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タスク管理ツールにやたら詳しいミルクボーイ

「ありがとうございますーありがとうございますー。あ、ありがとうございますー。今、お客様からエクセル添付資料の方が充実しているRFPを頂きましたー」

「こんなん、なんぼあってもいいですからね」

「おー、ようしまえたなぁ。サブロク協定は大丈夫かー?」

「そうそう仕事と言えばね、うちのオカンがね、オトンの仕事の話しとったんやけど」

「ほう」

「なんか横文字のタスク管理ツールがしんどい言うて、でもその名前をちょっと忘れたらしくてね。色々聞くんやけど、全然分からへんねんな」

「はー、まぁ大体英単語1つか2つの名前で覚えにくいもんな。ほな俺がね、オトンの仕事で使ってるタスク管理ツール、ちょっと一緒に考えてあげるから」

「おー。ありがとうな」

「ほな、どんな特徴ゆうてたかっての教えてみてよ」

「あんな、なんか導入した理由が『とりあえず何でも出来そうだから』らしくてな。けど、なんか設定が一見ややこしくて思ってたんと違って何もできてないらしいんやけど、でも安いからみんな我慢して使ってたらしいねん」

「おー。
Redmineやないかい。

その特徴は完全にRedmineやがな。
しかも導入したけど運用失敗してるパターンやん。
食材にこだわって料理人と食べる人を雑に扱うヤーツやろ?
すぐ分かったやんこんなんもー。」

「でもちょっと分からへんのやな」

「何が分からへんのよ」

「なんかな、
フラットデザインがオシャレで、既読アイコンが便利で可愛くて、更新通知センターがとにかく便利らしいのよ」

Backlogやないかい。

あのな、Redmineにはデザイン性というものはないのよ。
Redmine愛好家は「無骨なのもいいよね」とか目を逸らしながら言うてるのよ。
だからテーマ作者さん達の涙ぐましい努力に見た目が左右されんねん。
Backlogは提供元のヌーラボさんがUI/UXに並々ならぬ情熱を傾けてて、プロダクトデザインとしての一貫性があるから、
個人の力で見た目から使い方までを全てフィッティングして、それを上回らないとBacklogがいいという話にしかならんのよ。
Redmineを使いこなせないなら、Backlogで決まりやそんなもん」

「でも分からへんねん」

「何が分からへんのよ」

「オカンが言うにはな、こども用があるらしいねん」

Redmineやないかい。
RedmineにはこどもRedmineっちゅうテーマがあるもん。

一貫したプロダクトデザインがない事による多様性を表す代表的なええ話やないかい。そしたらRedmineで決まりや」

「いや、でも分からへんねん」

「何がわからんのよ」

「オカンが言うにはな、
かんばん形式で列が気軽に足せて、タスクに複数担当付けて期日の管理が出来るらしいんよ」

「あー。そしたらRedmine違うかぁ。
あのなぁ、Redmineにもかんばん形式のタスク管理が出来るプラグインは最近登場したけど、かんばんの列はステータスとして表現されるから、列は気軽には足せんのよ。それやと業務黎明期に不便やろ?
Backlogもかんばん機能追加したけど、やっぱり違うなぁ。
そもそも、RedmineもBacklogもタスクに複数担当者の設定は出来んのよ。
Redmineはグループを担当につける事は出来るけど、
複数の個人を指定することは出来ひんから、
『やった人は担当を外れてね』っちゅうチェックアウト式のタスク管理は出来んからね。

まぁチェックリスト使うて疑似的にやっとる可能性はあるけど、普通に考えたら、そんなんTrelloか大穴でJootoやろ

「それが、どうも違うらしいねん」

「何が違うのよ?」

「オカンが言うには、議論がしやすいらしいねん」

「おー。そしたらかんばん系はちゃうなぁ。
かんばん形式は元々トヨタが工程リソース管理をするために生んだ手法やから、誰が何をするかは一発で分かるけど、
タスクが付箋みたいなカード形式やからそもそも議論を生むアフォーダンスは無いし、そんなもん表示するスペースないもん。
何するかが完璧に決まっとる系の業務か、
何するかが全く決まってないアジャイル開発とか、議論が切り離された業務向きやから。
もうちょっと何か言うてなかったか?」

