科学と人間理解の新たな可能性
科学とは
「科学」を簡単に説明すると、宇宙や自然を含め自分の生きている世界について「知る」ことです。
認識論とは
現象や出来事の理解の仕方の特定の枠組みのことで、ものの見方に影響をあたえるものとして認識論があります。
自然科学の認識論である実証主義は「事実は実在し客観的に明らかにできるという立場」を取ります。
その批判としての認識論の、社会構成主義は「言語による意味の共通理解を社会的現実」と見ます。つまり現実(社会現象、事実、意味)は人の認知でつくられるということです。
科学哲学としての批判的実在論
「批判的」とは、現実の世界や社会の状況を是として受け入れるのではなく、批判的立場から現実的問題に対する解決志向です。社会を変革し、人間に本来的に内在する可能性を実現するための研究を下支えする科学哲学です。
批判的実在論は変革の科学哲学です。
批判的実在論は、世界、社会、そして人間に対して、視点を部分より全体に向け、より根源的な問い「何が存在しているか?」に取り組む必要性を強調しています。
社会学、経済学、歴史学、教育学、社会福祉学などの社会科学の基礎理論として関心をもたれています。
主体は研究者であり、方法よりも問いを重視しています。
「存在論-認識論-方法論・方法」の枠組み
存在論とは「そこに何が存在するのか」を問うています。批判的実在論は実在を扱う存在論です。実在とは私たちの知覚や意識から独立して客観的に存在するものという考え方をします。
つまり、実在とは私たちが直接知り得ないところにあるとし、これを「超越論的実在」と呼びます。
認識論とは「何を知ることができるか」、つまり知識についての理論であり知識獲得の根拠となるものです。
認識論では、認識できないものは存在できないという大前提に立ちますが、批判的実在論はこれを「認識論的誤謬」として退けます。
逆にわからないことについてオープンな立場をとります。
その上で直接知ることができないものをどうしたら知ることができるのかが、批判的実在論における方法論の問題となります。
「何を知ろうとするのか」という問い
何を知ろうとするかという問いが重要になります。柔軟な発想で研究が行えるようになります。
身近な経験から直接知ることのできない実在するものについて知ろうとするのはどういう場面になるだろうか。たとえ日常からであれ、その問いの答えは直接知ることはできません。つまり、到達できないので常に暫定的、作業仮説的でさらなる研究によって内容が更新されていくことになります。これが前提となり研究所は結果に満足できず、深い探究に促されていきます。
批判的実在論は、私たちが知り得ることには限界があり、知識は常に不十分、不完全であるとします。しかし、より説明力のある研究成果によって更新されていくという漸進性の意味があり、これを「知識の可謬性」と呼びます。
私の理解に誤りがあるかもしれません。遠慮なくご意見を頂けましたら嬉しいです。
次は、続きを書いていきます。
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