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かわいいあの子が憎い

小学生の時の話。

絹のような髪、スラリと長い手足、
全身をブランドで着飾った
みんなから人気のかわいい女の子がいた。

当時、わたしはスポーツ万能で
かっこよくて面白い
T君が好きだったのだが(理由が小学生)、
どうやら彼はその女の子が好きらしかった。

彼女の部屋はどこを見渡してもピンクで、
時計も布団も勉強机も
すべて同じブランドで揃えていた。

私は羨ましくなり、
母にねだってそのブランドの服を買って
もらったが、全く似合わなかった。

ああ、わたし可愛くないんだ。


ピンクは似合わないし、
T君は私を好きになってくれない。

あの子の方が、可愛いから。 


(せめて、私より不幸であれ。)

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