わるいチームの生まれ方
個人の力が「掛け算されるチーム」と「相殺されるチーム」の形があるんだなーということが、CHOCOLATEでコンテンツづくりを模索する中で一番痛感したことです。
人によってはなんて事のない、当たり前のことかもしれないけど、この身で理解するのは、すごく時間がかかりました。
結論として、何かものづくりをするとき、いわゆるクリエイターと呼ばれる人は4タイプに分けられて、いい組み合わせでいい順序を経るといいチームが生まれるし、そこを間違えると、わるいチームになってしまう、という説です。
(共創家ってなんだよ…って思いながら書いています。うまいのが思いつきませんでした)
元々、広告の仕事をしていた僕にとって、「チーム」で何かをつくるというのは得意技で、みんなでアイデアを出して、いいものを厳選して、磨いていくというプロセスが当たり前でした。かなりのスピードでこのサイクルを回しまくります。
CHOCOLATEには、いろんな分野のクリエイターがいるので、何か新しい「コンテンツ」をつくりたい時はまず異色のチームを作って、色んな知恵を結集して、この広告で培ったフローを辿れば面白いものが生まれるに違いない!と思い込んでいたものの…そこには大きな落とし穴が。
それは、この作り方をすることであれよあれよと「色」が薄くなるっていうことです。
その「色」というのは、「作家性」と呼ばれたり「こだわり」「狂気」「世界観」とも言われたりするもの。
この「色」がなければ、中々「コンテンツ」というものは面白くならない。面白くなったとしても、続かない。
世の中を圧倒するコンテンツはすべて、強烈な「色」をまとっています。時に映画監督であり、漫画家であり、アイドルプロデューサーであり、小説家であり…その「色」を生み出している主がいます。言葉にはできないけどとにかくこういうものが好き、こういうものを表現したいっていう強烈な意志が「色」を生み出して、それを色んな人が広げていく。形を変えても、継続していっても失われない「色」があるほど、ファンは自然と生まれていくし、これがオリジナリティと呼ばれるものだと思います。
せっかく「色」を打ち出す人が集まっても、ただ集まるだけだと、その色が相殺されることに気付きました。
人が集まって何かをつくろうとすると、どうしても、つくる前にその考えていることを「言語化」して、共有しないといけないからです。
「色」というものは中々言葉では表現できないもので、言語化した途端にその魅力の9割くらいが省かれてしまうんじゃないかなと。
例えばこのブルーハムハム 。
デザイナーであり、アニメーターである有村さんが生み出したキャラクターです。めちゃくちゃ可愛い。
言葉にすると「4匹のハムスターが音を奏でて戯れるかわいいアニメ」だけど、一番大事なのは、このカラートーンだったり、動き、楽曲、画角、展開、ツイート文で、こういった細かい要素の積み重ねが「色」を作り出しています。
例えばこのよざひかるさんの動画。
言葉にすると「アメリカのスーパーを紹介する動画」という何の変哲もない記録だけど、このテンポ、テロップの感じ、映しているもの、オチなどなどが、この動画の「色」になってここまで人を反応させたんだなと。
こういうものは、ただチームで集まっても中々生まれるものじゃないし、アイデアを言語化して共有しようとするほど、削ぎ落とされてしまう部分がたくさんあります。
だからと言って、チームを否定したいわけじゃ全くなくて、言いたいことは、要するにこんな感じでいきなり色んな人とガツン!と集まるんじゃなくて
チームになる「順序」と「組み合わせ」を意識することで、ちゃんと「個」の力が掛け算されるチームが生まれるはず!ということです。結論、今しっくりきている型は3つあります。
その1:職人原点型
職人タイプがもくもくと没頭するための時間を、たっぷりつくる。
そこでこぼれ落ちた創作が、もっと面白くなる方法をプロデューサータイプの人が考え、動いていくチーム。
(漫画家が描きあげ、編集者が意見したりプロモーションプラン考えたりする感覚に近いです)
その2:共鳴共創原点型
打ち出したい「色」、つくりたいものがはっきりしている人が、その感覚が共鳴する人と最小人数でチームをつくる。(2人、多くて3人)
原型を作り、それをもっと広げるためのプロデューサータイプの人がアイデアをどんどん加えたり、実現するためのプランをつくる。
(監督と脚本家がタッグを組んで物語の原型を作り、映画プロデューサーが形にしたり、広告プランナーが広げるアイデアを組み立てる感じ)
その3:妄想原点型
こんなもの、あんなもの作りたい、この人ならこういうもの一緒に作れそう、この人とこの人組んだらめちゃくちゃ面白くなりそう、みたいなことを勝手に考える人が、ピンと来たときに声をかけて、一緒に作っていく、みたいな形です。
(めちゃめちゃ作りたいものがはっきりしてるTVプロデューサーが、強烈なディレクター、タレントに声をかけて番組つくる感じのイメージ)
色を引き出してプロデュースする立場の人って、いつもチームで力を発揮するような感じがあるけど、実はその前に、「個」でいろいろ想像して企てていくタイプもいれば、誰かに依頼されて力を発揮するタイプもいるし、意外とここに違いがあるなっていうのも個人的な発見です。
人によっては当たり前のことかもしれないけど、出自が異なる人が集まるCHOCOLATEみたいな会社にとってはかなり重要なことで、むやみやたらにチームをつくるんじゃなくて、それぞれのタイプをちゃんと掴んだ上でチームを設計するっていうことが、見たこともない強烈な「色」を打ち出すのに不可欠な視点だなーと感じている2年間でした。
とはいえ、これもまだまだ模索中なので、いろいろやってみようと思います。ちなみに僕は左下だなーと思っています。
2020.06.25の景色
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CHOCOLATEが見た景色
CHOCOLATEのメンバーと、 CHOCOLATEを気持ち程度でも応援してくれている人に向けて、 毎日の試行錯誤で発見・失敗したこと、 …
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