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Blackstar FLY3の修理&改造

初のギターアンプ修理です。

といっても、ポータブルなBLACKSTAR FLY3です。

違う色に塗り替えたい

今回修理するのは限定色のクリーム色。限定色なんだけど、現在も普通に購入可能です。

動画内でいつも動作確認に使ってるギターアンプはFLY3。これの黒バージョンを持ってます。

単三電池6本で動作する3Wのギターアンプ。

実は個人的に音はめちゃくちゃ気に入ってる。
最後の方でその真価を発揮してます。


症状の方ですが、まず電源スイッチがONで引っかからない。

電源スイッチがモーメンタリ状態

電池を入れて動作を確認した所、電源も入らず。

電池端子が腐ってます

電池を外した時に気がつきました。電池の液漏れした跡があり、端子が酸化してました。

電池が使えないので、ACアダプターで確認します。

アダプターで確認した所、電源も点き、音も出て、全てのツマミも動作してました。

という事で、故障箇所は電源スイッチと電池ボックスです。


分解していきます。

まずキャビネット裏のネジを2本外します。ここは穴が小さいので細いドライバーでないと外せません。

ネジは太いのに穴は小さい

もう1本はボリュームの裏側に付いてます。

いやらしい部分にネジあります

キャビネットが開いたら、電源スイッチの付いてる基板を取り出します。

ボリュームのノブとナットを外します。ジャックのナットも外します。

ボックスレンチの方が取りやすい

これで基板自体は外れたんですが、アダプターの基板も外さないと出てこないので、これも外します。

外付け用のキャビ専用端子

これで出てきました。

問題のスイッチに接点復活剤のGAIGを吹いて一応は引っかかる様にはなったのですが、根本的な解決になってないんです。

一時凌ぎならこれで

スイッチの内部にプラスチックの溝があって、そのに針金みたいな部品が引っかかる様な構造になってるんですが、ここが成形が元々悪いか、摩耗で削れてるか、どっちにしてもまた同じ症状になる。

