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東大ジャズ研部員のおすすめアルバム


初めに

ジャズを聴き倒したいみなさんのために、ジャズのおすすめ曲、アルバム集を作りました!主に、セッションの定番曲と東大ジャズ研の部員のおすすめから選びました。色々な視点からのジャズの楽しみ方を提案できたらいいなと思っています。SpotifyとApplemMusicのリンクも載せたのでぜひチェックしてみてください。
ジャズとは、まるでコーヒーのようなものです。最初はよくわからない感じかもしれませんが、慣れてくるとやめられなくなりますそして、どんどん深みにハマっていくことでしょう。今回は、その深みにハマるための最高のお供、おすすめジャズアルバムをご紹介します。さあ

東大ジャズ研の主な活動


主な活動は大体週一回のセッションとたまにのコンサートです。
セッション(というか大体のジャズの演奏)の大体の流れを軽く説明すると、まず曲のテーマ(普通の曲のメロディ)を演奏して、その曲のメロディのコード進行に沿ってアドリブの演奏をし、最後にテーマをもう一度弾くという感じです。
テーマは例外を除いて、楽譜のそのまま通りではなく、歌い上げるようにアレンジして演奏するのが基本です。(例外は大体チャーリーパーカー曲)
プロによるセッションのイメージ動画です、僕のジャズ系のYouTubeで一番おすすめ動画でもあります。


セッション定番曲


セッションで絶対?にやる定番曲です。全部名曲中の名曲です、全部演奏できるようになるべきでしょう。著者はまあまあできない
演奏のバージョンは僕の好みで選びました。できるだけスタンダードなやつにしています。色々なバージョンを聴くとどんなふうにソロとるかとかの発想が出てきやすいのでおすすめです。

All Of Me
歌物の曲です。サックスの先輩が歌い上げるようにテーマを吹くのを聴いて毎回いい曲だなと感動してます。ソロは普通にむずいと思います
、テーマが良すぎてこれ以上ない気もします。なんじゃこりゃ。


All The Things You Are
ちょっと物悲しい感じの雰囲気のテーマが好きです、コード進行もジャズぽくていいです。テーマがコードの3度と音から主に構成されていてお洒落で良きです。3度の音を使う練習にもなります。
下に載せたチャーリーパーカー(アルトサックス)の音源が書く楽器のバランスがめっちゃ良くていいと思います。ちなみにコード進行が複雑でソロむずいと思います。


Autumn Leaves
王道中の王道、シンプルイズザベストの名曲です。基本的にメジャーⅡⅤⅠとマイナーⅡⅤⅠのコード進行からできている曲です。大変練習になります。
上のリンクのマイルスデイビス(トランペット)のソロは音数が少ないながらも超カッコよくて、憧れのソロです、テーマの吹き方もとても参考になります。
下のリンクのモーダルな演奏もいいです。完璧な曲です。音楽初心者の著者は去年一年ほぼこの曲だけでジャズ研を乗り切りました、参考にしないでください。

Blue Bossa
ボサノバの定番曲です。コーダルにもモーダルにもソロのとりやすいいい曲だと思います。(最初の8小節と最後の4小節はDm,間の4小節はE♭と考える的な)
音源のテナーサックスのジョーヘンダーソンはサックスの音から吹く内容まで、音楽の抽象化を成し得てる気がして大好きです。
哀愁のある曲です。

But Not For Me
歌物だけど色んな演奏があります。著者はチェットベイカーの物悲しい歌い方が好きです。But not for me っていう題名だけでもだいぶ雰囲気出てます、歌詞がいいです。
ジョージガーシュウィンという人の作曲で、この人はいい感じのラブソングかつ、ジャズマンの好きそうなコード進行(ジャズらしい演奏のしやすい→むずい)の曲をたくさん作ってます。結構苦しめられてます。(summertimeとかI'll remember Aprilとかリズムチェンジとか)
リンクを載せたマイルスデイビスやソニーロリンズのビバップぽい魅せるソロの演奏もいいです。

The Days Of Wines And Roses
これも歌物の曲です(というかチャーリーパーカー作曲でもない限り大体元は歌の曲)
気持ち良いスイングの曲です。コードに沿ってどんな音で演奏するかも大事ですが、スイングすることがなりより大事です。そしてなにより難しいです。知らんけど

I’ll Close My Eyes
歌物の曲で結構Jpopぽい曲です、僕は山下達郎と呼んでます。けどJazzに演奏するのが格好良いんだなこれが、
リンクの載せたブルーミッチェル(トランペット)の演奏はテーマの吹き方がかっこいいのはもちろん、本当に心に残るソロでおすすめです。

Fly me to the moon
本当によくする曲なのに実は楽器だけの演奏バージョンの音源が少なかったりします。裏を返せばそれほど歌うのに適したスイングの曲といえます。つまり歌を意識して吹くといいでしょう。
あるジャズマン(ジョニーホッジス)の逸話ですが、テーマを吹いてる途中に演奏をするのをやめたのでどうしたのかと聞いたら、歌詞を忘れたと答えたという話があります。それくらい歌は大事だということですね。

