初心者向け少額投資のすすめ!メリット・デメリットと投資の種類を解説
少額投資とは
少額投資は、明確な定義はないものの、一般的には10万円以下の金額から始められる投資のことです。
少額投資は、投資経験がない方や資金が少ない方でも簡単に始められることが特徴で、中には100円から投資できる少額投資や、スマホのアプリで手軽に始められる少額投資など、幅広い種類の投資方法があります。
これまでの資産運用は「中高年の人がやるもの」「高額な初期費用が必要」といったイメージがつきものでしたが、様々な分野で少額投資が登場したことで、若い方でも資産運用への挑戦がしやすくなっています。
また、近年では「老後2,000万円問題」が話題になったことで将来へ向けての資産運用を検討する方が増え、少額から始められる「新NISA」や「iDeCo」などの運用方法が注目されています。
なかでもiDeCoの加入者は、2021年3月末時点で約193.9万人であったのに対し、2024年1月末には約320.7万人にまで増加しており、その注目度の高さが伺えます。
少額投資のメリット
少額投資を始めることのメリットは以下の通りです。
少額投資のメリット
リスクが少ない
さまざまな投資を試すことができる(分散投資)
税制上の優遇を受けることができる
スマホアプリで手軽に資産運用ができる
それぞれの内容について、分かりやすくお伝えします。
メリット1. リスクが少ない
少額投資は、その名前の通り少額から始められる投資方法です。
投資と聞いてイメージされることが多い「株式投資」の場合は、ほとんどの企業が100株や1,000株からでないと株式を購入できず、投資を始めるためには少なくとも数十万円以上の資金を準備しなければなりません。
また、株式相場は常に変動しており、元本が保証されている訳ではないため、投資金額が大きいほど損失のリスクも大きくなります。
最悪の場合は借金を抱えて自己破産にまで発展するケースも考えられるため、投資経験が少ない内に大きな金額を投資に回すことはおすすめできません。
ですが、10万円以下から始められる少額投資なら損失額も大きくなりづらいため、少額投資は一般的な投資より損失リスクが少ないことがメリットです。
メリット2. さまざまな投資を試すことができる(分散投資)
投資の世界では「卵は1つの籠に盛るな」という格言があります。
投資をするにあたって、複数の投資対象を選ぶ「分散投資」はリスクヘッジの意味でも有効的な方法とされています。
しかし、高額な資金が必要な大口の投資においては、投資に回すだけの十分な資金を準備するのにも限界があるでしょう。
少額投資なら一口あたりの投資金額が少額で済むため、一般的な投資に比べて様々な投資方法を試すことができます。
まずは少額投資で様々な投資方法を試していき、その中で知識と経験を身に着け、資金に余裕が出てきたら無理のない程度で大口の投資に挑戦していくのがおすすめです。
メリット3. 税制上の優遇を受けることができる
投資で得た利益には、原則として20.315%の税金(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)がかかります。
ですが、少額投資の代表的な方法でもある「少額投資非課税制度(NISA)」や「個人型確定拠出年金(iDeCo)」では、税制上の優遇を受けることができます。
具体的には、NISAでは資産運用によって得られた利益が一定額まで非課税で運用されるので、得られた利益に関しては税金のことを心配する必要はありません。
また、iDeCoは拠出した掛金の全額が所得控除の対象です。
所得控除とは、1年間の所得のうち、所得税や住民税が課せられない金額を指します。確定申告や年末調整で申告をして所得控除を適用することで、所得税や住民税の負担を抑えられる可能性があります。
会社員の方なら年末調整時に申告することで、納めすぎた税金が還付金として返ってくる可能性もあるので、非常に大きなメリットだといえます。
メリット4. スマホアプリで手軽に資産運用ができる
近年の少額投資では、スマホのアプリから手軽に資産運用を始められるサービスが数多く登場しています。
スマホアプリで始められる少額投資のサービス例
トラノコ:あらかじめ「おつり設定」で金額を決めておき、クレジットカードでの買い物をした際のおつりで投資ができるサービス
CREAL(クリアル):最低1万円から始められる不動産特化型のクラウドファンディングで毎月分配金が受け取れるサービス
FANTAS funding:不動産投資クラウドファンディングで知識がなくとも一口1万円から不動産投資が始められる
SBI証券:TポイントやPontaポイントを使って100円分(1pt=1円)からの少額投資が始められるサービス
PayPay証券:スマホ専用の株式投資サービスで、口座開設から入金、株取引、決済までの操作をワンタップで行える
