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海洋国ニッポンの経済安保の矛盾と造船復活の処方箋

日本国は海洋国家で、大型船舶による物流(エネルギー、工業製品、食糧など)に依存しています。
数値的には99.5%です。
私の生まれ故郷長崎は、かって造船で潤う城下町でした。
日本の造船業界はかつて世界シェア50%を誇る造船大国だったが、現在のシェアは韓国・中国に次ぐ3位という凋落ぶりで、日本の大企業のビジネスモデルは完全に崩壊したと言えます。
日本政府の経済安保は、ハイテクに重きをおいていますが、オールエコノミーの造船産業復活こそ国家存亡の命運を握る産業だと思います。

現在の日本企業のマーケットシェアランキングは、今治造船、JMU、三井E&S、三菱造船、川崎重工業、 住友重機械、上場三社では、名村造船所、サノヤス造船、内海造船が売上高順にランクインしています。

神原グループ(常石造船グループ)神原治会長と一般社団法人サイバースマートシティ創造協議会代表理事との会議

【最新データ】
~引用~
日本経済新聞がまとめた2023年の世界市場の「主要商品・サービスシェア調査」によると、造船の建造量で中国の中国船舶集団(CSSC)が2年ぶりに首位に浮上した。前回調査で3位で国内最大手の今治造船は上位5社圏外となった。世界的な脱炭素の潮流で環境に配慮した船舶の需要が高まっており、生産能力の確保が今後の争点となる。
23年の世界の造船建造量は6408万総トンだった。

【日本造船産業復活のシナリオ調査】
~引用~
1956年に当時常石造船2代目社長の神原秀夫氏が広島県沼隈郡(現: 福山市)沼隈町の町長として移民事業を支援しました。
2023年3月13日に課題解決型の町づくりとして、首長のスマートシティ開発の原点として一般社団法人サイバースマートシティ創造協議会(MCSCC)代表理事が常石造船の視察を行いました。

【栄枯盛衰、日本造船産業の凋落原因】
~引用~
日本の造船竣工量は1965年の553万総トンから、1973年の1419万総トンへとおよそ3倍に増加。世界シェアの48.5%を占めました。
この間、船舶輸出量は1965年の299万総トンから1973年の968万総トンへと急速な伸びを示し、花形の輸出産業として日本経済を支えていました。
これは、この間の世界経済の成長による海上輸送の規模拡大のみならず、1967年の第三次中東戦争にともなうスエズ運河の閉鎖も影響しています。
スエズ運河の閉鎖は海上輸送ルートの長距離化を発生させ、特に鉱油兼用船の建造需要を生み出しました。大型タンカーの需要が高まり、早くから大型船の建造体制を整えていた日本には大変有利でした。
日本の造船業は長崎県や瀬戸内地方に集中しています。長崎県はリアス海岸が発達して入り江が深く、波が穏やかであるため大型船の建造に適しています。瀬戸内地方は南北を山地に囲まれて、日本の中では年降水量が少ない気候です。
船の建造は溶接をともない、また外での作業が多いことから晴天日数の多い地域が選好されます。


【中国造船産業の新規受注シェア】
~引用~
中国工業情報化部が12日に発表した統計データによると、中国造船業の今年1~6月の完工量は前年同期比14.2%増の2113万DWT(載貨重量トン数)で、そのうち海洋船舶は744万CGT(標準貨物船換算トン数)でした。新規受注量は前年同期比67.7%増の3767万DWT、そのうち海洋船舶は1537万CGTでした。6月末までの手持ち受注量は1億2377万DWTで、前年同期比20.5%増加し、そのうち海洋船舶は5526万CGTで、輸出船舶が全体の92.8%を占めています。
今年1~6月の中国の造船完工量、新規受注量、手持ち受注量はDWTでそれぞれ世界全体の49.6%、72.6%、53.2%、CGTでそれぞれ47.3%、67.2%、46.8%を占めており、いずれも世界一となっている点が特筆されます。


【買収で生産キャパシティを拡大させる中国】
~引用~
中国の造船最大手で中央政府直属の大型国有企業である中国船舶集団(CSSC)が、生産能力の増強を急いでいる。同社の中核上場子会社である中国船舶重工は7月27日、生産キャパシティの引き上げと受注拡大を狙いにした2件の大型買収を発表した。
1件目の買収では、中国船舶重工の孫会社である中船天津船舶製造が、(CSSC傘下の国有造船会社である)天津新港船舶重工の臨港廠区の一部資産を総額40億4400万元(約857億円)で取得する。その中には50万トン級および30万トン級の大型乾ドック、全長817メートルの艤装用埠頭、同858メートルの船舶保修用埠頭などが含まれている。

【造船産業でも敗北した日本】

【造船業界の再編】

【インドネシア造船市場】
~引用~
造船業界の発展経緯と生産能力
インドネシアの造船産業は1960年にインドネシア政府により国有化された国営企業が大きな役割を担っている。 、近代化され、新造船を建設する能力を持つ造船となった。 国営造船所の数は民間の造船所と比べて非常に少ないが、設備の規模と能力は大きい。全体の1.5%にすぎないが、年間生産量は全体の60~70%を構成していると推定される。
インドネシアの二大造船所は国営造船所で、その1社であるPT. PALはインドネシア東部スラバヤに造船所を保有し、60,000DWTの新造船建造能力と40,000DWTの修繕ドックを持っている。もう1社のPT DKBはジャカルタに造船所を保有他、チレボン、セマラン、パダン、サバン、ベラワン、バンジャルマシン、バンカに支店を有、30,000DWTの新造船建造能力と30,000DWTの修繕ドックを持っている。
第1次5ヶ年開発計画が1969年に始まるまで、インドネシアの造船所における当時最大級の新造能力は2,000トンであったが、一部が300トンまでの沿岸貨物船、タグボート、艀などの小型船を建造していたにすぎない。 船舶修繕では既存のドック能力に応じて2万トンまでの船舶の修繕が行われていた。産業は様々なタイプとサイズの船舶を建造する注文を受けることができました。
インドネシア政府は、1983年に前述のカラカジャヤ国内船近代化計画を導入し、国内輸送用の、3,000DWTから4,000DWTの貨物船56隻を建造することとなっていた。貿易用の大型船舶(1万~4万DWT)の船舶を建造するプロジェクトを開始した。また、国営石油会社ペルタミナ向けの長期タイムチャータープログラムなどの造船計画があった。今度的な理由で当初計画された通りにはすすまず、カラカジャヤ国内船近代化計画では、1997年の経済危機勃発時点で、まだ15隻が建造されていなかった。

インドネシアでは造船業に関する生産統計等が発表されていないため市場規模などは不明である。資料から言う。

 【中国の動向】


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