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新入社員教育に思うこと

 新入社員が入社する季節。この季節になると思い出すのは、高齢の教育担当が新入社員達を会議室に集めて講義している姿。教育担当本人は張り切っているのですが、これで良いのかと毎年思っていました。

 私のいた会社(敢えて弊社と言います)では、製造部員から管理職になった人は役職定年後は環境部とか安全部とか教育部とかに配属されました。それらは弊社の中では余生を過ごす窓際部署という扱いでした。

 それで新入社員が入社すると毎年その教育部の窓際社員が新入社員を教育するわけです。
 言うまでもなく新入社員の最初の教育は重要です。やる気満々で入ってきて、素直に言うことを聞くこの時期にどれだけ大事なことを教えられるか、(また会社に従うように洗脳できるか……)。最初の導入教育がその後の離職率にも影響を与えるのは想像に難く無いのに、教育のプロでも無いし今の実務に通じているわけでもない窓際社員に教育を担当させていていいのでしょうか? 
 長老的社員がスポット講義で会社の歴史とかを語るのはまだわかりますが、安全やら製品知識やら品質やらほとんど1人で講義してて、あんた人に教えられるほどわかってるのかと。あんたが管理職やってた頃、俺が品質問題の尻拭いさせられてたんだぞ…….

 また、偉い人達は新入社員には何をやらせても良いと思っている節がありました。よく新入社員に対するスパルタ研修とかニュースで話題になりますが、弊社でも寺で修行とか、被災地ボランティアとかを強制した年もありました。それがその後の業務にどう言う効果があるのか? ベテランの目から見ても甚だ疑問でした。偉い人達が若い人達を自由に動かして気持ちよくなってるだけにしか思えませんでした。

 若者が会社を辞めるとか嘆く前に教育を見直したら?と思う春でした。 

 ちなみに他の会社ではもっとまともな新入社員教育が行われているのでしょうか?知りたいです。
 教育では無いですが他社で感心したのは何年か前のトヨタ自動車の入社式です。当時の豊田章男社長が社長の話なんてすぐ忘れるからと、会場内でスープラのエンジンかけさせて音と匂いを新入社員に伝えました。社長本人の人柄とか会社の方向性等を数分で印象付けた痛快なパフォーマンスだと思いました。他人の私でも憶えているくらいだから当の新入社員達は忘れないでしょう。

 

 


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