WealthNavi(ウェルスナビ):投資家ごとに最適なポートフォリオを構築しテクノロジーの力で自動的に投資が行えるロボアドサービス
上記で挙げたサービス以外にも、スマホアプリで簡単に始められる少額投資は数多く登場しています。
アプリをダウンロードして初期設定を済ませてしまえば、いつでも簡単に少額投資を始められるので、投資経験がない方には非常におすすめの方法です。
少額投資のデメリット
少額投資のデメリットは以下の通りです。
少額投資のデメリット
利益が少なく、まとまった利益を得るには時間がかかる
投資の際に発生する手数料で損益が出る可能性がある
デメリット1. 利益が少なく、まとまった利益を得るには時間がかかる
少額投資のデメリットは、掛金が少ないため得られる利益も少なく、まとまった利益を得るためにはある程度の時間がかかることです。
また、少額とはいえ投資であることには変わりないので、世界情勢や金融相場の影響を受けて元本割れを起こして損益が出てしまう可能性もあります。
そのため、少額投資で大きな利益を得ようとするのではなく、投資の知識と経験を積むためのステップとして少額投資を利用するのが良いでしょう。
デメリット2. 投資の際に発生する手数料で損益が出る可能性がある
少額投資は、投資の際に発生する手数料が割高になりやすく、利益が出たものの手数料によって損益が出る可能性があります。
手数料とはサービス運営者の利益となる部分で、投資をする際には手数料が上乗せされた金額を支払うことになります。
たとえば、100円の投資を行う際は手数料10円が上乗せされて、実際には110円を支払うといった形です。
この手数料は、利益を引き出す際にも上乗せされることが多いので、投資を繰り返し行えば行うほど手数料の影響が大きくなってしまいます。
一般的な投資においても手数料の存在は大きな注意点といえますが、利益が少ない少額投資においては特に意識しておかねばならないポイントです。
利益が少ない内に少額投資を繰り返し行うと、上乗せされた手数料分で損益が出やすくなってしまうので、一度投資したらむやみに動かさず放置しておくことがおすすめです。
少額投資の選び方
少額投資を選ぶときのポイントは、「リスクとリターンを考慮すること」「具体的な目標金額を決めること」の2つです。
以下で詳しく解説していきます。
リスクとリターンを考慮する
まず最初に考えるべきなのは、リスクとリターンを考えることです。
少額とはいえ、投資にはリスクがあります。
自分の生活水準から、どのくらいのリスクを取っても大丈夫なのかを考えてみましょう。
また、事前に目標とする資産額を決めて、その投資の想定リターンからその目標が達成できるのかも確認しておくと、選ぶべき投資方法が見えてきますよ。
具体的な金額を決める
続いてやるべきは、具体的な目標金額を決めることです。
生活に必要な金額を計算した後、リスクをとって投資に使える金額を決めます。
その金額を具体的に計算したら、実際にどの方法にどれくらいの金額を入れるかを考えてみましょう。
それが最適な方法でなくても、まずやってみることで実感が湧き、徐々にうまく運用できるようになりますよ。
少額投資の種類
少額投資の種類
ミニ株(単元未満株)
株式累積投資(るいとう)
ポイント投資
おつり投資
ロボアドバイザー
投資信託(ファンド)
外国為替証拠金取引(FX)
少額投資非課税制度(新NISA)
個人型確定拠出年金(iDeCo)
外貨建て保険
変額個人年金保険
それぞれの投資方法について、簡単にご紹介していきます。
これから少額投資を始めようと考えている方は、ぜひ参考にしてもらえれば幸いです。
1. ミニ株(単元未満株)
通常の株式は、100株や1,000株を1単元として売買されています。
そのため、株式投資を行う際にはある程度まとまった資金が必要となりますが、証券会社によっては1単元より少ない単位で株式の売買ができます。
これを「ミニ株(単元未満株)」と呼び、少額の資金でも株式投資を始めることができます。
単元数に達すれば株主優待が受けられるといったメリットがありますが、株主総会に出席できない・リアルタイムでの取引ができないなどのデメリットもあります。
2. 株式累積投資(るいとう)
株式累積投資は俗に「るいとう」と呼ばれ、毎月決まった金額を積み立てて自分が好きな株式を購入していく投資方法です。
投資金額は1万円程度で始められることが多く、ドルコスト平均法によって大きな損失が出にくく安定した収益が見込めることがメリットです。
また、毎月一定金額を積み立てていくので難しいことを考える必要がなく、投資経験が少ない方でも挑戦しやすい投資方法と言えます。
3. ポイント投資
ポイント投資は、各社が発行するポイントサービスの利用によって貯まっているポイントを使って投資を行う方法です。
