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三種の神器 2合目
〝山の天気は変わりやすい〟本当にその通りだ。
予め天気予報を確認し山へ向うが、あくまでも予報だ
これは人生のベスト3に入るほど死ぬ思いをしたので
しっかり揃えようと思った道具の1つ。
三種の神器の2つ目はレインウェア
快晴でも、軽量化した登山でも必ず持って行く。
撥水ではなく防水、透湿性の高いものがよい
2009年に起こった大規模な山岳遭難事故
『トムラウシ山遭難事故』
参加者の殆どが陥ったのがこの〝低体温症〟
これは夏山でも起こるのが恐ろしい。
寒さにより体温が下がり震え、運動障害
意識障害を起こし重度の場合死に至る。
これはニセコ連峰東山系のニトヌプリ、チセヌプリの縦走をした時に起こった出来事だ
当時はゴアテックス製のレインウェアとは異なり
“小雨の散歩”程度、いわゆる雨ガッパ
防水性や透湿性とは無縁の代物。
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登山口に向かうにつれ霧が濃くなってはいたものの
「これくらいなら大丈夫だろ」と安易に登り始めた
今となっては恐ろしい限りだ。
色々な山に登り始めて慣れてきて
かなりいい気になっていたのだろう。
1座目のニトヌプリ山頂に近づくにつれ
暴風雨に見舞われる。
途端に安物の雨具はTシャツへ浸水
ボトムスもびしょびしょ
汗もプラスされてほぼ濡れた状態で歩行
山頂では雨風が強過ぎて
とても休憩できる状況ではなかった
予定では縦走しピストン(来た道をそのまま戻る行程)
するつもりであった。
この状況で下山(撤退)をするのが当然だが
知識、経験ともに乏しくそのままチセヌプリへと向かうのである。
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ぬかるみで転倒するわ、岩に登りきれず肩は外れる
濡れた木道で転倒するわと思い出しただけで痛い。
強い震えが来て『まずい低体温症だ』と思った時には
もう長沼を抜け国道を歩いて戻るしか方法はなくもう散々で意識も朦朧としていた。
何とか国道に出る頃には雨もあがり体の冷えも治まり
最後は日没ギリギリに到着
登山口には我々の車しかなかった。
唯一の救いは速乾性のTシャツを着ていたこと
山頂でカップラーメン用に持っていたお湯
同行者も居るので必ず送り届けねばという気力だけであった。
怪我も車の運転も事故なく自宅に帰って来れたが
山行としては大失敗
これを機に道具は
自分の命を守るものと考えるようになった。
転倒した時の肩の痛みと、へこんでしまった水筒
ザックの中身は水浸しで反省しかなかった。
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登山は頭と身体のバランスが取れてできるもの
その他にも綿密な登山計画や気象知識など様々あるが
気力だけ、体力だけでやってはいけない事を
身に染みてわかった。
頑張って登った先には最高の景色が!
なんてとずっと思っていたが
違う、山では頑張らなくていいのだ。
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