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国交省、トラック運送の標準的運賃を正式告示

国交省がトラック運送の運賃についての適正化に本腰を入れつつあります。

今回の告示は以下の様にまとめられています。

告示された運賃自体に法的な拘束力はないが、必要なコストを賄うだけの収益を運送事業者が得られる根拠の1つとして国が明示し、運送事業者が荷主企業との運賃交渉する上での材料として活用してもらうことなどを想定。

重要な点は”法的な拘束力はない”という点でしょう。

仮に運送会社からの値上げ要請に応じなかったとしても、何か罰則があるわけではありません。

各業界・企業によっては許容できる物流コストにも差があるため、標準的運賃が必ずしも各社にとって適正とは言えません。

しかし、トラックドライバーが減少している現在では、供給側である運送会社の方にパワーバランスは寄っているので、各荷主企業は受け入れざるを得ない環境になっているため、強めの交渉も可能ではないかとも思います。

運送会社にとって環境が整ってきた矢先、コロナショックが発生しました。

コロナショックにより日本全体・ほぼ全ての産業がマイナストレンドに転じており、宅配のニーズは高まっている一方で、BtoBに代表される幹線輸送のニーズは大きく減少してしまいました。

そのため、”運送会社が何か仕事が欲しい"環境に逆戻りしてしまい、値上げ交渉にとってはネガティブな状況になりました。

このタイミングでコロナショックが発生するのは運が悪かったとしか言えませんが、経済が回復した際に輸送能力の不足が見込まれる荷主企業にとっては輸送能力を確保しておくチャンスでもあるため、両社のニーズが合致すれば値上げを受け入れてくれる荷主も出始めるかもしれません。

一度沈んだ時に種を蒔いておけるか。

リーマンショックの際に種を蒔いた企業や個人が後にアベノミクスの恩恵を受けた様に、10年振りにゲームチェンジを仕掛けるチャンスがやってきたとも言えるでしょう。

急所は守りつつ、しっかりと攻めに転じていきたいですね。

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