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富山県南砺市を懐かしむ

農村地域は、1960年代後半からの過疎高齢化の進行やグローバール化を背景とした基幹産業である農林業の衰退、さらには集落の崩壊という深刻な問題に直面している。

筒井一伸(2008)第11章 農山村の地域づくり.藤井正・光田長温・小野達也・家中茂編著  地域政策入門-未来に向けた地域づくり-.ミネルヴァ書房 pp.191-209

人口減少問題が注目されるようになったのは、いつ頃からだと思いますか?私は2000年頃かと思っていました。

 私の田舎は富山県南砺市です。合併前は西砺波郡福光町でした。農村地域の町部(商店街がある地域)に住んでいました。4月は神社のお祭りで子供たちが御神輿を担ぎ、獅子舞を踊り、夏は花火大会と屋台で賑やかな夏祭りがありました。その当時1980年代は、衰退しているようには感じなかったのですが、今から振り返ると既に崩壊が始まっていたことに気づかされました。筒井(2008)は1960年代後半から農村地域の崩壊という問題に直面していることを説明しています。

 中学校は、4つの小学校の児童が、1つの中学校に通う形でした。そこで、始めて農村地域の友達ができました。彼らの家はとても広く、家の周りは田んぼだらけで、玄関にたくさんの長靴があり、収穫されたみずみずしい野菜がガレージに置いてありました。

 その友人たちや友人たちの兄弟の多くは、就職や大学進学をきっかけに土地を離れ、農業からも離れ都会の高層マンションに住んでいます。

 「働く機会」がなければ、所得が得られず生活もできません。農村地域に新たな雇用機会を作ることが必要だと私は考えます。産業誘致などが考えられますが、働く場となる会社や工場などがなくても、いくつかの職業は、発信するツール(インターネット環境とパソコン、スマートフォンなど)さえ揃っていれば、どこでも仕事ができる時代になりました。私もオフィスに出社することなく、自宅で仕事をする日が増えました。

 コロナの影響もあり、田舎暮らしを選択する人が少しずつ増えてきていると聞きます。自然豊かな環境で仕事をする方が良いアイデアが生まれるかもしれません。過疎高齢化地域が賑わいを戻すことも期待できるかもしれませんね。




新版が2019年に出版されています


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