季節を感じる
アルバイト先の近くに雑貨店があり、バイト前や後にそこで食器を眺めることが好きだ。
春になると桜モチーフ、ピンク色の食器が置かれ、夏になると青や緑、黄色など涼し気な色がついたクリア素材の食器やグラスが並ぶ。秋冬は鍋や、暖色の器、マグカップなど。そのラインナップの変化を見て季節の移ろいを感じ、心がワクワクする。私の頭の中の清少納言が歌いだす。
しかし残念ながらその店で食器を購入したことがない。食器1枚を買う為に2000~3000円も出せるほど余裕がない。食器よりも服や化粧品を購入する方が優先順位の高い貧乏学生だから。だって実家から持ってきた食器や友人から貰ったマグカップが揃ってるんだもの。割れないのよ。
食器にお金をかけられるようになったら大人だと思う。
友人を招いて家で食事をする場合を除いて、食器は人に見られるものではない。だからこそ自分自身が食事の時間を「楽しみ」「彩る」ために買うものだと思うから。
早く大人になりたい。衣替えをするように、食器も季節によって使い分けたい。ただ、財力とそれらを置くスペースがない現時点の私は大人には程遠い。