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仮面ライダーギーツ第4話感想「邂逅Ⅲ:勝利条件」

◆アバンの雑記パート

・【朗報】浮世英寿役 簡秀吉、各種媒体でおセンシティブ警察を挑発

このパイセンカナタ、JUNONは基本的にほとんど買っていないオタクだったりする。

最後に現行シーズンに買ったJUNONは加藤クラウド八雲役の松本岳くんが出ていた号だった。
当時の自分は店頭で購入しようとした時「でも知らないオタクたちの手脂付きまくってるんだよな……」と謎の潔癖を発症して通販で購入したという思い出がある。特撮俳優に潔癖を発症したらアウトだぞ、Vtuber界隈におけるユニコーンの素質があるような気がする。

…………………
……………
……

これにはおセンシティブ警察も大困惑

◆仮面ライダーギーツ第4話感想

・倒れたナーゴの運命は

陰のある祢音

第2回デザイアグランプリでゾンビサバイバルゲーム。スコア最下位は脱落するというこのゲームでゾンビに感染しナーゴを道連れにしようとしたダパーン。ギーツの手により陰謀を打ち砕くもナーゴは感染して倒れてしまった…というのが前回のあらすじ。
執拗にダパーンを追い詰めるギーツゾンビフォームによる圧の強いアクションも見どころだった前回なのだが今回はゾンビサバイバルゲームの決着編となっている。今回のエピソードは予告の通り仮面ライダーナーゴ・鞍馬祢音が主役となっているのだが、ダパーンの動向も見どころだったりする。

さて、本編の話に向かわせていただこう。
いつも通り動画でこれまでのデザイアグランプリについての記録をする景和だが、偶然どこかに電話をかける祢音に遭遇してしまう。家にかけていた祢音はどこに居るのかとまくし立ててくる母に対し知り合いの家だと答え話をそらしていた。本来ならば着信拒否という手段もあるだろうが、それをしないあたり家出を画策しつつも家への未練は多少なりと残っているのかもしれない。
電話が終わり、ゾンビ化の症状で倒れ込む祢音に駆け寄る景和。その時、仮面ライダーメリー・小金屋森魚がやってきた。

「ちょっと付き合ってもらうぜ、子猫ちゃん。」

連れていかれた先はゾンビに感染した奏斗も拘束されている場所だった。祢音ちゃんをどうするつもりなのかと問う景和に『彼女ゾンビだから野放しにできないでしょ』と普段のようなおちゃらけたノリで答える森魚。2話、3話と継続してコミカルなポジションだった森魚だったがここにきて強いものに巻かれようとするドライで俗物的な小市民の側面が見えてきた。やはりデスゲームにはこういった俗物的一般人が居るべきなのだろうか。
ゾンビとなった祢音を狩るべくウォーターバックルで仮面ライダーバッファに変身した道長を制止したのは英寿だった。それでも『そいつのスコアは俺が頂く』と祢音を狩りに行こうとするバッファに対しタイクーンに変身して止めに入る景和。ゾンビを狩って何が悪いと態度のバッファと奏斗。それに対し英寿は『なんでお前にとどめを刺さなかったかわかるか?』と言った。

「まだ完全にゾンビになっていないからな、ゾンビのスコアにはならない。」

まさかの衝撃の言葉。前エピソードで執拗にダパーンを追い詰めていたのに死なない程度に加減をしていたのかこわすぎる。
英寿の言葉をきき、タイクーンを突き飛ばし変身解除した道長は『マジになるなよただのジョークだろ』と言い放ちその場を立ち去るのだが二重三重にハッタリを張る事もあるであろう浮世英寿の言う事を信じすぎである。
解放された後も祢音は弱気なままだった。

「みんなとはこれでさよならかな」
「さよならって…?」

ゾンビになってみんなに噛みつくわけにはいかない、かといって拘束されるのもイヤだ。ずっと家出したいと思っていたのに自分で死んでしまうかもと思ったら家に帰りたくなってしまった。そんな弱音を吐く祢音に対し景和は『死ぬなんて言葉、簡単に使うなよ』と言う。
大丈夫、人はそう簡単に死なないから。
第2話でギンペンの平が消滅する姿を見ながらもそう祢音を勇気づけようとする景和。このあたり同じ悲劇を繰り返させたくないという景和の想いを強く感じる。
そんな景和の想いに打たれてか祢音は『ありがとう』と答えたのだが、でも私の事はほっといてと言う。
デザイアグランプリの休憩所で『何故みんな次から次へと辛い思いをしなっくちゃいけないんだよ』と言う景和。

