暗刻
また、あれが来る。
人に恵まれているだろうか
色んな人が、色んなことを話してくれる。
「やっぱり、ウチの会社はダメだよ」
「ほんとに上の人間が腐ってる」
そうやって、時は過ぎていく。
刻一刻と。
彼は言った。
「わがまま聞いてやったんだからな」
はい、今後もどうぞよろしくお願いいたします。
そうして、何も生み出さない日々が今日も来る。
何か手に入りやすい快楽を探しては、消費していく。
酒、愚痴、悪口、自己顕示。
自分の話を誰かに聞いてもらえればとてもすっきりする。
そうして、たばこにまた火を点ける。
喫煙所から下るエスカレーターへ。
足元はおぼつかない。
そうやって、また一日を消費していく。
暗闇の中を歩いていく。
そこに光は一抹も差し込まない。
そんな深い暗闇の中を、たった一人で歩いているような
そんな感覚だけがむしばむ。
環境を変えるために、行動したというのに
暗闇のなかに光を差し込ませていこうというのに
どうして、暗闇はより深くなっていくのだろうか。
たばこに火を点ける。
どうして、暗刻に耽るようになってしまったのだろうか。
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