ステージマナー
こんにちは! ファゴット奏者の蛯澤亮です。楽器を吹いたり、youtubeやnoteで情報を共有したり、コンサートの企画運営をしています。一緒に人生を楽しんでいきましょう♫
今回は先週のえびチャンネル動画についての記事です。
意外とできないステージマナー。自分への戒めも含めて書いてみます。
まずは礼から
お客様の拍手に応えるのは当たり前。まずは礼をしましょう。
この礼をするまでに楽譜を置くのはやめましょう。これはヨーロッパでも言われたことです。意外とステージマナーって海外でうるさく言われます。日本の方が堅苦しい感じがしますが、しっかりとポイントを抑えているのがヨーロッパ。日本は堅苦しいだけでポイントを抑えていないことがあります。
この礼の仕方も色々とありますが、楽器をもっている場合は楽器を持つときの位置や持ち方を考えておきましょう。ピアニストは何も持たないで出てくる時が多いので、その時はしっかりと正しい礼の仕方をしましょう。手をお腹の前で重ねて礼をするのは間違いですよ。
オケは礼をしないが日本と海外で違いが・・・
この、舞台上で礼をするということが無いのがオーケストラです。オケは基本的に礼をしません。指揮者が礼をしてオケは立っているだけです。
しかし、日本のオケとヨーロッパのオケの決定的な違いがあります。これは私も帰国した時にびっくりしました。日本の場合、N響のようなプロオケでもそれをやっていたので本当にびっくりです。
オケメンバーが舞台にずらずらと入ってくると拍手がなる時があります。これはオケ奏者に対しての拍手です。ヨーロッパの場合、拍手が鳴ったら止むまで椅子に座らず立ったままです。拍手がなっている間は座ったら失礼にあたります。拍手が止んだらみんな座ります。
では、拍手がずっとなりっぱなしだったらどうするかというとコンマスが最後に出てきてコンマスの合図で全員一斉に座ります。ここで拍手がやみます。そしてコンマスだけはチューニングのために立ったままで、オーボエがラの音を出します。しばらく静寂が続いたのち、指揮者が出てきて再び拍手がなる、その瞬間オケが立ち上がる。これが普通だと思っていました。
しかし、日本のオケは私が知る限りではどのオケも、拍手がなっていても自分の席まで来たら座ってしまいます。礼儀に厳しい日本なのに、これが普通だというのが帰国当初のカルチャーショックでした。今も拍手がなっているのに座るのがどうも気持ち悪いです。
草津音楽祭のように外人が多いオケだと外人が立ったままなのでみんな立ちます。でも日本人はやはりいつもの慣れで座ってしまって、周りが立っているのに気づいて立つ人もいますね。
アマチュアオケ特有の礼
アマオケ特有のものもあります。アマオケの指導に行ったり、エキストラで行くようになってからはこれにも驚きました。
アマオケではコンサートの一番最後にオケメンバー全員で礼をするという風習があります。これ、意外といろんなアマオケがやってます。これは一体何なんでしょうね?日本のアマオケ独特の慣習です。
オケでは立たされても礼しない?
良い演奏した人や、ソロがあった管楽器奏者などをカーテンコールで指揮者が立たせて称えるということがあります。ファゴットだったら「春の祭典」やショスタコービチの第九などでは必ず立たされます(よっぽど失敗しない限りw)。この時に日本では礼をすることも多いのですが、ヨーロッパでは礼をしません。そう、オケメンバーは基本的に礼をしないのですね。これはもともとなぜなのか分かりませんがそういう慣習です。
客席側の弦楽器の立ち方も見てみるとオケによって様々
オケが立った時の第一バイオリンやその反対側にいる楽器、つまり客席に一番近い弦楽器パートは席をそのまま立つと指揮台(舞台中央)を向いてあり、客席からは横向きになります。
これを客席側に向けるかどうか、これは地域というよりオケによって様々です。アメリカや日本のオケは客席を向くことが多いですね。でもウィーンフィル やベルリンフィルは客席を向かずにそのままの方向を向いて立ちます。
オケを見る時にそんなところも気にしてみてみると面白いですよ。ウィーンフィル はコンマスでも客席側に向くことはほぼないのではないでしょうか。ウィーンフィル がそうだからか、ウィーンではそのスタイルが多かったので私はそっちのがなんとなくしっくりくるのですが、これはおそらく客席を向く方が世界的に多いのでは無いかと思います。
ということで今回はステージマナーについてでしたが、国やオケなどでも違うのでそれぞれ気にしてみてみると面白いと思います。私はコンサートに行くと演奏前のオケの人たちの動きとかじっと見てましたwそれぞれに個性があって面白いです。
それではまた。日々楽しんでいきましょう。
蛯澤亮でした。
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