「それだけのリスクを背負ってまで叶えたい願いがあるってコトだろ。」

そう吐き捨てるように言った道長に対し、命より大切な願いがあるというのかと抗議の声を上げる景和。森魚も道長の意見に同調するのだが、森魚の願いが一体何なのか気になるところ。

「願いが叶うのはあくまで努力に対する対価に過ぎない。」

そう言ったのは英寿だった。
参加者のおかげで世界は守られている。幾たび悲劇が訪れようとも世界はやり直されてきた。犠牲になった人たちの分は戦い抜くしかない。
言葉の重さ、そして神妙な面持ち。過去のデザイアグランプリで一体どれだけ壮絶な物をみてきたのかと考えると地獄の底に堕ち続けるような想いになってくるのだが、そんな英寿の言葉を簡単に割り切れないのが景和だった。

ギロリから第3waveまで時間がかかる事を告げられ、自宅への帰還を許可された一同。祢音も一旦デザイア神殿の外へ出て自分のチャンネルをチェックしていたのだがなんと動画が削除されていた。そしてその現場をSPの黒服たちに発見されてしまう。何故発見できたのか、その真相はあらかじめ仕込まれていたGPSだった。
自宅に連れ帰られ一体どういうことなのか問い詰める祢音だが問答無用で母親にビンタをされてしまう。祢音の母は過去に祢音を誘拐され、そのトラウマで祢音を鞍馬の家に留めさせる事に執着していたのだ。
いわゆる毒親といえる行為にもそれ相応の理由があるのだが祢音本人の想いには全くそぐう物ではない。祢音は再び家出を行う。

「ここには、私の欲しいモノなんて…もうない。」

しかしながらゾンビ化の症状は未だ進行しており、祢音は倒れてしまうのだがそこを景和に救い上げられた。祢音の様子を見に来たのは景和だけではない、そこには英寿も居たのだった。

「ほっといてって言ったのに…なんで?」
「ほっとけるわけないでしょ?」

祢音に水を渡し、優しく微笑む景和と『もしゾンビになったらスコア稼ぎになるからな』と言う英寿。たぶん心からそう思っている訳ではないだろう。策略家を気取ってはいるがなんだかんだで誰かの願いと想いについて一番心を動かされる人間は英寿なのだだから。そんな英寿の言葉をきき、英寿さまらしいと微笑む祢音。体調を気遣う景和に対してむしろ凄く生きている感じだと答える祢音は理想の世界を叶える為に生きていられる事自体を悦びに感じていた。しかしながらこれで終わりになってしまうという事実を内心実感しており、その精神は折れそうになっていた。
自分は神様に愛想をつかされたのだと嘆く祢音。これまでわがままを言ってみんなに迷惑をかけたから。鞍馬の家の外にある新しい世界を望み、デザイアグランプリに参戦したのにも拘らずその当初の目的を放棄しかけている。
二人に対し応援しているからという言葉に対し、まだ決まったわけじゃないと慰めの言葉をかけようとする景和。それでもきれい事だけじゃどうにもならない事だってあるという祢音。

三人の間には静寂が流れていた。

・諦めない気持ちと本当の愛~立ち上がる仮面ライダーナーゴ~

あきらめない人間がすきな英寿

「この中に居るかもな、ゾンビと化したナーゴが」

ゾンビサバイバルゲームも最終フェーズ。町の付近まで来たゾンビたちであふれる光景を見ながらそう言う道長。
「誰だろうと目の前のゾンビは狩るまでだ。」
そう言って英寿は景和と共に変身するのだがこの高層から落下しながらの変身カットがカッコいい。そして顔がいい。
第2フェーズまでは戦っていなかった景和だが、今回は他ライダーたちと共に戦闘を行っている。そしてこのシーンで注目すべきなのがバッファマグナムなのだが、ギーツへの当てつけからかマグナムシューターを射撃武器ではなく鈍器として扱い続けているのがとても面白い。
『なんでお前がマグナムを持っている』というギーツの問いに対し、さなぁとししか答えず引き続きマグナムシューターを鈍器として扱い続けるバッファ。
一方のメリーはゾンビをあえて誘導し隠しスコアを狙っていた。逃げ遅れた作業員を襲わせその救助点を狙う。うーんなんと姑息な小市民だろうか。しかし、スコアをダブルでゲットして安堵している最中でゾンビ化が進行していたダパーンに噛まれてしまった。駆けつける一同。噛んだメリーの肉を不味いと吐き捨てるダパーンに対し、何故ここに居るのかと問うタイクーン。それに対し、ダパーンは『そこにいる先輩(バッファ)と取引したから』と答えるのだった。

……まさかここの二人が本当に協力を行っているとは思っていなかった(バッファの協調性に信用を置いていなかったオタク)

