ウメボシ事変ショート解体

「カリカリ梅……、食べませんか」

「食べたことはあるよ」
「私はけっこう好きですよ」
「沙耶ちゃんって昭和レトロが好きかな」
「ふつうに貧乏と呼んでください」

(……昔、ババアに渡されてたコンビニ? スーパー? 廃棄? 食いもん……、弁当に……、よくこういうガリガリするウメボシが入ってたわ。忘れてた、この感じの歯ごたえ。ここで、沙耶んちで、再会するとはな)
(まさか南高梅しか食べた事ないとか言う……?)

「……ん? おいしーよ」
「……次はハチミツ梅干しにしますか?」
「なんか子ども扱いされてる気ぃするからそれは遠慮するかな沙耶ちゃん」
「そっちのが少しお高いですよ」
「沙耶ちゃんちの梅干し、が。いいよ。俺は」


END.

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