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シンペイさんのこと

ハタチの頃に仲良くしていた年上の男性のことを書いてみることにした

彼の名前はシンペイさん(当時27歳)


キャイーンの天野くんとアナウンサーの安住さんを足したようなお顔

だけど声は福山雅治だったのだ!なぜ!←失礼

で、ちょっと優しくされた私は、たちまち大好きになった←単純


MBA取得を目指しているとのことで留学準備中だったようだ

都内の一等地に実家があるおぼっちゃま

時々父親の会社を手伝っていると言っていたが、だたの道楽息子に見えた


「あやちゃん、今日何限までー?終わったらあそぼー飯食いにいこー」

時々そうやって気まぐれに誘われた

「うん、今日はバイトないから大丈夫だよ」


新宿で待ち合わせすると

黒縁メガネに癖のある髪の毛がぐちゃぐちゃ

よくわかんないダウンジャケットにおっきなリュックといういでたちで現れる

なんか顔もむくんでない?

相変わらずひどい

やる気ないなあ


「ねーねーその重そうなリュックに何が入っているの?」

「何言ってんだ、こう見えて俺は勉強してるんだぞ」


そしていつも決まってタクシーに乗って四ツ谷の吉野家に連れて行かれた

「いいんだよ、だってあやちゃんだよ?彼女じゃあるまいし、しゃれたところに行かなくても」

「えーーーーーーー」

「ほらほら、お新香もつけてやる」

そうやって私はいつも彼のペースだったのだ


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