どうせ終わりなら最後まで思う存分暴れたい。そういう奏斗に対し、協力を行った道長。マグナムは組むうえで渡された物だったのだ。
組むのも争うのも自由、それがデザイアグランプリ。どうせ終わりだからと自暴自棄になるダパーンだがその最中祢音の声が聞こえてきた。

「……私はあきらめない!」

祢音の声を聴き、ガッツポーズをとるタイクーン。
最後の最後まで戦う、私が私らしく生きるために。決意の跳躍からの変身しながらの着地。飛んだところはやはり宮澤さんの吹き替えですかね。
決意のナーゴ、そしてゾンビとの闘いの中でギーツからの教えである『ゾンビの弱点は頭』を守って戦いつつも膝で相手の体勢を崩し戦うのは本当に彼女の強い成長を感じるのだ。
ゾンビ化しつつもそこに抗う祢音を見て生存を放棄したダパーンは無駄な悪あがきだとやけくそ気味に叫ぶ。しかし『生き残る方法ならある』と言ったのはギーツだった。

――――――――生き残る方法ならある。

昨晩の三人での会話。
英寿曰く、ジャマトの生態については謎が多い。しかし一つ分かっているのは『ジャマトによるダメージやペナルティはリセットされる』という事だった。
やはりジャマトの存在はデザイアグランプリのシステムにかなり都合が良すぎる気がするのだが露骨にマッチポンプすぎるのでやはり黒幕はデザイアグランプリの運営に潜んでいるのではと考えてしまう。
景和はそれなら祢音がゾンビになる前にゲームをクリアすれば…と思いつく。

「……賭けてみるか、わずかなチャンスに。」

そう言って英寿は微笑んだ。
英寿はデザイアグランプリを勝ち抜くためには相手を出し抜いたりするのを厭わない性格なのだがなんだかんだでお人よしな性格なのは抜けない。
1話で世界を変えるついでに景和たちを救ったり、2話で景和に嘘をつきつつも平の子供のために寄付を行ったり、3話でも祢音を助けたりした。そう、自らの願いの為であるのはもちろんの事、人の願いも背負って闘い続けている。
『本当にこのまま諦めていいのか?』最後に祢音に問いかけ、英寿は立ち去る。
そして景和は『よかったら』と祢音にブーストレイズバックルを託した。

「なんで…?」
「君がいなくなったら、姉ちゃん悲しむから。」
「……『貴方が』じゃないんだ。」
「もちろん、俺も。」

そして祢音はブーストレイズバックルを握りしめる。このシーン好きなのはこの景和から託されたブーストレイズバックルから祢音の願いである『本当の愛が欲しい』に重ねあわされるところである。これはきたのではないでしょうかね、『てぇてぇ』ってヤツがさァ!!!!!!!!(突如盛り上がるてぇてぇ観測隊)

英寿から諦めない事を知り、景和から愛という物を知った祢音は景和から託されたブーストレイズバックルをデュアルオンする。この時のぴょんと跳ねる宮澤さんがクソかわいいし、少しだけゆるいベルトが揺れる所もとても可愛い。そしてアームドハンマーブーストとなったナーゴからくりだされる側転の芸術点の高さよ。そしてゾンビの頭をハンマーで殴り飛ばし、打点の高い蹴りで粉砕するのが力強い。
ここに関しては『宮澤最強!宮澤最強!』というしかないのだが、ここからさらにフィールドを駆けゾンビを蹴り飛ばしブーストで舞い、そしてタイクーンのアシストを受けさらに飛ぶ。この時の手と手を繋ぐ瞬間の絆がたまらない。そしてその先のゾンビを撃破してから地上への帰還。
だがゾンビ化の進行は続いており、ナーゴは膝をついてしまった。そこにすかさず襲撃しようとしたダパーンからナーゴを庇ったのはタイクーンだった。

「人が幸せになろうとする権利を奪う資格なんて!誰にもない!」

本当にお人よしで優しくて他人の幸せを願い続ける男なのだ景和は。しかしゾンビ化の進行は止まらない。どうあがいても絶望的な状況だが決して諦めようとしないナーゴを見て微笑み、ゾンビレイズバックルの力でアシストを行う。浮世英寿はあきらめない心を持った人間が大好きだ。地面から伸びるゾンビの手がナーゴを守りゾンビジャマトの足を掴む。
『賭けてみるか、わずかなチャンスに。』『本当にこのまま諦めていいのか?』英寿の言葉を思い出す。

「私はあきらめない!私の理想を叶えるために!」

ゾンビ化現象の進行でもうボロボロの肉体でも立ち上がりデザイアドライバーを回転させブーストアームドハンマーとなるナーゴが本当に逞しくていいのだ。そしてブーストがかかったアームドハンマーがとてもデカい。華奢な女の子×デカい鈍器系武器は大正義。そんなナーゴの姿をみて嬉しそうなリアクションをとるタイクーン。ブーストアームドハンマーを振り、ゾンビを一斉淘汰する爽快感たるや、やはり杉原監督のパワーを感じるのだ。
そして戦闘が終わり、ナーゴのデザイアドライバーから飛び去るブースト。去り際にタイクーンにぶつかってくのは流石と言うかなんというか、そういう運命なのかと思ってしまう。
果たしてタイクーンがブーストを使える日が来るのだろうか……?

