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世界半導体予測ガートナー編

古巣の米国ガードナーの半導体予測です。
私が在籍していた時代のワールドワイドのアナリスト役職は、プリンシパルアナリストが最高位でしたが「おじいさん級のシニア」が出来たようです。
アナリスト世界はシニアは「老害」でしょう。
その理由は、エマージング市場形成からその先の未来を読み通す力が無くなるからです。
この世界半導体予測が甘いのは、米中半導体戦争と米台半導体戦争(中国市場に絡む半導体輸出抑止とAI半導体への制限)のシナリオが含まれていないようです。
また半導体は市場(アプリケーションが消費者)消費されて売上高が立つもので、中国経済減速と連動する世界経済がリセッション局面を俯瞰して捉えていません。
AIブームとデータセンター投資がガートナーの半導体成長率のシナリオを支えているようです。

【筆者の週刊エコノミスト寄稿記事】
国際・政治 半導体 黄金時代
米政権の対中半導体規制 中国の反撃で巨大市場失う恐れ 豊崎禎久
2023年7月10日有料記事
~引用~
米の「中国封じ込め」政策は、半導体産業の「分断」を通じ、自らの首を絞めることになりかねない。

特集「半導体 黄金時代」
「半導体を巡るワシントンと北京の争いがエスカレートしたら、米国ハイテク産業には莫大(ばくだい)な損失」──。半導体企業の中で株式時価総額が世界首位の米エヌビディアのジェンスン・フアンCEO(最高経営責任者)は、英経済紙『フィナンシャル・タイムズ(FT)』のインタビュー(5月24日付)にこう答えた。
フアンCEOはFT紙に対し、バイデン米政権が昨年10月に示した対中半導体規制を次のように批判した。「中国が米国から半導体を買うことができなければ、彼らはいずれ自分たちで作る。だから米国は慎重であるべきだ。中国はテック産業にとても重要な市場だ」──。彼の指摘は、エヌビディアの経営トップとしてだけでなく、SIA(米国半導体工業会)全体の意見を代弁するものであろう。

【ガートナー半導体予測シナリオ】
~引用~
米国の調査会社Gartnerは2024年10月28日(米国時間)、世界半導体市場予測を発表した。同社は、2025年の世界半導体売上高が、前年比13.8%増の7167億米ドルになると予測している。同市場は2024年にも同18.8%増の6298億米ドルに拡大する見込みといい、2年連続で2桁成長を記録することになる。同社のシニアプリンシパルアナリスト、Rajeev Rajpu氏は「自動車/産業分野の需要低迷が続く中、AI(人工知能)関連の半導体需要の継続的な増加および電子機器生産の回復が成長をけん引している」と説明している。

2025年、メモリ市場は20.5%成長へ
Gartnerによると、短期的にはメモリおよびGPUが世界半導体市場の成長を後押しするという。世界のメモリ市場は2025年に前年比20.5%増の成長を記録し、1963億米ドル規模になると予測。2024年の供給不足が続くとNAND型フラッシュメモリ(以下、NAND)価格は同年に60%上昇するが、2025年には3%の下落に転じる見込みだという。Gartnerは2025年のNAND市場は、供給の減少および価格環境の軟化によって前年比12%増の755億円となると予想している。  
DRAM市場については2025年、前年の901億米ドルから1156億米ドルにまで拡大すると予測。DRAMの需給は、供給不足の改善および、かつてないほどのHBM(広帯域メモリ)生産と需要の増加、DDR5の価格上昇によって回復する見込みだ。

AIが半導体業界にもたらす影響
2023年以降、GPUはAIモデルのトレーニングと開発において支配的な地位を占めていて、GPU市場は2025年には前年比27%増の510億米ドルになる見込みだ。Gartnerのバイスプレジデント アナリストであるGeorge Brocklehurst氏は「ただし、市場は現在、推論による収益がトレーニング投資の何倍にも成長する必要があるROI(投資利益率)フェーズに移行しつつある」と指摘している。 Brocklehurst氏は、「ベンダーは次世代GPU/AIアクセラレーター用メモリの要件を満たすため、HBMの生産およびパッケージングに多額の投資を行っている」と説明している。HBM市場は2024年には前年比284%超増の123億米ドル、2025年も同70%増の210億米ドルへと急速に拡大することが予想されている。Gartnerのアナリストらによると、2026年までに、HBMチップの40%以上(現在は30%未満)がAI推論のワークロードに対応するようになるという。

【AIバブル?】


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