なので、スイッチ交換をします。

このスイッチがすぐに見つかると思ってたのが大間違いでした。

軸が思ってたよりも太くて、違う物を間違えて購入。

その後も色々探して、アルプスアルパインのSPPJ2が合う事が判ったんですが、小売してるショップはどこも取り扱っておらず。

探しに探しまくって、辿り着いたのは若松通商さんで売ってたSPJ222N96というスイッチ。型番から大きさ自体は同じだろうと思って購入。

ALPS製のSPJ222N96

ネジを固定できるタイプですが、それ以外はバッチリです。

スイッチをgootのTP-100で取り外し、スイッチの端子部分を折って、取り付け。

実際に押せるかキャビネットの入れて確認して、問題無し。

ここで押せなかったら絶望してた

実はOD側のスイッチも押して引っかからない事もあり、ついでに交換しておきます。

これでスイッチ側は直りました。


次は電池ボックスです。

とりあえず、液漏れした部分を綺麗にします。

クイックドライクリーナーで磨きましたが、意味なかった。

綺麗にはならず

結局、端子を磨く事にしました。

ガリガリ削った

ある程度綺麗になったので、電池を入れて動作テストしましたが、電源入らず。

ここでテスターで調べた所、端子のオスとメスを溶接かなんかで止めてるらしく、この部分が溶けて通電が無くなってました。

ここをハンダで付けてみたんですが、ハンダが全く乗らず、断念。

ハンダでは修復出来ず

結局、電池ボックスも交換する事になりました。

電池ボックスは運が良く、全く同じ物が秋月電子通商さんにあり、ここで購入。

秋月電子通商さんで購入 ¥120

まず、電池ボックスに付いてるネジを2本外して、繋がってるケーブルを切断してしまいます。

ネジ2本

これで電池ボックスが取れます。

取り付けは、方向間違わない様にケーブルを入れて、ネジで固定して、元に付いてたケーブルを基板から外して、あとはプラスマイナス間違わない様に配線。

電池を入れて動作テスト、無事に電源が入りました。

LED光ってます

これで不具合は全て修理したので、このまま組み立て修理完了なんですが、前々からやりたかった事をしてみます。


まず最初はディレイの改造。

このFLY3にはディレイが付いてます。PT2399が使われてる。
アナログっぽいデジタルディレイ。

これ、使わないんです。中途半端なんですよね。

ディレイを使うんだったら、もっと細かく設定したいと思うんですが、レベルとディレイタイムしかないので、調整しようがない。

しかもボリュームしか付いてないので、使うにはいちいちボリュームを上げないと使えない。
このボリュームがまた見づらいんだわ。

リバーブならもっと使うと思うというのが正直な感想。

これをもう少しリバーブに近づけたい。

一番簡単な方法でやってみます。

ディレイの信号ラインとグランドの間に1uFのコンデンサを入れます。
場所はレベルのボリュームポットの真ん中の端子とグランドです。

単純にハイをカットして、ディレイ音をローミッドに掛かるようにします。
これで音がボケやてディレイというよりはエコーみたいな感じになる予定。

作業自体は、コンデンサを一つ追加するだけ。

ボリュームにコンデンサを付けるだけ

音を確認すると、いい感じにエコーになってます。
これは好き嫌いあるかも。スイッチで切り替えられれば良かったかな。

でも自分的には元のディレイは全く出番無かったので、こっちの方が使いそう。


もう一つ試したい事があります。
それは外部スピーカーで鳴らしたらどんな音が鳴るのか?

小さなキャビネットとスピーカーだから良い音が鳴ってるのか?
それとも外部スピーカーでも良い音するのか?

スピーカーを外します。

そしてスピーカーに付いてるパワーアンプの基板も外します。

これがパワーアンプ基板

このパワーアンプの基板も気になりますね。
パワーアンプICはPAM8304が使われてて、これがビックリするくらい安い。
これを使えば電池駆動のポケットサイズパワーアンプ作れます。

スピーカー端子に直付けされてるので、取り外しは少し面倒。

外したらワニ口クリップでジャックに繋げて、スピーカーキャビネットに接続します。

スピーカーケーブルの長さが足りなくて延長した

スピーカーキャビネットに入ってるスピーカーはCELESTIONのVintage30です。

接続して音を出して見ましたが、普通に良い音してます。

その辺のコンボアンプより良い音してます。

12インチのCELESTIONのVintage30が良いって話もありますが。

自宅で使うなら十分な音です。

これは使えると判断したので、スピーカーアウトのジャックを取り付ける事にしました。


まず、使うジャックは、端子が刺さってない時はクローズになってて、刺さるとオープンになるジャックを使います。
これは、刺さってない時は内部のスピーカーを優先させる為です。
ここではクリフ製のジャックを使ってます。

1番の難問はジャックの位置。
LANケーブルで繋ぐ追加のスピーカー端子があるのですが、ここの丁度逆側。
ここが一番ベストだと思いました。

ジャックはこの位置

キャビネットに穴を開けるんですが、奥まっててやりづらい。
しかも補強の衝立みたいなのが、邪魔なんですよね。

なんとか穴を開けて、取り付け部分も平たく研磨。

ジャックも取り付け出来るのを確認してから、パワーアンプ部分との配線です。

配線材を邪魔にならないくらいにカット。もう少し長かったら作業はやりやすかったかも。

配線はプラス側が切り替わる様に配線します。
マイナス側は常に付いてる状態でOK。

スピーカーと基板から3本繋ぐだけ

スピーカーのプラス部分は基板に付けないので、端子を曲げて浮かせます。
配線の付ける方向に注意。
組み立ての時にキャビネットに干渉しない方向に付けましょう。

配線が終わって、組み付ける訳ですが、ジャックの取り付けが上手くいかず大変でした。

まず、付属のワッシャーだとナットのネジの長さが短くて厳しかったので、普通の薄いワッシャーにしました。
薄くしても取り付けは苦戦したんですが。

色々やってて思いついた作戦が、空のプラグにワッシャーとナットを通して、キャビネットの外からジャックをキャッチして、ナットを締め込むというもの。
これが見事に上手くいって、自分は天才だと思いました(単なる凡人です)。

天才的な発想

各基板を取り付けて、動作テスト。問題無かったので組み立て。

そしてやっと完成です。

修理も改造も長かった


ここで、やりたかったもう一つの実験。

FLY3をUAのOX AMP TOP BOXで鳴らして見ます。

OXは歪んでる時のセッティング

さて、どういう音になったのか?
気になる方は、動画の音をチェックしてください。

この音は十分使えますね。エコーみたいになったディレイも使えますね。
この改造はかなり満足してます。

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