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音楽家が持続化給付金を申請してみた【フリーランス救済】簡単にわかる解説

いわゆるフリーランス向けの給付金が5/1から申請開始となりました。

今回の武漢コロナ騒動でいち早くイベントを中止にしてきたことで、音楽家や音楽事業の方々はかなりの減収になっています。最大100万円が給付されるということで、我々フリーの音楽家にとってはありがたい政策です。お金がなくてやばいよ!って方ほど早く申請することを勧めます。

しかし、持続化給付金の存在を知らない音楽家や他業種の個人事業者も意外と多く、紹介の意味も込めて、音楽家でもわかる(?)記事を書いてみようと思います。雑で出してしまった方の対応策や参考になる税理士さんたちの解説動画も紹介していきます。

*あくまで一音楽家の経験を元に書いたものですので、間違っている部分がありましたらご指摘、ご容赦ください。ご相談や正確な情報はお近くの役所、または税理士さんへ。


生活がやばいよ!って人は急ぎ申請すべし。なぜ急がなければいけないのか?

5/1に申請受付開始されてからサーバーが混み合うほど法人、個人共にたくさんの申請があったとのこと。ではなぜ急ぐ必要があるのか?

実は経産省が持続化給付金に割り当てた予算が少ないのです。経産省の見積もりは甘いとのこと。何人かの税理士さんの動画で指摘されています。と言うことは、予算以上に給付金を出さなければならなくなった場合、新たに予算を付けなければいけません。そうすると国会で第二次補正予算が出されるまで給付が遅れるかもしれないのです。そうすると申請から二週間どころか、何ヶ月も待たなければいけないかもしれません。余裕がある人ならいつ申請しても良いのですが、フリーの音楽家で家賃を支払ったり保険料や日々の生活費も大変になっている人はなるべく早く申請しましょう。

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給付対象の主な要件 

では早速、どんな人が対象になっているのか見ていきましょう。

1.新型コロナウイルス感染症の影響により、ひと月の売上が前年同月比で50%以上減少している事業者。

現時点では、今年の三月の収入が去年の三月の収入よりも半分以下になっている人、または四月の収入が去年の四月の収入よりも半分以下になってしまった人ですね。


2.2019年以前から事業による事業収入(売上)を得ており、今後も事業を継続する意思がある事業者。

事業収入がないとダメと言うことですね。つまり雑収入で申告している人は対象になりません。また、給与収入も対象ではありません。これは明文化されたので変更されることは望み薄かもしれません。
事業かどうかは確定申告で事業収入として申告しているかどうかです。私も別に変わったことをしているわけでなく、演奏による出演料やレッスン代など、同じ内容の収入でも申告の違いで今回のような差が生まれます。フリーランスの音楽家はしっかりと確定申告をしましょう。

*追記 その後、雑収入でも申請可になりました!!


※2019年に創業した方や売上が一定期間に偏在している方などには特例があります。
これは様々な特例がありますので経産省のホームページなどでご確認ください。


■売上減少分の計算方法
前年の総売上(事業収入) - (前年同月比▲50%月の売上×12ヶ月)

前年の事業収入が240万だったとします。昨年の3月の収入が20万だったが、今年の3月の収入は10万だったと言う場合は半分に減ってるので給付金を申請できます。その場合の計算は

240万ー10万×12=120万

前述したように個人事業者への給付の上限は100万です。120万はそれを超えているので100万円給付されるということになります。

例えば昨年100万の事業収入だったとしても、昨年四月の収入が8万円、今年四月が0円で無収入だとします。すると

100万ー0×12=100万

と言うことで100万円もらえることになります。昨年の収入が多い少ないに関わらず、もらえる額はこの計算式で決まりますので計算してみてください。


平均月収でも計算できる

青色申告の人は前年同月比で計算する場合、確定申告したときの決算書を提出します。決算書には月毎の事業収入が書いてあります。
ところが、私たちのようなフリーの音楽家は収入が一定ではありません。多い月もあれば少ない月もあるわけです。

私の場合、三月は自分の主宰公演を規模縮小して開催したり、集近閉に配慮してレッスンや発表会もこなしたので、減りはしましたがまだ収入がありました。となると演奏会が全て無くなった四月の減収分で申請するのですが、ありがたいことにリード販売などの収入があり、計算したら思ったより収入がありました。とは言っても生活に足る収入ではありませんが。
さて、では決算書で昨年の四月の収入を見たら思ったより少なかったのです。計算すると今年の四月の収入がギリギリ半分以上ありました。やばい、これでは一ヶ月待って申請するしかないのか?と思いきや

昨年の決算書の提出(任意)

と言う文言がありました。

つまり、決算書は出しても出さなくても良い。出せば前年同月比でそのままみるけど出さない場合は 昨年の事業年収÷12 で昨年の月収を出します。つまり、事業年収を12で割った平均月収と今年の4月の月収を比べるのです。これなら余裕で半分以下となりました。

よし、これで申請できる!!と思った私は早速5/1に申請してみることにしました。

まず必要なのは以下の四つの書類。

①2019年(法人は前事業年度)確定申告書類の控え

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これは確定申告してあればあるはず。確定申告していない方は今からしても大丈夫なのかな?そこはお調べください。
申告には青色申告と白色申告がありますが、どちらでも申請できます。ただ、白色申告で全て雑収入で申告している場合は対象外です。全て雑で申告している場合は修正申告が必要だそうです。(*追記 その後、雑収入でも申請できるようになりました)

