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閉鎖病棟で医師から言われた3選

他の科の患者よりも、精神科の患者は医師との会話が重要になると思います。
私も入院中は、短くて2, 3分、長ければ15分くらい
主治医と毎日話していました。

私が入院中に主治医と会話していて、心の残った言葉を3つ、メモします。


1その人は男性ですか


入院してまず、主治医からたくさんのことを尋ねられました。
症状を把握して、治療に役立てるためとはいえ、根掘り葉掘りさまざまなことを聞かれた気がします。

精神科ならではというか。
趣味、家族のことから、学生時代の成績やら人間関係やら生活の質やらまで。

答えたくないような質問や答えづらい質問もありました。
中でも一番おどろいたのは
「恋人はいますか」
という質問に、いると返答したら
「その人は男性ですか」
と返されたことでした。私はです。

私はLGBTにも同性愛にも偏見はなにもありません。
ですが初対面でそこまで確認されたのに驚きました。
さすが精神科…。

2顔色、よくなりましたよ


週に1回、教授の先生が病棟まで挨拶に来る、教授回診があります。
その際に、先生から
「顔色よくなりましたよ」
と言っていただきました。
おそらく、私の気持ちを上げるために、言ってくださった言葉だろうと思います。

しかし私は
「はあ、それはよかったです。」
と返すことしかできませんでした。
マスクと前髪と眼鏡が顔の9割を占めているのに、顔色もくそもないだろう、心の中では悪態をついていました。

性格が悪いですね。でもそれくらい、入院中は心に余裕がありませんでした。

まあ、気をそれくらい、患者の心を明るくできるよう、
先生も気をつかってくださったからこその話題も沢山ありました。

治療の経過も
「いいですね、順調ですね」
がまず第一声でした。

入院中、自分には治っている感覚がありませんでした。そのため順調だと言われるとかえって、
「こんなんで入院した価値はあったのかな」
と不安になりました。
「先生、順調だなんて、どうせ全員に言っているのでしょ」と。

こんな感情が湧いてしまうこともあるので、医師と患者の信頼関係は大切だと思います。

3話してくれてありがとう


上記のように、医師にもやもやした感情は抱えることもありましたが、基本的には感謝の気持ちの方が勝っています。

私は入院中、不安感から毎日のように泣いていました。
特に不安が強くなった時、そのことを主治医に伝えたところ
「話してくれてありがとう」
という言葉をかけていただきました。

その言葉を聞いた時は、
「返事はそれだけかい。こっちは不安で不安でしょうがないのに」
と思いました。

しかし退院した今になって振返ってみると、他人からネガティブな言葉をかけられて
ありがとう
と返せるのは心が広いなあと思います。

毎日、患者の心によりそうのが、通常モードで、患者のどんなネガティブな言葉にもふんわりと返す。
それがモットーなようで、先生は優しかったです。
残念なことに、入院当時の私には響いてなかったのですが。


以上が医師から言われて心に残った言葉でした。

この記事を読んだ人が笑って過ごせていますように。

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