アジャラカモクレン テケレッツのパー。
失敗続きで自殺しようとした男が
ある日
自らを「死神」と名乗る老人に「まだ死ぬ運命ではないと」と声をかけられる。
老人は
「死神が足元に見えればまだ寿命ではなく、呪文を唱えれば消える。
枕元にいれば、死んでしまう」と教えてくれた。
呪文は「アジャラカモクレン テケレッツのパー」
それを利用することで、
男は次々と患者を治療。いつしか「名医」と称されるようになる。
ある時
大金持ちの商屋に呼ばれた男。
商屋の主人の枕元には死神。もう長くはない。
しかし、
報酬に目がくらみ、
寝ている主人の頭と足の位置を入れ替え、死神を呪文で消してしまう。
すると
男の前にあの日の死神が現れ、
たくさんのろうそくが灯る洞窟へと連れてこられる。
「ここにあるろうそくは、それぞれが人の寿命を表している」と死神は言う。
目の前には今にも消えそうな一本のろうそく。
本来であれば商家の主人のものだが、
頭と足の位置を入れ替えたことで
男の寿命と入れ替わってしまったのだという。
死神から手渡された新しいろうそくに火を移し替えることができれば助かるが、恐怖と焦りから、上手くいかず。
最後に一言。
「ああ……消える」
この言葉を残し演者が倒れ込み、演目は終わる。
古典落語「死神」のあらすじです。
少し前に米津玄師さんの曲で話題になりました。
「死神」は
生命の火が消えるというオチが
落語家さんによって、いろいろアレンジされる演目なんだとか。
消えないハッピーエンドに作り替えたり、
くしゃみをして「うっかり」消してしまったり、
男の奥さんが
「昼間からろうそくなんかつけて、もったいない!」と吹き消してしまったり。
「死神」は子どもの時に初めて聞いたんだけど、当時は怖かったな…。
今、聞くとブラックジョーク的で面白いんだけどね。
アジャラカモクレン テケレッツのパー。
落語師匠、元気かな…。引っ越してしまって会えないけど、時々気になります。
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