また、収受印があるものとなっていますが、電子申請している場合はもちろん判子なんて押されません。電子申告している場合は書類の右上に受付日時と受付番号が書いてあれば良いようです。一応、確定申告をしたときの通知メールを写真にして添付すると確実だと思います。私はそうしました。


②売上減少となった月の売上台帳の写し 

音楽業界は三月からの自粛が多かったので三月の収入が既にない方は三月分。私のように三月は影響が少なかったという方でも、四月は緊急事態宣言で基本的に演奏会等がないのでみなさん収入減かと思います。三月か四月の売り上げ台帳を出せば良いのですが、売り上げ台帳って何?って人が多いですよね。
売り上げ台帳は売り上げだけを記すので仕事がないこの時期はすぐに作れますね。手書きでも可。私はPagesで表を作ってPDFにして添付しました。ちなみに添付書類はPDFまたはJPGのどちらかにする必要があります。

書かなければいけない項目は以下。
・売り上げ年月日(ギャラを受け取った日、または振り込み日)
・取引先(ギャラを払ってくれた相手、レッスン料を払った生徒)
・金額
・概要(出演料、レッスン料など)


年月日  取引先    金額   概要
2020/3/1 蛯澤交響楽団 10,000 出演料
2020/3/2 蛯澤亮     5,000 レッスン料
合計          15,000

上の例だと三月の売り上げ合計が15,000円になります。手書きを写真で撮った物でも良いとのことなので簡単です。


 ③通帳写し

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給付金を振り込んでもらう銀行口座の通帳の写真です。表紙の写真と口座情報などが乗っている2、3ページ目の写真を添付します。今は電子通帳しかない人が多いと思いますが、その時は画面をスクショして添付すれば良いそうです。この情報を知らなかった私は口座番号連絡書というのがあったので、それの表紙と口座情報が載っているページを添付しましたが大丈夫だろうか。。。後ほど報告するかも。


④身分証明書写し

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経産省の案内にあった画像を拝借しましたが、これをみると外国人でも申請可能。
日本人は免許証か個人番号カードのどちらかは大体持ってるかと思いますが、両方持ってない方は住基カードなどが必要なようです。確定申告を電子で行っている方は個人カードがあるので大丈夫ですね。


以上が申請に必要な書類です。四つだけなのですぐ揃えられますね。

オンライン申請の場合はこちらのサイトから入ります。

申請は書類をPDFやJPGで用意していれば簡単です。開始すぐはサーバーがダウンしたとか固まるとか色々あったようですが、私が申請した夕方には問題なく動きました。


業種の見つけ方

一つだけ厄介だったのが業種を選ぶところです。プルダウンで選んでいくのですが、もちろん音楽家なんてありませんwww
いくつか開いてみてみたのですが全くそれらしいのが見つからない。そしたら「分類一覧を見る」と言うのがあったのでそこで音楽家を検索してみました。

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すると音楽家は「著述・芸術家業」に分類されるそうです。しかし、これは最終的な分類でどこの分類から入って辿り着くのかがわかりませんw

と言うことでついに見つけたのがこちら↓

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写真の通りです。

学術研究、専門・技術サービス業

専門サービス業(他に分類されないもの)

著述・芸術家業

ちなみに音楽教室を開いている人やレッスンが事業の主体ですよと言う方は

教育学習支援業

その他の教育、学習支援業

音楽教授業

で良いそうです。

申請で戸惑ったのはこれぐらいですね。あとは前述の提出物が揃っていれば問題ありません。

もし入力の仕方が間違っていたりしたらエラーが出てどこを直すべきか出てくるので、それに従えば問題ありません。


結果、思ったより全然簡単でした♫


正直、もっと難しいかと思ってましたが、やってみたら簡単でした。確定申告さえ事業収入で出していれば誰でもすぐに申請できます。特例を使う人は調べなきゃいけないですが、普通の申請であれば決算書を出すか出さないかの違いで何も難しくありません。まだやっていない方はぜひ早めにやってみてください。


雑で出してしまった人の対応策

修正申告についてはまだわかりやすい動画を見つけることはできませんでしたが、音楽家向けに情報を発信している税理士のオンカクさん(名前は違うのかな?w)の下記の動画で対応策を教えてくれています。

音楽家の「持続化給付金」最新情報05/01
30分ぐらいから雑で出してしまった人の対応策について語ってくれています。

お勧め動画

税理士さんもたくさんこの給付金に関して発信しています。私が見てわかりやすいと思った動画を紹介します。

オンカク音楽家がお金に強くなる税理士チャンネル
このチャンネルはもろ音楽家向けです。こんな奇特な税理士さんがいらっしゃるとはwチャンネル全て音楽家向けなのでチャンネルのアドレスを貼っておきます。

すぐ分かる!『持続化給付金』申請・入力・エラー回避の方法
元国税調査官の税金坊さんが出している動画。実際に申請画面を見ながら詳しく解説してくれています。不安な人はこの動画を見ながらやってみると良いと思います。

【白色限定】持続化給付金を白色申告者がもらうには&質問大会【フリーランス100万円】
オタク会計士の山田さんが配信している白色申告者のための動画。白色で申告している方は見てみると参考になります。


受け取れるものはしっかり受け取りましょう♫

音楽家はやはり浮世離れしている人も多いのが現状です。しかし、こういうことに敏感にならないと本来もらえるはずのものがもらえずに生活が困窮することもあります。音楽業界は自粛に一番従っている業界の一つです。もちろん、オンラインレッスンや動画配信などで新しく頑張るのも大事ですが、政府の自粛要請にちゃんと従っている我々音楽家は堂々とこの給付金をもらって今の生活と自粛明けの活動に役立てましょう。


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