「あーあとな、オカンがいうには、使いこなすのが難しいらしいねん」

Redmineやないかい。

使いこなすの難しいどころか、システム管理者権限がないと使いこなす余地すら見せへんからね。
フィッティングされてないRedmineなんて、憂鬱なお仕事と聞いて思い浮かぶ脳内イメージで真っ先に手を挙げよるものやからな」

「でもな、オカンが言うには、使える人は使えるらしいのよ」

当たり前の話やないかい
出来るやつは何使ったって出来んねん。

どんな会社や業務も一つとして同じものはないのよ。
だから、無条件に最強のツールなんてないし、使うやつ次第でゴミ箱にも神ツールにもなるのよ。

現場無視してツールを押し付けるなんて惨劇にしかならんよ。
ツールが目的を変えちゃダメなんよ。
もうちょっと何か言うてなかったか?んー?」

「あとなぁ、オカンがいうには、ガントチャートが便利らしいねん」

「おー。それは、Trelloではないなぁ。
Trelloもガントチャート機能はあるけど、あくまで拡張機能として提供してるから、タスクカードの期日とは別にガントの期日を別入力せなあかんからな。
今時のタスク管理ツールはガントチャートなんて標準搭載やからなぁ。
もうちょっと何か言うてなかったか?」

「あと、オカンが言うには、ユーザーコミュニティに歴史があって活発らしいねん」

Redmineやないかい。
その特徴は完全にRedmineやがな。
大阪東京も2011年からユーザーコミュニティが今も続いてて、長い歴史の中ではJAXAの人も登壇してんねんで。
ほぼ米軍やNASAで採用してます並の圧やからJAXAは」

「でも分からへんねん」

「何が分からへんのよ。」

「オカンが言うには、そのユーザーイベントがスタイリッシュな感じらしいねん」

ほなRedmineちゃうなぁ。
というか、そのイベントはJBUGやなぁ。
JBUGも活発で歴史あるけど、BacklogWorldのオシャレさとRedmine界隈は月とスッポンやな。

miroでお月様になれるかなチャレンジをしとる場合とちゃうでホンマ。

Redmineイベント告知はTwitterとかRedmine上で展開されんねん。
せやからエンジニア的な意味ではスタイリッシュかも知れへんけど、敷居の高さはあるよなぁ。
普段つこうてるRedmineって、普通は社内でクローズドなもんやから、オープンな場所にどーんとあっても、まぁ初心者普通はビックリするもんね」

「でも分からへんねん」

「何が分からへんのよ。そろそろ2000字こえとるよ?

「あのな、オカンが言うには、使いこなすの難しいけど、『運用でカバー』が出来なくなったら真価を発揮するらしいねん」

Redmineやないかい。
それは完全にRedmineの特徴やがな。

トラッカー、ロール、ワークフローを使いこなすと、
例えば営業は見ることが出来ない項目、見ることが出来るけど編集出来ない項目、偉い人の確認がないとタスクが完了出来ないようにするとか、『運用でカバー』をノーコードで仕組み化して管理する事が出来んねん。

Backlogは登場人物がフラットな関係の時は最高のタスク管理ツールやけど、組織が大きなって監査やら新人がどこどこ入ってくると、そうも言ってられへんようになるからね。
仕事の大きさや複雑さが変わったら最適なツールも変わるもん。」