・ダパーンの失格と祢音のこれから

墨田奏斗役の宮本龍之介くんの名演がよかった

戦いが終わった後、英寿の言葉通りに消えていくゾンビ化の症状。奏斗もそうだった。
ツムリの『皆様お疲れ様でした』という言葉を聴き即座に駆け寄った景和は元に戻った祢音の様子を見て安堵をした。そして祢音が元に戻って手の平を返した風に見せかけて自分が無事だった事に安堵する森魚よ。

「二人のおかげで頑張れた、本当にありがとう。景和、英寿さま。」

祢音の言葉に対し『君の実力だよ』と手を差し伸べる景和。この二人今回2回も手を握ったな……?(てぇてぇ警察)
全員無事でよかったと安堵するのだが、やはり脱落する者は存在していた。最下位は脱落、それがこのゲームの条件だった。ツムリから発表されたスコア最下位はダパーンだった。
ゾンビに噛まれ、自暴自棄になり妨害をして他人を巻き込もうとしていたダパーンはデザイアグランプリのシステムの根底を知らぬまま自ら転落するルートを歩んでいたのだ。

「諦めない人間には希望がある。それがデザイアグランプリだ。」

と言う英寿。そして普段と変わらない姿勢でダパーンに対し脱落を宣告するツムリ。ここからの非情な宣告に対する奏斗の『どうせみんな死ぬんだという叫び』が悲痛だ。ここで初めて死に対して向き合い、恐れたのだろう。この強がりが辛い。
「彼は仮面ライダー失格となりました」そのツムリの言葉の真相とはいったい何なのか。その意味を告げる事なく、ツムリは通常営業の笑顔に戻り一同に解散の言葉を告げたのだった。この時、顔を伏せバックルを握りしめる英寿はやはりなんだかんだでダパーンの事も救いたかったのだろうなと感じる。

そして闘いが終わった後の鞍馬邸に連れ戻された祢音はいつものように詰め寄ってくる母親のビンタを今度はしっかりされるまえに受け止めた。その瞳は強く、自らの願いを願いを見据えるものだった。
「何度連れ戻されたってあきらめない。いつか必ず家出するから。」
祢音の顔には悲観した陰は無く、心からの笑みがあった。


◆ギーツ第4話コラム

・祢音は自らの力で願いを達成しつつある気がするが…

この二人、今回2回も手を握ったな……

というわけで今回は祢音ピックアップの回だった。
祢音の願いは『本当の愛』、そして鞍馬の外の世界へ行くことである。英寿から諦めない心を学び、景和のやさしさに触れて本当の愛を知った祢音は間違いなく近い将来、自分の力で願いを達成するだろう。

ここで気になるのは『自分の力で達成する願い』『デザ神になって叶えられる願い』は同一の物であるかと言う話だ。

現時点での祢音自身の願いは少しだけ努力をすれば叶う物なのだが、鞍馬の家に縛り続けていた母親が心からの愛を捧げていたというのも客観的に見ればまた本当の話である。そして例え自分の願いが叶ったとしてもその愛は果たして本当の愛と呼べるのか怪しい所なのだ。
ダパーンの奏斗もそうだ、『人類が滅亡した世界』という願いは集団自殺とも捉えられるし奏斗以外を滅ぼすものかわからない。

そう。そもそも我々は未だデザイアグランプリの願いの叶え方はスターオブザスターズオブザスターズしか見ていない。多分今後この齟齬については語られるかもしれないが、このあたりを考えると恐ろしい所である。


◆編集後記

・今回のED曲・原因は自分にある。『チョコループ』

原因は自分にある。とは仮面ライダーバッファ/吾妻道長役・杢代和人が所属するアイドルグループである。
フォロワーから再生数に協力しろと勧められ、再生したらなかなか良い曲でした。てかお前吾妻道長と全然違うやんけ……

いわゆるキリ番

とりあえず再生したら切りのいい数字がとれてしまった(再生数と高評価)
何はともあれなかなかに良い曲でしたので是非ともお聞きください。

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