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保護者は、学級通信をどのように受け止めているの?

 学校現場において「学級通信」が話題になる際、「学級通信の発行頻度」「学級通信に書く内容」「学級通信を作成する時間」「学級通信のネタ探し」などが課題に挙がることが多いです。

 書店では、そのニーズに応えるように「こうすれば学級通信は書ける!」「○分で書く学級通信のコツ」「学級通信のネタ探しは簡単!」など、どちらかと言えばハウツー要素の強い書籍が多く並んでいます。

 学教通信は、読み手である保護者等(子どもも含む)を意識しながら、内容や伝え方を工夫して書くことになりますが、実際の読み手である保護者等が「発行される学級通信をどのように受け止めているか」を知る機会は少ないように思います。

 保護者の視点からみた学級通信を理解する上で、1つの参考になるのが「公益財団法人 理想教育財団」が発行している【学校における各種通信の実態と教育効果に関する調査研究 最終報告書 2018】です。

 報告書の中には、保護者を対象としたアンケート調査結果と考察が記載されています。
 ※ アンケート21項目、有効回収数541(小学校332 中学校209)

 読み手を意識した学級通信や、学級通信そのものの存在を考える上で、参考になりそうな結果を示します

○「発行された学級通信を必ず読む」と回答した保護者の割合は、小学校81%、中学校56%と大きな差がある。

○「学級通信の中で興味をもって読むものは何ですか?」という問いに対しては、小中ともに「授業や学校生活の様子」が一番高い割合である。

○「学級通信は必要ない」と回答している割合は、小中ともに1%にも満たない。

○「学級通信を読んで、役に立ったこと、参考になったこと、うれしかつたこと」への自由記述では、小学校では「予定や時間割が分るので、スケジュールが立てやすく、忘れ物防止に役立つ」(20%)、中学校では「我が子の名前、写真、作品なとが載っているとうれしい。」(29%)が1位である。

○小中ともに学級通信に載せてほしい情報トップ4は「授業や学校生活の様子」「学校行事などの取り組み」「週間予定・月刊予定」「子どもや保護者へのお願い」である。

○「学級通信について子どもと話すことがあるか」について「よくある」の割合は小学校23%、中学校12%である。

○「子どもは学級通信についてどう思っているか」について、「特に関心はないようだ」と回答した割合は、小学校56%、中学校61%である。

○「保護者の声、感想が掲載された通信をどう思うか」という問いについては、小中ともに「どちらともいえない」と回答した割合が50%を越えている。

○「学級通信は紙がよい」と回答している割合は52%、「Web上の方がよい」は11%です。

学校における各種通信の実態と教育効果に関する調査研究 最終報告書 2018

 以上になります。

 もちろん、中山間地域、離島、学校規模、都市部と地方、地域性等によって、調査結果は異なることが予想されますが、報告書の内容は、これからの通信の在り方を考える上で大きなヒントになりそうです。

 

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