「きょうの料理」。そこで紹介していたトマトを使った料理がすごくうまそうで、はらいっぱいなのに最後まで見てしまいました。

その料理は『トマトと豚の塩しょうが焼き』。塩味の豚のしょうが焼きを作って、最後にトマトと炒め合わせるというもの。
塩味のしょうが焼きは食べたことがないから興味津々。材料もシンプルだし、味付けもそんなに難しくなさそうで、なんだったら目分量で作れそう。
でも、テレビで見た「それ」がどうしても食べたくて、レシピもメモしていなかったので翌日テキストを買いに本屋に行きました。
初めて買ったよ「きょうの料理」のテキスト。

買ったテキストをエコバックに入れ、チャリで駅前の本屋からそのままスーパーに向かい、トマトと豚肉としょうがを買って帰宅。ベテラン主婦のよう。
テレビで見た『トマトと豚の塩しょうが焼き』を完コピするべく、トマトの切り方も、調味料の分量も、調理時間もレシピ通りにちゃんと作ってみました。もちろん盛り付けも(笑)

レシピ通りに作った『トマトと豚の塩しょうが焼き』は、確かに自分で作ったものなんだけれど、どこか人に作ってもらった味がしました。
たぶん、レシピを見ずに作ったら、もう少し違う、なんというかいつもの自分の味になったのだと思う。

でも、今回できたものは、どこか、他人行儀のする「それ」でした。
なんだか新鮮。

ある程度の年齢になると、毎日のルーティンワークとか仕事とか、他人にあれやこれや細かい指示を出されなくても、なんとなくやれちゃったりするようになる。
でも気が付くとそのどれも、なんとなくいつものやり方の範疇で落ち着かせてしまっているんですよね。やり方の癖みたいなものが出てしまう。だからか、新鮮さが感じられなくなり、毎日がちょっとずつつまらなくなる。たぶん、自分のやり方に飽きちゃうという事なんですね。

自分に飽きて、何かを変えたくなって、巷にあふれる時間の使い方や仕事のやり方の本やweb記事を読んでみたり、やってみたりするものの、やっぱりつい自己流にアレンジしてしまってなかなか続かない。で、結局いつもの毎日。ここのところ、そんなことを繰り返していたような気がします。

コロナ以外にも、今、世の中にはいろんな不穏な出来事があふれています。
なかなかポジティブな気持ちになれないから、当然未来の事も考えにくい。
繰り返すいつもの毎日にも、自分にも飽きて、どんどん煮詰まっていくような気がしていました。
会社を辞めた後のいろんな事、考えなきゃならないのに、なかなか具体的に考えられないし。
全部コロナのせいだ!と悶々としていても、なにも始まらない。

そんな中、昨日『トマトと豚の塩しょうが焼き』を作ってみて思ったのは、いくつかの事「自分の癖で考える」のをやめてみたらどうなるのかなという事でした。

自分の癖で考えるのを少し止めてみて、たとえば本に書いてある事や人に言われた事を一度深く考えずにそのとおりにやってみる。人のやり方に乗っかってみようということ。
おもしろいと言われた本を読んでみるとか、映画を見てみるとか、料理でも、ジムでも、服を買うでもなんでも、一旦自分の癖から離れて、なんかひとつふたつ試しに誰かに言われたとおりにやってみる。

誰かが言う事にはその人なりの正解があって、それを体験するのはおもしろいかもと思いました。

という事で、自分はこのテレワーク期間。まずはちょっと「レシピ通りに自炊する」というのをやってみようかなと思っています。なにか新しい発見があるかもしれないし。

ちなみに、これまで自分の味にはなかった「塩味のしょうが焼き」は、とてもうまかった。
今日はこれから同じ回にやっていた『フレッシュトマトの甘辛牛のっけ』をテキストのレシピ通りに作ってみようと思います。


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