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2022年下半期振り返り

毎年この時期になると何も出来ないまま一年が終わる、と地獄のような虚無感に襲われるのですがそんな事ないよ、と自らを慰める為に振り返りを行なっていこうと思います。イェーイ。


・500枚ドローイング

気付いてはいたんですが、昨年と今の画力を比べて向上が見られたかと言えば答えはノーで、五百枚ドローイングみたいな量をこなすだけの物は無意味だったなぁ、と。じゃあなんで続けてたんだって話になるけど途中で投げ出すのがすごく嫌だったんですよね。傍目にバレるし。第三者だったら鼻で笑いたくなるもん。これはそもそも短期間で馬鹿みたいな枚数書く事に意味があるので実質投げ出してたような物ですね。なので終わりにします。私達これで終わりにしよう。改めて本来の意図に則って、一ヶ月で集中して百枚描くみたいなやつはやりたい。きっと楽しい。

・Skeb

人から金銭を頂いてイラストを描く、というのが怖すぎて手を出して来なかったんですが、好奇心には勝てずに始めてみました。結論から言うとやってみて良かったと思います。「五百円で描くから出来が酷くても許してね、絵ガチャみたいなものだよ、かすみさん♡」的な感じでいたのですが、いざ依頼されてみると、わざわざ私如きに金銭を支払って依頼してくれる人が居る事の有り難みがあまりにも重く、どの依頼絵も全力で描く事になるというね……。単に小心者だとも言える。話には聞いていた同人イベントに参加せずにして自らに金銭を払って貰える事のありがたみを知る事が出来ました。同時にイベントに参加する意味の大半を失いました。南無……。あとリクエスト募集するとめちゃくちゃリクエストが飛んでくるので承認欲求低めの方々は「私に価値を見出してくれる人がこんなに……」って自らの価値を再認識出来るかもしれません。気分はパパ活女子でした。

・同人小説

ずっと小説は書いてみたいと思っていながら書く機会が無かった、というか二年前くらいに書いた事はあったけれどその凄惨たる出来に筆をへし折った過去がありまして。「くそう書けない!ネットの小説講座を見てもまるで小説の文にならない!漫画で描いた方が絶対早いわ!」って。ただ最近、面白い同人小説の数々に触れてまた小説書きたい欲求が非常に強くなってました。

そんな中、読んで面白かった小説の作者である笹鎌愁久さんが「創作お悩み相談室」なるスペースを配信されていたので拝聴。文字を書くにあたっての長年疑問に思っていた事を残らず解消してくれ、かつ気楽に書こうよと背中を押してくれる、そんな素敵な内容でした。これから小説書いてみたい勢には非常におススメです。↓


ほいで、配信聴いてそのままに書いたのがこれ。


・『そういうところ』1/2〜2/2

お買い物に行くランしお。
ネタ自体は持ってたので、それを小説の様式に当てはめるという感じでした。なにも配信当日に書かなくてもと思ったのですが、寝たら得た知見が流れるような気がして。一応読める物にはなっていると思うけど、ストーリーラインをなぞっただけの文章だし粗が多いね……。それでも書き上げられた事がすごく嬉しかったのを覚えています。最後の一文は無い方が良かったな……。

あ、お気付きだとは思いますが当記事は小説の振り返りがメインとなります。


・アリバイ工作(心理戦)1/4〜4/4

クリスマスデートするしおぽむ。
前作の反省が「憧れの文字書きさんと違って情景が浮かばない事実の列挙になってる」だったので、頑張って前半それっぽくしたのが伝わるでしょうか……?

ふわふわと舞う雪に光が乱反射して、その幻想的な雰囲気を一層強いものにしていた。

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頑張ってます。とても頑張りました。
「ふわふわ」ってすごくふわふわしてますよね。日本語ってすごい!綺麗だな、って思ったのはこれを書いてる時です。その頑張った情景の直後に「ツイッターの予約投稿を――」という台詞が入るのは今見返すとイマイチかも。他にもくどいギャグ要素が二ヶ所ほどあってノイズになってる気がします。ただ飲シャンで笑ってくれた人もいるようなのでその辺の塩梅が難しいですね……。


・誘い水(抗原検査)1/4〜4/4

抗原検査するしずかす。
先日初めて抗原検査をした時に、小説って日常風景を書くと練習になりそうだしそれっぽくなるかも!と思い立ち、秒でオチが決まりました。普段自分の性癖を曝け出すのが恥ずかしいと思っている節があるようなのですが、この作品ではアクセルペダルベタ踏みで駆け抜けました。これが好きって言ってくれる同好の士を心待ちにしています。唯一の誤算は唾液採集を失念していて、いざ書くぞとなった時に「こんなんドエロになるやん!」って気付いた事です。それでも駆け抜けました。しばらく性癖を曝け出した作品ランキングの頂に君臨し続けると思います。ちなみに袋を開ける時が好きすぎてガン見してしまうのは私です。何フェチって言うの?一皮剥けたのか、大事な物を失ってしまったのか、それはこれから判るのでしょう。