下のリンクは僕が頑張って?見つけたインスト版のフライミーの音源です。めっちゃ推しです。三拍子で演奏してますね。
フロントはローランドカークという人がサックスを何本も同時に咥えながら演奏してます。迫力がある音でそれでいて繊細なフレーズを"上手く"演奏してます。ピアノ、ベース、のソロもドラムのバースソロも最高です。
ピアノはトミーフラナガンという人で名盤に参加しまくっている人です。単音の親しみやすいソロが好きです。

Softly As In A Morning Sunrise
邦題は「朝日のように爽やかに」となっていますが、全然爽やかじゃない暗いかっこいい曲です。ソロ中油断するとロスト(曲のどこを演奏しているかわからなくなること)します。
ソニーロリンズ(テナーサックス)達のこれでもかとれいうくらい、むさ苦しいくらいリズムの熱いテイク演奏が好きです。

There Will Never Be Another You
歌詞見るまでもなくラブソングだって分かる曲です。意外とない雰囲気の曲で、チャレンジしていきたい曲です。

Now’s The Time
ブルース(blues)の曲です。ブルースというのは12小節からなり、だいたい
Ⅰ7 / Ⅳ7 /Ⅰ7 /Ⅰ7
Ⅳ7 / Ⅳ7/ Ⅰ7 / Ⅰ7
Ⅱm7/ Ⅴ7/ Ⅰ7 / 17
というコード進行に沿って演奏される曲です。
ブルースの曲はたくさんあって、セッションでも必ずするので、アドリブの練習をよくするといいでしょう。https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ブルース形式

チャーリーパーカー、マイルスデイビス、キャノンボールアダレイなどの、古い時代の名プレイヤー達はブルースを根底に演奏しており、ブルースはジャズにおいてとても大切なものとなっています。

この曲は、アドリブの神様ことチャーリーパーカーの作曲した曲です。チャーリーパーカー以降のジャズプレイヤーは例外なく、チャーリーパーカーの影響を受けています。この曲はシンプルなのに対して以外と難しいのでしっかり音源を聴いて練習するべきだと思います。

Tenor Madness
この曲はソニーロリンズ作曲のブルースで、キーはだいたいB♭で演奏します。下のアルバムでソニーロリンズとジョンコルトレーンが共演してます。二大テナーサックスとされている2人です。下のアルバムでブルースというシンプルなコード進行にも関わらず2人は複雑で激しいプレイをしています。

セッション定番曲まとめプレイリストのリンク

余談おすすめジャズYouTuber

天才ピアニストゆうこりん
過激派ジャズ系YouTuberです、下ネタが多くて見る人を選びますが、正論のガチレスしかしてません。僕はこれをみて、自分はまさに怒られるべき人だなぁといつも反省しています、。

Emmet Cohen
質の高いセッション風のライブ動画をたくさん上げられています。有名曲ばかりで、リズムのレベルがとても高いのでどの動画を見ても当たり!です。自分のお気に入りの動画をぜひ見つけてください!
この動画によく出てくるalto saxプレイヤーのパトリックバートリー氏は日本在住で、個人的に現役バリバリのジャズミュージシャンの中で一番すごい人だと思ってます、ぜひライブに行ってみてください。

スエナガタカフミ
特にタメになる練習方法やジャズの話をされているイメージです。

Kevin Oliver Jr.
著者が個人的に最近ハマっている人です、ミニマムな音で空間的な演奏をする天才だと思っています。(特にサックスでこのようなプレイをする人はいないなって思います。)

あとは適当にYouTube限定のジャズおすすめ動画を載せます。



部員のおすすめアルバム


以外部員のおすすめアルバム集です、できる限りの解説を載せました。

Canonball Takes Charge
キャノンボールアダレイ

キャノンボールアダレイはアルトサックスのプレイヤーで、何より上手いです。凄テクのサックスで妖艶な演奏をします。音使いからリズムまで全てが格好良い人です。

Blues'mood
ブルーミッチェル

このアルバムのI'll close my eyesは名演でジャズ研部員はみんな一度は聴いていると思います。ブルーミッチェルはわかりやすくて気分の上がるソロをしていると思います。
このアルバムはいい曲が多いと思います、著者はScrapple From The AppleとWhen I Fall In Loveが好きです。

Like Minds
ゲイリーバートン

ゲイリー・バートン(Vib)パット・メセニー(Gt)チック・コリア(Pf)デイヴ・ホランド(Ba)ロイ・ハイネス(Dr)という、豪華メンバーによる1998年のアルバムです。翌年グラミー賞もとったらしいですが、何より聴いていてすごく楽しいです。ゲイリー・バートン、メセニー、チック・コリアが作った三者三様の曲が楽しめます。ですが、1曲だけガーシュウィンのSoonが収録されているのも楽しいポイントです。当たり前ですが、全員びっくりするくらい良い演奏をしてます。このアルバムを入口にして、それぞれの曲の別テイクを聴いてみても楽しいと思います。是非ここから色々と広げてみてください。(推薦した部員より)