具体的には以下のようなサービスが挙げられます。
ポイント投資のサービス例
SMBC日興証券:dポイント
SBI証券:Tポイント
楽天証券:楽天ポイント
LINE証券:LINEポイント
クレディセゾン:永久不滅ポイント
ポイント投資には、大きく分けて「ポイント投資型」と「ポイント運用型」の2種類があります。
ポイント投資型は、保有ポイントを現金化し、その資金を以て投資信託や株式と交換する投資方法です。
ポイント運用型は、ポイント提供企業があらかじめ設定したコースに基づいてポイントを運用し、コースごとの値動きに応じてポイントが増減する投資方法です。
ポイントを保有したまま使っていない人も多いので、余ったポイントを有効的に活用できることから注目を集めています。
4. おつり投資
おつり投資は、買い物アプリなどの取引記録を読み取って、自動的に計算された「おつり金額」を設定して運用資金として積み立てていく投資方法です。
買い物をするたびに自動的に少額投資ができるので、難しく考える必要もなく簡単に資産運用が始められます。
また、アプリをスマホにダウンロードするだけで手軽に利用できるので、投資経験がない人や若い人でも試しやすいことが特徴です。
おつり投資で有名なサービスは以下の3つが挙げられます。
おつり投資のサービス
THEO(テオ)
マメタス
トラノコ
5. ロボアドバイザー
ロボアドバイザーは、初心者でも手軽に始められる資産運用サービスで、AIや専門家が代わりに資産運用を行ってくれたり、最適なポートフォリオを提案してくれます。
長期運用を前提としているので短期間での利益化は見込めませんが、1万円~10万円程度で始められるサービスが多いので、資産運用を始めてみたい方にはおすすめです。
ロボアドバイザーのメリットとデメリットや、おすすめの運用会社を下記にまとめていますので、ぜひご参考ください。
6. 投資信託(ファンド)
投資信託(ファンド)は、投資家から集めた資金をひとまとめにして、その資金をプロの専門家が運用して利益を分配する投資方法です。
プロの専門家が株式や債権で運用を行い、その実績に応じて配当金が得られるので、自分で投資先を選ぶ手間がかからず知識がなくとも資産運用が始められます。
1万円程度から始められる投資信託の主な投資対象は、以下の5種類が挙げられます。
投資信託の主要な投資対象
ただし、専門家が運用するといっても元本が保証されている訳ではないので、損失が出る可能性も考慮しておく必要があります。
7. 外国為替証拠金取引(FX)
外国為替証拠金取引(FX)は、日本円と外国通貨の為替相場によって利益を得る投資方法です。
少額の資金で取引が始められることに加え、投資金額の最大25倍までの金額で取引ができる「レバレッジ」によって、元手が少なくても大きな利益が得られる可能性があることから非常に人気があります。
ただし、レバレッジによって高額なリターンが得られる可能性がある一方で、投資金額以上の損失が発生する恐れがあり、元本保証もされていません。
そのため、FXは少額から始められる投資方法ではあるものの、ある程度の投資知識が必要となります。
8. 少額投資非課税制度(新NISA)
少額投資非課税制度(NISA)は、その名の通り少額から投資が始められて、その運用によって得られた利益が無期限で非課税(最大1,800万円)となる投資方法です。
従来までは一般NISA・つみたてNISA・ジュニアNISAの3種類がありましたが、2024年からは制度内容が拡充された「新NISA」が開始されています。
簡単にまとめると、これまでは不可能だった一般NISAとつみたてNISAの併用が可能で、毎年決められている一定金額の範囲内で資産運用に取り組めます。
新NISAでは成長投資枠とつみたて投資枠の併用の他、どちらか一方の枠を利用して非課税投資ができます。
口座を開設した金融機関によっては最低100円からの資産運用が始められるので、まとまった資金がないために資産運用を諦めていた方にもおすすめです。
積み立てた資産をいつでも好きなタイミングで換金できるので、将来のライフイベントに向けて貯蓄をしながら、突然まとまった資金が必要になった時でも安心な投資方法だといえます。
9. 個人型確定拠出年金(iDeCo)
iDeCoは、毎月の掛金を積み立てて自身で運用を行い、積み立てた金額や運用益を60歳以降に受け取れる制度です。
iDeCoを利用することのメリットとしては、毎月自動的に貯金できることはもちろん、iDeCoで積み立てた金額(拠出金)の全額が所得控除の対象となることが挙げられます。
さらに、運用で出た利益に対しても税金がかからず、拠出したお金を60歳以降に受け取る時にも所得控除が受けられます。
国民年金基金連合会の発表によると、iDeCoの掛金の全体平均は、月額16,058円です。
