Masahiro TANAKA

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空の果てまで

「またたけ/星になって/鳥になって/大空へ征け。 叫んでも/止められない/この気持ち/大空を舞え。」 彼女は一走りに筆で書いた。 空にはあのお日様がテンテンときらめいていた。

    • 空の果てまで

      第1章 空の瞬き 「空に、空になったのね!」 彼女は心の内でそう叫んだ。 それは、喜びのドラマだった。 悲哀を超えた青春の息吹きだった。

      • 「最後の世界レフェランダム」

           第一章 規定   世界は変わりつつあった。かつての国家は形を変え、一つの大きな統合された存在へと進化していた。それは、世界政府と呼ばれる新たな機構だ。この政府は、地球規模の課題に対処するために、各国を主導する機関として設立された。そして、その最も強力なツールが地球に住む全人類に直接民意を問うという「世界レフェランダム」だった。  『世界レフェランダム規定』   一、 世界レフェランダムは地球規模の課題に限り世界政府オンラインサイトを介して実施される。 二、 世界レフ

        • 『夢のつづき』~妄想と夢の狭間で~

          妄想ばっかり言うのはやめろ。」 父はふざけているのか本心なのか知らないが、私に対してそんなことばかり言ってくる。 確かに夢見がちなのは否めないが、無茶なことを言っている訳ではない。2019年に精神病棟に緊急入院し、統合失調症の診断を受けてから、父は私を“妄想野郎”と決めつけているのだ。しかし不思議にも私はその言葉にイライラしない。悪意は無いのを知っているからだ。父の腹の底には、息子への愛情が溢れているのを、幼い頃から知っている。当人はシャイな日本人の典型として、不器用な愛情表

        空の果てまで

          白の魔法

          白の魔法    目次  第一章 アレアノワ  第二章 サフラ砂漠とサフランという町  第三章 未知の病  第四章 旅人の記憶  第五章 旅の始まり  第六章 真っ白な砂漠  第七章 喜びに沸く町  第八章 ユウナとカイの決意  第九章 修練の日々  第十章 誓い    本書の概要  本書は、ユートピア的な魔法ファンタジー作品です。サフラ砂漠の中に位置するサフランという町が舞台で、この町には無限に湧き出でる泉があります。泉の畔には、毎朝沢山の食糧が置かれており、町の人々はそれに

          ファンタジー小説 ※終盤書き途中

          白の魔法       第一章 アレアノワ   「二百年、勤めを果たせ」 「アレアノワ…」 一瞬、時が止まった。そしてまた、動き始めた…。      第二章 サフラ砂漠とサフランという町   黄土色の砂の大地が延々と広がる。空の青と地平の黄土色が重なり合い、一筋の線となる。そんな景色が町の外には広がっている。サフラと呼ばれる巨大な砂漠に生きる人々は、ともに助け合い、この砂に覆われた環境下で幸せに生きていた。不思議な事に、このサフランという町には泉があった。その為、町の人々は飲み

          ファンタジー小説 ※終盤書き途中