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一両は現代の価値でどれくらいなのか?

最近Amazonプライムで「無限の住人」や「鬼平」をよく見ます。
その時、必ず「両」という貨幣単位が出て来ます。
興味を持ったので、自分なりに金一両の価格を調査してみました。


一両の価値はざっくり10万円

江戸時代は265年続きました。
よって一両の価値も時期によって変化しています。
江戸時代は米本位制でした。
米価を元に1両の価値を計算すると
・江戸初期で約10万円前後
・中~後期で4~6万円
・幕末で約4千円~1万円
ほどになります。(日本銀行のサイトを参照)
かなり価値が変動しているのがわかります。
それだけ江戸時代がインフレ傾向だったという証明ですね。
幕末に一両の価値が暴落していますが、これは江戸幕府の威信が失墜したからでしょう。
やはり通貨の通用性というのは、国家や政府の信頼によって決定します。

アニメで学ぶ貨幣価値

実際に金一両がどの程度の価値があったか、時代劇アニメを元に具体的に検証していきます。

アニメ版「鬼平」


・鬼平こと長谷川平蔵の暗殺代金300両
長谷川平蔵が火付盗賊改役として活躍したのは、1787年から1795年までの江戸時代中期です。
およそ8年間、火付盗賊改を務めたことになります。
江戸時代中期の300両なので、大体現在価値で1500万程度ですね。
・墓火の秀五郎から、いろは茶屋お松への10両プレゼント
ざっくり現在価値で50万円くらいですね。
火付盗賊改役同心、木村忠吾がいろは茶屋お松に熱を上げすぎた結果、すっからかんになります。
それを見かねた墓火の秀五郎が、いろは茶屋のお松に渡したのが10両です。
10両あれば20回から30回通える額かと思います。
3日と空けず通っていると2か月から3か月で使い切ってしまう額です。
とはいえ大金と言えば大金です。
なお鬼平にはよく盗人が千両箱を担いて逃げるシーンが出て来ます。
江戸時代中期だと千両は大体5千万円くらいですね。
やはり大金ですね。

アニメ版「無限の住人」


・一介の絵師、宗理が凛に渡した30両
宗理は「2~3年は野宿せずとも済むだろう」と言って、30両を凛に渡しています。
無限の住人の時代設定は、足利将軍の名前も出て来ることから江戸初期だと考えました。
とすると30両は300万円に匹敵します。
確かに野宿せずとも2~3年は生活できる金額です。

まとめ


幕末を除けば、やはり金一両というのは相当な価値がありました。
盗人にも三分の理という言葉があります。
江戸時代は現代のように社会福祉が発達していない時代でした。
所得を再分配するため、「おつとめ」が貧困層では半ば正当化されていたような社会事情もあります。
鬼平では、よく盗人が千両箱をかついで逃げるシーンがありますが、幕末を除けば千両は5千万から1億程度の価値がありました。
千両箱1つあれば、のんびり自由に暮らせるだけの価値があったわけです。
千両箱は1箱およそ20Kg前後です。
逃げることを考えるとやはり1箱が限界ですね。
盗人といえど日頃から体を鍛えていないと務まらない商売だったのでしょう。
最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。


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