弟の、トモダチ
2歳下の弟には友人がいた。名前は、Uと言った。
Uは毎日ウチに遊びにきた。ウチで毎日ゲームしに来ては、お菓子やジュースを飲み食いする。
そして、彼はナマイキだった。2歳上である私を平気で呼び捨てで呼んできた。ちょっとエラそうに。
Uとは、私もよくゲームをした。
若い人は知ってるか知らないかだが、昔の任天堂の家庭用ゲームはSwitchではなく、64だった。
64は今と違って画面も雑だし、やり込み要素も少ないかもしれない。でも、当時は皆それを熱心にプレイしていた。
マリオカートのゲームをやっているとき、対人対戦で弟とUの3人でプレイしていた。
各プレイヤーは風船3枚が割れると、負けになり、プレイヤーが2人以上残っているとバクダンになるという仕組みである。
Uはゲームが強くて、すぐ風船3枚割らされた。バクダンになったら相手に特攻以外ないので、弱い弟に果敢にぶつかっていった。
遊戯王カードもやった。親に買ってもらってるのか分からないが、強いカードばかり持っていてなかなかUに勝てなかった。
弟とUはよく口げんかしていたが、その分仲も良かった。もちろん、私とも。
ウチの母は、Uが毎日来てはお菓子をバリボリ食べるのであきれていた。とにかく、私の小学校時代はそんな感じ。
Uはサッカーが大好きで、中学時代はサッカー部だった。私はテニス部だったので、私が引退するまではよくグラウンドで会うことがあった。
私は部活では少し浮いた存在だった。なので、サッカーの合間にUが話しかけてきた。
どうでもいい話しばかり、最近どう?だとか弟が学校でこんなことした、とか。
今思えば、彼なりの気づかいだったのかもしれない。
上機嫌のときは、私に「〇〇ちゃん」と呼んできた。ホントにその時の顔がナマイキで、、
彼は多少勉強はできたので、高校はそこそこ良いところへ行った。
しかし、母の話しだとUはその学校を中退したらしい。彼は彼なりに色々あったのだろう。
Uとは、もう20年以上会っていない。
久しぶりに会うことがあったら、2人で居酒屋でも行って酒でも酌み交わしたい。
彼は、おそらく弟以上に仲の良かった親友だったろう。
今、どこで何をしているのだろう。
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