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まとまった音と小さい音。大きい音と開いた音。

こんにちは! ファゴット奏者の蛯澤亮です。楽器を吹いたり、youtubeやnoteで情報を共有したり、コンサートの企画運営をしています。一緒に人生を楽しんでいきましょう♫

今回は久しぶりに音楽談義。演奏するときに考えることとして、音作りについて書いてみます。

最初に勘違いしやすい大きい音と開いた音

まず、楽器を初めて小さい繊細な音を出したいと思う人は結構稀なタイプでしょう。まずは大きい音で楽器を鳴らしたいと思う人が多いと思います。

ですが、ここで勘違いしてしまうのは開いた音で大きく鳴らすことで「大きい音」と認識してしまうこと。実は、これが最初のポイント。

大きく開いた音というのは楽器がなっているようで実はうるさい汚い音。プロの人たちは現代音楽などであえて開いた音を出したりしますが、基本的にな音作りはまとまった音です。

そのためにはまず音の芯をしっかりと意識すること。音の芯が大きい音でも小さい音でも失わないで演奏できるとプロのレベルです。それだけこの技術は難しいもの。

音のまとめ方、作り方にはスタイルがある

私もウィーンに留学してまず感じたのがこの音作りの違い。ウィーンでは音の作り方がかなりシャープ。ウィーンフィル の音は力強く、太いというイメージの人もいるかもしれませんが、実はその音は細くかなりまとまった音を作っている。響くホールでの演奏では太い音で大きく鳴らすとうるさく感じてしまうのだ。

逆に日本の音は太めだ。響くところと響かないところが混在しているが、響くホールを本拠地としているオケと響かないホールが本拠地のオケでも傾向的にそこまで変わらない。

なので、日本の場合、音の作り方は指導者によるところが大きい。オケでも吹奏楽でもどのような指導者がいて、どんな指導をされているかでその人の音作りの傾向ができてしまう。

だからとにかく大良い音を鳴らせというのも最初は大事なのだが、精神論でいつもがっつり鳴らした音ばかりを出させるのも悪影響だと私は思っている。音楽表現に即した音作りをやっていくべきだ。

芯のあるまとまった小さい音

これはかなり高度なテクニックだ。小さい音にするとき、どうしても音を殺してしまう人がいる。しかし、小さい音で密度が濃い音が必要な時もあるし、音は小さいが煩く聞こえるような表現も必要だ。小さい音でもあくまで芯が通ってまとまった音で質を保つことが何より大事だ。

そうするとどうなるか?小さい音でもちゃんと聴こえる。ホールにも響くし、演奏者は遠くにいるのにお客の目の前で小さい音が鳴るようなイメージが理想だ。

実は、これはアンサンブルにもいきてくる。音をまとめているとうるさくないので他の人の音の邪魔をしなくなる。伴奏でいくら小さく演奏してもうるさいと言われたことはないだろうか?それは一重に音作りの問題なのだ。

ということで今回は大雑把に音作りについて書いてみました。

音をまとめると今度は音が小さくなったと言われることもあると思います。しかし、まとまった音でしっかり楽器を鳴らすことができれば音は通ります。まとまった音を出す意識を失わないようにしましょう。

それではまた、日々楽しんでいきましょう。

蛯澤亮でした。

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