見出し画像

日々記:とっても不味いあんパン

こんにちは。
今日は、ちょっとした日記のような軽いものを書きます。
よろしかったら読んでくださいね。

✦✦✦


「オレさ、高いカネ払って、不味いマズイパン買ってきちゃったよぉ。」
夫がキッチンで嘆いていた。
高いあんパンを買ってきたのだと言う。
見ると、河原の石みたいなのがお皿に乗っていた。税込みで1個378円したそうだ。
(そんな高いあんパン、わたしなら絶対買わないわ)

普段は何でも美味しいと言って食べてくれる夫なのに、不味いだなんて。
どんだけ不味いパンなんだろう。
気になったけど、わたしはあんパンがきらいなので、離れた所から様子を窺っていた。
電子レンジで少し温めたら、だいたいの物は美味しくなるよね。
ということでチンしていたようだ。
ところが予想に反したらしく、人肌に温もったあんパンを口にした夫は、げんなりした顔でわたしに言った。
「このあんパン、おかしいよ。餡がヌルヌルして、気持ちが悪い。」
え!? もしかして腐ってるんじゃないの? 賞味期限は切れてない??

今回は切れてなかった!


夫は我慢しながら半分程食べ進んだが、耐え切れなくなったらしく、訴えるように言って来た。
「餡がドロドロだよぉ、つぶ餡のアズキも生煮えで、固くてゴリゴリしてるぅ…、もうやだ~」
なんだそれ?
「ちょっと、食べてみてよ~」(夫)
やだな、あんパンきらいだし、仕方ないから少しだけね。
ちぎったあんパンを受け取って、口に入れてみた。
(‥‥)
やだぁーーー!
あの、これ、餡じゃなくてチョコレートだよ。
粒々してるのは、アズキじゃなくてクルミだけど?

「ええ?ほんとに??」

夫は気を取り直してあんパン、もといクルミチョコパン(?)をひと口かじった。
「ああ!ほんとだ、チョコレートだ。あんこじゃなかったんだ!」
電子レンジでチンしたせいで少し溶けていたが、何の変哲もないチョコレートなんだけど。
「中のはクルミだったのかぁ!どっさり入ってて、だから高かったんだね。」
正体がわかって納得したのか、夫は喜んで食べ始めてくれた。
「どう、美味しいの?」
「美味しいよ。パン生地とチョコレートが合ってるし、クルミがこんなに贅沢に入ってて嬉しいね!」
(手のひらを返してきたわ)
「ふつう、ひと口ふた口食べたら、気付くでしょ?」
「いやぁ、ぜんぜんつぶ餡だと思ってた。まっっずいつぶ餡だなぁって。」

それにしても、同じ物を食べているのにこれ程に味わいが異なるものだろうか。まったく驚いた。
こだわりの料理店などでは、よく〇〇産の△△を◇◇仕立てに致しましたとか言って、料理の正体を明かす。
あれはただのうんちくではなく、料理を正しく味わうための手引きだったのか、そういう訳だったのか?
これからは、うちでもそれをやることにしよう。

                       photo by Heidiさん

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?