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一通の『手紙』がくれる、温かな心のつながり〜episode0〜

先日の『手紙』(葉書?)エピソードには、実はその前に、私には『葉書』にまつわるもう一つ大切にしたい思い出がある。

(episode1はこれ↓)

それはもう34年ぐらい前のこと、長男がまだ2、3歳の頃だったと思う。

当時は葉書一枚の郵送料は41円。「『41円の親孝行』をしてみませんか?」と言って下さる方があった。

「やってみよう」と素直に思えて、ヤル気を無くさないうちにと思い、まずは官製はがきをドーンと購入した。

毎日とはいかなかったが、週に2、3回は葉書を書いて、実家の両親と夫の両親にも送っていた。

長男にも絵を描いてもらって、その横に他愛無い日常の出来事を書いていた。

双方の両親とも「電話はその時だけになるけれど、手紙は何回も見直せるからいいもんだね」と喜んでくれて、ダイニングテーブルの横の壁にいっぱい貼ってくれていた。

葉書が来るのを楽しみにしてくれていることがわかって、一層書くことが楽しくなった。

この葉書のおかげで、こちらの状況を知ってくれているので、夫の両親ともいつの時も会話が弾み、距離が縮まった。

ある時、私がまた葉書を書こうとしていると、3歳の長男が「僕もお手紙書きたい。字を書きたい。教えて。」と言って来た。

長男と同い年の子で、もう字が読めて書ける子どもさんは沢山いたが、敢えて教えていなかった。

「親が焦って前もって教えるよりも、学校で初めて習うほうが、きっと授業が楽しくなるだろう」と思っていたからだ。

でも、自分から「字を書きたい」と意欲を見せたので、これはいいチャンスだと思った。

字は自分の思いを伝えるためのもの。「自分もおじいちゃん、おばあちゃんに自分の思いを伝えたい。そのために字を覚えたい」と3歳の子が思ってくれるなんて、とちょっと感動した。

子ども自身の書きたい思いが強いので、ドンドン字を覚えた。

私の『41円の親孝行』の思いがけない嬉しい副産物だった。

「子どもは親の言うことは聞かないが、親のすることはする」ということが、よくわかった。

私が親を喜ばせたいという思いが、子どもにも伝わって、私も子どもから喜びをもらった。

その後も、時折々、大切な時は、電話ではなく手紙を送って来た。

義父が、長年勤めた会社を退職した時も、3人の子どもたちと私からの「お仕事お疲れ様でした」のメッセージを書いた手紙を送った。殊の外喜んでくれた義父だった。

心のこもった手紙はやっぱりいい。気持ちが和らぐ、温かくなる。お互いの心の距離が縮まる。

今日も郵便屋さんは、暑さも増す中、一軒一軒のお宅に配達してくださっている。

本当に感謝だ。ありがとうございます🙇‍♀️🙏


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