Third Set
シダーウォルトン

悪名高い?ボリビアという曲が入ったアルバムです。ボリビアはコードが結構めちゃくちゃ何で。これ
シダーウォントンは言葉にしにくい独特の魅力を持った人だと思います。

Still Life (Talking)
パットメセニー

Third windのギターソロを暗記していると一目置かれます。(推薦した部員より)

My Fair Lady
シェリーマン

ピアノトリオでマイフェアレディというミュージカル映画の曲をジャズに演奏しています。
このアルバムのピアニストのアンドレプレヴィンは、このアルバムに参加した後にクラシックで大成功します。(Spotifyの登録者が190万人とかだから本当にすごい)
重たいピアノの音で、トリオのスイング感がとても気持ち良いです。

Night Train
オスカーピーターソン

オスカーピーターソンの代表的アルバムと言える名盤です。オスカーピーターソンは王道中の王道といえるピアニストで、ダイナミックなプレイが特徴です。ダイナミックなのにも関わらず、様々な繊細なプレイ、手数の多さが魅力だと思います。オスピーの色々なアプローチに注目して欲しいです!
またこのアルバムはcjam blues, bag's groove, now's the timeなどの有名ブルース曲が多いのも個人的に魅力だと思います。

Welcome to the Hills
Yussef Dayes

MoodSwing
ジョシュアレッドマン

ジョシュアレッドマンがとても最高(推薦した部員より)

Just Play!
トムケネディ

The Cat
ジミースミス

ジミースミスはオルガンジャスの第一人者でソウルフルなプレイが特徴です。
個人的に、音の空間の埋め方が神がかっていて、踊れるジャズでとても好きです。ジミースミスはスタンダード曲でも踊れる演奏をするので、ぜひ色々な音源を聴いてみて欲しいです。

Ahmad Jamal At The Pershing: But Not For Me
アーマッドジャマル

アーマッドジャマルは休符、空間の使い方がとても上手いピアニストです。間に対するコンセプト、タッチの軽さ、控えめな表現、音符や和音や楽節のアプローチに一発で虜になると思います。
マイルスデイビスに大きな影響を与えたことも有名です。
表題曲の、ガーシュウィンのbut not for meはセッションの定番曲で必聴です。

Impressions
ジョンコルトレーン

コルトレーン(ts,ss)の後期の作品で、聞き応えのある作品だと思います。ソプラノを手にしたコルトレーンは、それまでにないインプロヴィゼーションを開拓したと言えるでしょう。
音楽を抽象化がとてもかっこいい演奏だと思います。

Standars
グランドグリーン

Eastern Rebellion2
Eastern Rebellion

The Way
Vanguard Jazz Orchestra

Jazzin'
United Future Organization

Djesse Vol.4
ジェイコブコリアー

Sunday At The Village Vanguard
ビルエヴァンス

みんな大好きビルエヴァンス、何度聴き直してもかっこいい

Soluna
Martha Kato

Saxoshone Colossus
ソニーロリンズ

ソニーロリンズの代表作といえるアルバムです。ジャズらしい音使い、誰にも真似のできない素晴らしいアーティキュレーションのソロ、が光ります。個人的にこのアルバムの曲は全部好きすぎます。ドラムのマックスローチのリズムも気持ちよすぎて好きです。

Bitches Brew
マイルスデイビス

音楽の教科書にも載っている、歴史的アルバムです。とても難しい内容のアルバムだと思います。欧州と米国の前衛的ジャズをマイルスデイビスという天才がまとめ上げた作品だと思います。
マイルスの演奏は実は口ずさめるほどシンプルで洗練されたものになってます。カッコ良すぎて、当時の色々なジャズミュージシャンが揃って真似したらしいです。
個人的に一曲目のpharaoh's danceが好きです、ジョーザビヌル(Key)は少ない音でグルーブ感を出す天才だと思います。

Phil Woods / Michel Legrand And Orchestra – Images

幅広いジャンルでフィルウッズの歌心、グルーヴを堪能できます。特に最後の曲は怒濤の展開で、爆発します。(推薦した部員より)

アルバムから一曲ずつ選んで、まとめたプレイリストのリンク


紹介しきれなかったおすすめプレイヤー

デクスターゴードン
レイドバックした迫力ある演奏が魅力

バドパウエル
天才的な音使い、ビバップを作り上げた人の一人

アートブレイキー
全てのアルバムがおすすめできる、なにしろ豪華なメンバーでの演奏をする、素晴らしいグルーブのドラマー

リーモーガン
まさにこれこそトランペットだとなる、華のあるプレイが特徴

キースジャレット
洗練されすぎたピアノ。スタンダードをたくさん演奏しているので色々聴いてみるのがおすすめです

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