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ファウンドリ事業は巨額資金が必要で顧客実績ないと成立しない【更新】

日本政府の推進する国民の税金投入のラピダスのビジネスの未来は、現実世界の米国Intelを見ればファウンドリ事業の厳しさが分かると思います。
ラピダス稼働し巨額な営業損失を出した場所は、政府救済となるのでしょうか?
Intelのファウンドリ事業が2023年に1兆円を超す営業損失を計上したことが、同社が4月2日付で米国証券取引委員会(SEC)に提出した報告書より明らかとなっています。
報告書によれば、2023年における同社ファウンドリ事業(Intel Foundry Services:IFS)の売上高は189億1000万ドル(1ドル150円換算で約2兆8365億円)で、営業損失が69億5500万ドル(約1兆433億円)となっています。

【第26デジタル松陰塾 ファウンドリ編】
今回、ファウンドリビジネスの厳しさを鋭く分析しています。

【外部資金調達】
~引用~
インテルの経営が苦境に陥っている。受託生産(ファウンドリー)への先行投資がかさみ業績が悪化し、設計・製造を一体で担う垂直統合型の事業モデルは岐路に立つ。時価総額の急激な縮小で買収観測が浮上するが、実現には規制の高い壁がある。経営の立て直しに向けた道筋は描けていない。
インテルは2024年4〜6月期の最終損益が16億1000万ドル(約2300億円)の赤字だった。

【Intelの悪夢】
~引用~
Intelのパット・ゲルシンガーCEOは、4月2日に開催した投資家向け説明会にて、「2024年はチップ製造事業にとって最悪の営業損失を計上した。損益分岐点に達するのは2027年ごろになる」との見通しを示した。また同氏は、EUV露光装置が高額であり、その買い替えを渋ったことは判断の誤りで、それがファウンドリ事業に影響を及ぼしたことを認めている。
この結果、Intelは先端プロセスが必要な製品を中心に、シリコンウェハの約3割をTSMCなどの外部ファウンドリに委託する必要が生じ、それが利益を圧迫することにもつながった。そのため将来的には外部ファウンドリへの依存率を約20%にまで下げることを目指すとしている。
IFSはファウンドリとして、他社の半導体を製造することが事業の柱の1つとなることから、Intelのほかの部門からある程度切り離すことが、その戦略を遂行するうえで必要不可欠となっている。そのため、今後はIFSを「Intel Foundry」と改め、独立した事業体として決算結果を発表する予定としている。これにより、今後、Intel Foundryは、Intelは各製品部門からも(従来の社内価格ではなく)適正な市場価格で製造を受託することになり、収益の改善が進むことが期待されるという。

【Intelを取り巻く環境】

【ラピダスの資金調達】
~引用~
ラピダスは民間企業から総額1000億円規模の資金を調達するため、27日を期限に既存株主に出資の可否を回答するよう求めていた。
既存株主では、ソニーGとNECのほか、NTT、キオクシア、三菱UFJ銀行、トヨタ自動車、ソフトバンク、デンソーの計8社が総額73億円を出資している。うち事業会社ではNTTなども追加出資に応じる意向とみられる。 

【韓国サムスン電子の動向】
~引用~
サムスン電子が平沢キャンパス(京畿道平沢市)のファウンドリ(半導体受託生産)生産ライン内の一部設備について、稼動を減らしていることが分かった。ファウンドリ受注実績の不振や続く赤字のため、稼動率を調節しているものとみられている。
半導体業界関係者が27日に明らかにしたところによると、サムスン電子のファウンドリ生産を担当する平沢P2とP3工場ラインの一部設備の稼動が停止されているとのことだ。サムスン電子のP2ラインとP3ラインはそれぞれ30兆ウォン(約3兆2500億円)を投入して建設された半導体生産基地だ。新規で建設しているP4ラインも建設日程が遅れている。一部の工事業者はサムスン電子との契約を解除したという。
サムスンの関係者は「生産ラインを先端工程に切り替える過程で発生する一時的な状況だ」と説明した。しかし、生産ラインの稼働率調節はファウンドリ業績不振のためだという見方もある。サムスン電子のファウンドリ事業部は昨年約2兆ウォン、今年上半期に1兆5000億ウォンの赤字を出したと推定されている。サムスン電子は最先端工程を他に先駆けて開発している。しかし、内部的な物量以外には、ビッグ・テック(巨大情報技術〈IT〉企業)などの大規模顧客を確保できていないという。ファウンドリ産業は台湾のTSMCが独走しており、アップルなど主要企業を取引先にしている。市場調査会社カウンター・ポイント・リサーチによると、4-6月期のTSMCの世界ファウンドリ占有率は62%で、2位のサムスン電子は13%と、大きな差がある。インテルも同様に大規模な赤字を出しているファウンドリ事業部の分社化を推進している。


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