「んでな、オカンが言うには、発注先の業者さんについでにタスク管理ツールお任せしたら使いにくい言うねん」

Redmineやないかい。
あのな、Backlogではそんな事は起きへんねん。

Backlogがカップ麺だとすると、Redmineはスーパーマーケットやねん。
お前、スーパーの食材でカップ麺より美味いラーメン作れるか?無理やろ?
そんで、お前の事を知らん奴が、お前が美味いと思うラーメン作れると思うか?
普通は手ェ抜くやろ。そんなん当たり前や。
まだカップ麺の方がましやろそんなん。

自分の好きな味は自分で決めるしかないやろ。
他人に旨さの定義任せてどうすんねん。
人生までアウトソースすなよ

「いや、でも分からへんねん」

「わからへん事ないやろ。もうそれRedmineやろ」

「いやな、オカンが言うには、何人で使っても無料らしいねん」

Redmineやないかい。
というか、まず金の話をしなさいよ金の話を。
1番重要な話やないかいもー。
あのな、Redmineはオープンソースなんやから、誰でも無料で使えるのよ。
ライセンス料金とかも掛からんから、サーバーさえあればそれ以外の金は掛からんのよ。
ただまぁサーバ費用や設定作業は自分でやらなあかんから、そこを金に変換すると高くなるっちゅう話はあるけどな、まぁAWSでLightsailでパパッとやるなら、月に3.5$やね。
複数人でも普通に使えるんとちゃうか?

あとな、他にオープンソースのタスク管理ツールはOpenProjectとかが最近出てきたようやけど、コミュニティに歴史があって色んな人が集まってんのはRedmineだけやな。
せやから、もうお前のオカンが言うてるのはRedmine!
Redmineで決まり!」

「いやな、俺もRedmineと思ってんねんけどな」

「そうやろー」

「でも、オカンはRedmineではない言うてんねん」

ほなRedmineちゃうやないかい!
オカンがRedmineではない言うたら、絶対にRedmineではないやんか。なんか言うてなかったか?」

「んーとな、オトンが言うにはな」

「オトン?」

赤い孔雀が可愛いとか言うとったわ」

Redmicaやないかい!

フランス生まれのRedmineのフランス人管理者のコミット周期が遅くて、ヤキモキした日本人管理者が、今日使える明日のRedmineをテーマに、
完全互換性を維持しながら提供してる最新鋭のRedmineやないかもー。
つーかお前のオトンはどんだけガチ勢やねん。ええかげんにしろ!」

「「ありがとうございましたー」・・・って、あれ?まって?

「なんやねん。お前のオトンが使てるのはRedmicaやろ?それでええやん」

「よくないやん」

「何がやねん。もう4000字いくよ?

「いやだって、おかしいやん。
オトンが使てるのがRedmicaだとするやんか?
たどすると、フラットデザインはテーマを入れれば解決する、スタイリッシュなイベントかどうかという認識はオトンの認識が一般的ではない、でかわせるとしてもや。
通知センターや既読アイコンはRedmineやRedmicaにないやん。それは無理があるやろ」

「おー。それはそうやねぇ。無理があるなぁ」

「やろ?」

「ただな、絶対無理ではないのよ

えーなにそれ・・・

「さっきも言うたけど、Redmineはオープンソースなんや。せやからプラグインは勿論、ソースもDBも全部公開されてて自由やから、自分で作れば出来んねん」

「いやいや、そんなんほぼ無理やん」

「ところが通知センターはGoogleChromeの拡張プラグインで提供される例はあるし、既読アイコンについても、めちゃめちゃ大変やろうけどユーザーごとのページビューイベントを取得して、DBにつど書き込んで参照する仕組みを作れば理屈的には出来るから、絶対に無理ではないねん。
まぁぶっちゃけSlack連携プラグイン入れて通知とスタンプで上手いこと既読もコントロールした方が実戦的には合理的と思うけどな。
というかな、オープンソースなんやから、世界中のこうなったらええなぁが、昔から今までどんどん実現してんねん」

「はー・・・。凄いなぁ」

「せやろ。ほな、タスク管理ツールに携わる世界中の関係者に向けてしめよか」

「「今日もありがとうございますー」」


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