・初恋(コンビニ店員桜坂さん)1/8〜8/8

桜坂さんと「あなた」のお話。
全然伸びなかったけどやりきった感がすごい。大満足です。過去に書いた散文を小説に手直しした物となります。↓

近所のコンビニにとても顔立ちの整った店員がいる。『桜坂』というネームプレートを付けたその若い女性店員は、レジに立っている時の凛とした雰囲気とは裏腹に会計時の言葉を交わす際には人懐っこい、とても人好きのする笑顔を客に向ける。

一目惚れだった。
二次元にしか興味ないと嘯きこれまで生きてきた、そんな俺の、初恋。

もともと会話が苦手だったが、これが初恋なのだと意識してからは緊張してますます上手く話せなくなってしまったが、レジで交わすたった数回のやりとりはまるで宝物のように感じられた。

そんなある日突然、桜坂さんは店に顔を出さなくなってしまった。
「桜坂さん?あー、一週間前に辞めちゃったんだよ。良い子だったから僕としてもバイト続けて欲しかったんだけどね」
彼女の代わりにレジに立つようになった恰幅のいい店長にそれとなく聞いてみると、桜坂さんがバイトを辞めたこと、そしてお芝居の役作りの為にバイトをしていた事を教えてくれた。
まるでストーカーのようだと気が引けつつも、お芝居を観に行くだけだ、やましい気持ちなど無いと自分に言い聞かせて舞台を観に行くことにした。どうやらコンビニを舞台にした群像劇らしい。これならコンビニでバイトするのも納得できる。そしてその舞台での桜坂しずくの役は
コンビニの女性店員に恋をする男性客の役だった。

桜坂しずくの演技は完璧で
緊張のあまり女性店員と上手く話せないその姿は
それでも女性店員と嬉しそうに話すその姿は
まるでどこかで見てきたかのような
そんなリアルさを感じさせる演技だった

その後の話はまるで覚えていない
終演後、まるで逃げるかのようによろめきながら劇場を後にした

初恋はレモンのように甘酸っぱいんだと誰かが言ってたっけ。
「ははっ……」
自嘲気味に笑い、路地の壁に身を預けながら酸っぱくて苦い、込み上げてくる胃酸を無理矢理飲み込んだ。

#闇レジ係桜坂しずく釣り銭渡し選手権

今見返したら旧作だとモブはラストシーンでR3BIRTHしてませんでした。結構思い入れの深い作品だったので気合を入れて改作。桜坂さんと毎日こんな風にお喋りできるなんて夢のようだからどう見てもこれは夢小説ですね!一応、男女どちらの視点でも読めるような物を目指しました。なってるかな……。直近三作がオチへの連結を急いでいた、という反省点があったので「腰を据えてじっくり描写する事」を意識しました。あとは対比とか比喩とか、そちらも稚拙なりに少々。

いつものようにレジとは逆方向にあるオープンケースからミートドリアと野菜ジュースを手に取り、レジに向かった。

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読んでいて直接的にはあまり嫌悪感の出なそうな主人公にするのにかなり難儀しました。それに伴い旧版の吃り設定を消去。朝からミートドリア?重くない?と疑問に思ってくれたなら主人公がレンジアップに時間の掛かるドリアを意図的に選択しているとこまで気付いて貰えるかも……無理……?

車内に置いていたレモンキャンディを口の中で転がしながら、車のエンジンを始動させた。

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言わずもがな初恋の比喩です。もはや直喩。要らなかったかもしれない描写。

舞台の幕が上がる、と例えで良く使われるが、この小劇場に幕は無く、座長の小気味良い前座の挨拶によって演劇は始まった。

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個人的好きポイント。上がる幕すら無かったんですって。皮肉ですよね。

吐瀉物塗れになりながら天を仰ぐ。
澱みをぶち撒けたような醜悪な酸味が口一杯に広がっていた。

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レモンキャンディとの対比。「初恋の味は胃液の味でした」を如何に文学的に書くか試行錯誤しました。如何でしょう?

そして、舞台上の彼女は観客席の私を邪気のない瞳で真っ直ぐに見据えて。

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桜坂さんの向ける感情はかすみさん達の為にあるべきであり、その他モブである主人公には嫌悪感すら注がれるべきではありません。無感情に、どこまでも純粋に死刑の宣告はされるべきだと思います。そして嫌悪の感情すら向けられなかった事実に更に苦しむ主人公……美しいですね。


さて、長々と語ってしまいましたが今はとにかく小説を書くのが楽しい!書き上げた時の満足感は何者にも変え難い感覚です。まさか2022年最後の一ヶ月でこうなるとは思っていませんでしたがこれもまた人生。流れに身を任せて楽しんでいきたいと思います。

どっとはらい。

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