『夢のつづき』~妄想と夢の狭間で~
妄想ばっかり言うのはやめろ。」
父はふざけているのか本心なのか知らないが、私に対してそんなことばかり言ってくる。
確かに夢見がちなのは否めないが、無茶なことを言っている訳ではない。2019年に精神病棟に緊急入院し、統合失調症の診断を受けてから、父は私を“妄想野郎”と決めつけているのだ。しかし不思議にも私はその言葉にイライラしない。悪意は無いのを知っているからだ。父の腹の底には、息子への愛情が溢れているのを、幼い頃から知っている。当人はシャイな日本人の典型として、不器用な愛情表