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207、ギグワーカー活用のデリバリーサービス「スキマ便」開始

新たにラストワンマイルのデリバリーサービスが展開されます。

同様の内容は何度か取り上げていますので、今回はギグワーカー活用に注目して内容を掘り下げたいと思います。

まずギグワーカーとはどんな人を指すのかという点については以下に記載します。

インターネットを介して単発の仕事を中心に独立して働くフリーランスや契約で仕事をする人

代表的なものとしてはUberやUber Eatsが挙げられますが、それ以外ではクラウドワークスという日本最大級のプラットフォーマーがあります。

まず個人的な見解ですが、オペレーション部分でギグワーカーへの依存度が高まるほどに事業継続性のリスクが高まると考えています。

理由は簡単です。ギグワーカーは毎度企業の都合に合わせて労働力を提供するとは限らないからです。

昨年のガイアの夜明けで大戸屋が取り上げられていましたが、その際に不足する労働力をタイミーという単発アルバイト募集サービスに大きく頼ってしまい、安定した店内オペレーションができず店舗存続の危機に陥っていました。(当然労働力不足だけが要因ではありません)

この大戸屋の事例が示す通り、オペレーションの核になる部分については固定で一定の労働力を確保し、繁忙期の労働力不足を補うことを目的として活用すべきだと考えます。

確かに固定で労働力を確保してしまうと固定費率が高まり損益分岐点が上がります。

しかし、その点だけを切り取って固定で労働力を確保すべきでないと結論づけるのは思考停止ではないでしょうか。

固定費が増えただけ、その分を賄うだけの売上増分の獲得をどうやって売上を伸ばしていくかをセットにして戦略を練るべきだと考えています。

労働力が余剰があり、習熟度があまり必要ない単純オペレーション作業で、直接的に顧客へのサービスに影響しない業務であれば人件費を変動費化する選択はありだと思います。

最近盛り上がっているラストワンマイルのサービスについては、待っている顧客へ確実に届ける役割があります。

そういった意味では、宅配サービス占める総付加価値の中で大きな割合を占めていると考えられます。

この部分をギグワーカーに頼り過ぎるとオペレーションが安定せず、顧客へのサービス提供が滞るリスクがあり、最終的には企業への不信感に繋がります。

ラストワンマイルでのギグワーカーの活用自体を否定している訳ではなく、安定したサービス維持のために労働力ポートフォリオに注意しましょうという事です。

特にコロナショックの自粛が明けた際にはギグワーカーの労働力は減少に転じると可能性もありますので、短期的にはギグワーカーの労働力で凌ぎつつ、アフターコロナに向けてどういったサービス提供をしていくかを並行して考える必要があります。

ラストワンマイルも含めたロジスティクス領域の労働力確保は今後も注目される分野ですね。

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