これから資産運用を始めたいと考えている方は、少額からの投資が可能なiDeCoも有効な選択肢といえます。
しかし、拠出限度額が設けられていたり、iDeCo専用口座の開設時や口座維持に手数料がかかったりと注意すべき点があることも事実ですので、以下記事をしっかり読んで理解してから口座開設をしましょう。
なお、口座開設をする金融機関を選ぶ際には、ネット証券で国内株取引シェアが最も多く、商品のラインナップも充実している「SBI証券」がおすすめです。
手数料の安さや取引の際にTポイントが貯まることもおすすめ理由の1つですが、もちろん注意点等も存在しますので、以下ページをしっかりと読んで理解してから申し込むようにしましょう。
10. 外貨建て保険
外貨建て保険は、日本円ではなく外国の貨幣で資産運用を行う保険商品です。
円建て保険(日本円の資産運用方法)よりも毎月の保険料が割安でありながら、高利回りの外貨で資産運用ができることから注目を集めています。
また、外貨建て保険で払い込んだ保険料は生命保険料控除の対象に含まれるので、確定申告時の納税額を少なくできるメリットもあります。
一方で、常に為替リスクと隣り合わせであり、保険料支払い・受け取り・契約時・解約時など諸々の手続きを行う際に為替手数料が上乗せされるなどのデメリットも多いことが特徴です。
これから外貨建て保険で資産運用を行う場合は、以下の3つのポイントを抑えて比較するのがおすすめです。
外貨建て保険の選び方
保険種別、保険期間:終身保険・養老保険・個人年金保険の3種類から将来の資産の使い方に合わせて保険種別と期間を選ぶ保险种类和保险期限:根据您未来资产的使用情况,从终身寿险、养老保险、个人年金保险三种保险类型中选择保险种类和期限。
通貨、為替相場:為替相場や金利状況、為替手数料などを鑑みて投資対象の外貨を選ぶ货币、汇率:考虑汇率、利率、兑换费用等因素,选择投资的外币。
保障内容:選ぼうとしている外貨建て保険の保障内容や保険金の支払い条件まで隈なくチェックする承保详情:仔细检查您选择的外币保险的承保详情和保险支付条件。
11. 変額個人年金保険11、变额个人年金保险
変額個人年金保険とは、株式や債券を中心に特別勘定で資産運用を行い、その実績によって将来的に受け取れる年金額が変動する個人年金保険です。
毎月の保険料が生命保険料控除の対象となり、運用実績に応じて将来的に受け取れる金額が大きくなるメリットがあります。
その反面、運用実績によっては保険料の払い込み総額を下回る金額しか受け取れなくなるデメリットも存在します。
資産運用の実績が将来の年金額に反映されることから、通常の個人年金保険よりも積極的に運用を行って年金額を増やしたいと考えている人に向いている投資方法だといえます。
少額投資についてよくある質問 Q&A
少額投資についてよくある質問
Q. 少額投資には意味ないというのは本当ですか?
Q. 投資初心者は何から始めるべきですか?
Q. 少額投資には意味ないというのは本当ですか?
A. 少額投資は、損得の幅が小さいので投資で資産を築きたい人にはおすすめしづらい方法です。
しかし、少額投資には少ないリスクで投資を経験できるというメリットもあり、これから投資を始める上で勉強したい人や投資について知ってみたいという人の第一歩としては非常に意味のある投資方法だといえます。
Q. 投資初心者は何から始めるべきですか?
A. 投資初心者は、投資信託の少額投資から始めてみましょう。
投資信託では一気に大きな損をしづらく、少ないリスクで投資をすることができます。
また、少額投資なのでもしそのお金がなくなったとしても失う金額も少なく、投資初心者が投資について学ぶ上ではおすすめとされる方法です。
まとめ
少額投資は、明確な定義はないものの、一般的には10万円以下の金額から始められる投資のことです。
投資経験がない・資金が少ない人でも簡単に始められることが特徴で、中には100円から投資できたり、スマホのアプリで手軽に投資できたりと幅広い種類の投資方法があります。
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SBIグループの中核企業なので万が一の倒産のリスクも少なく、安心感があることも人気の1つです。
さらに、取引に応じてTポイントが貯まったり、Tポイントで投資信託が買うことができます。
少額投資には「通常の投資に比べてリスクが少ない」「分散投資がしやすい」などのメリットがある一方で、「利益が少ない」「手数料によって損益が出る可能性がある」などのデメリットも存在します。
解説したメリットとデメリットをしっかりと理解してから、少額投資で投資経験と知識を身に着け、資金に余裕が出来たら無理のない範囲で大口の投資に挑戦していくのがおすすめです。
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