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蓄えてきた「ボール保持」の考え

自己紹介

初めまして、easeaです。もともとのハンドルネームはeasyでそこにchelseaのseaをくっつけてeaseaなので読み方は自分でもわかりません。
指導者志望です。縁あって社会人サッカーチームに入る予定、楽しみ。

せっかくサッカー観てるしなにか残しておきたいと思い、私が大事にしているフットボールの本質的な部分をまとめてみました。
そんなん知ってるよってことも多いと思いますが、再度考えるきっかけや整理するきっかけになればうれしいです。
なるほどー、そういう考え方もあるんだーと新しい考え方をこのnoteで持っていただけたらとっても嬉しいです。
ぜひ温かい目でよろしくお願いします。



局面

サッカーをボール保持、非保持、ネガトラ、ポジトラの四局面に分けることができるというのは多くの人が知っていると思いますが、
自分は保持,非保持局面をさらに
「ゾーン1ビルド」「ゾーン2ビルド」「押し込み/フィニッシュ」
「ハイプレス」「ミドルセット」「ローブロック」と分けて観ることが多いです。 

局面

雑だけどこんな感じ。それぞれが対応していて青のゾーン1だと、保持側「ゾーン1ビルド」と非保持側「ハイプレス」の攻防ってかんじ。

テンポを落としてボールを保持するチームはこのひとつひとつでしっかり止まり、セットしたところからチームが一体となって前進を試みることが多いです。これが「同じ列車ではなく同じ車両で進むサッカー」とか「歩くようにプレーする」ってことなんだろうと思ってます。

困難は分割せよ」という言葉があるようで最近知ったのですがもろこれ。
検討しようとする難問をよりよく理解するために、多数の小部分に分割すること」と続くようでばっちしこれ。



ビルドアップとは

私はビルドアップを最後列(CB,GK,サリーした中盤)からのボール保持,前進と定義してます。

ビルドアップはボール保持の始点で前進に詰まって蓋をされても、極端な話サイドの深い位置まで侵入できてゴールに近づいた状況でも後ろに下げればやり直せる。ということで試合でCBがボールを持ってビルドアップが始まるシーンは多くあります。

ビルドアップを整備することで狙った形で前進ができ、再現性の高い崩しを始めやすくなり結果ゴールにも近づくのでそういった面でも大切な要素だと思います。

そしてビルドアップが安定することで、ボールを保持する時間が長くなれば非保持の時間は短くなります。まさしく攻撃は最大の防御。



スリーライン

サッカーへの考え方でもっとも大事にしていると言ってもいいスリーライン。戸田さんのYouTubeをみて戦術について勉強し始めた最初期から自分の中にある考え方です。
非保持側のスリーラインを前から1stライン,2ndライン,最終ラインとかFWライン,MFライン,DFラインって言うやつ。(二つ目のラインをなんていうか全然定まってない)


スリーライン

非保持側はもちろん、保持側はそのラインを超えていくという意識がとても大事だと思っています。そして観る側も。


非保持側が意識することはラインの間を適切な距離でスリーラインを一定に保つことです。プレスに行く時はみんなで行くし、引く時はみんなで引く。
意識をそろえて、チームで連動することが大事。イメージは小学校の国語の教科書に載ってるスイミーのように。
結構当たり前のことですが、そもそもライン間が広かったりFWだけがGKまでプレスに行ってしまったり、1stライン,2ndラインがプレスに出ているのに最終ラインだけは後ろ重心でライン間に広大なスペースができてしまっていたり、というシーンを普通に見ます。

ライン間が狭く一定に保たれた状況をコンパクトな守備、逆にライン間が広がっている守備は間延びしていると言われたりします。

FWが一人、張り切ってプレスに行くのを見て行っちゃだめ行っちゃだめ!と思いながら見ています。

逆に、保持側はそういったシーンを見逃さず正しいポジションをとってラインを突破していくことが大切です。



ライン間

ライン間とは文字通り1stラインと2ndラインの間、2ndラインと最終ラインの間の事です。一般的には後者を指すことが多いですが今回は1stラインと2ndラインの間で話をしていきます。

保持側のライン間での正しいポジショニングですが、結論、ライン間の中でも私はラインのギリギリ背後で待つべきだと考えてます。

ライン間

同じライン間でも①は1stライン寄り、②はド中間、③は2ndライン寄りです。
ラインの手前、ライン上、ラインの背後という言葉もありますが、①は1stラインの背後、③は2ndラインの手前ということもできると思います。


まずパスが出る前では、③だと相手MFがマークに付きやすいですが①だと相手MFに付くか付かないかの選択を迫ることができ、チームとして決まっていなければ付かないことが多そうです。

そしてパスを受けた後も①なら前にスペースがあって前を向く時間も前を向いてからの選択肢もあるのに対し、③は即相手MFからのプレスを喰らい前を向くことすら難しいでしょう。
ただ①は、相手FWからのプレスバックを受けやすいというデメリットもあるので相手FWの守備範囲や勤勉さを考慮したうえで下がれるギリギリの位置というのが自分の中の解答です。


ラインのギリギリ背後

今まで1stラインと2ndラインの間で話をしましたが、2ndラインと最終ラインの間の方が相手にとっては使われたくないスペースで、ライン間も狭く相手DFのプレス強度も高いことを考えるとよりこの意識が重要になります。

ラインを超えようという意識はもちろん中央だけではなくサイドでも必要です。SBが相手SHの背後で待つ意識があって、そこにパスを送ることができれば超えるのが難しい2ndラインの突破がそれだけで完了。
ラインを超えて受けた先のスペース,時間や、守備側が使われたくない中央に人を多く配置していることを考えると、中央よりサイドを狙うほうが有効なのかもしれません。


twitterで流れてきておーーと思った冨安の
「(味方のGKやCBにプレスにきている)相手チームのFWの背中を追いかけるように動いてみよう! そうすると、自分がボールを受けるスペースができる。そこで受ければ、比較的に楽に前を向いて、次のプレーにかかわることができるよ」 というアドバイス。
相手のFWがプレスに来るため動いてもそれに合わせて自分も動き、ラインのギリギリ背後でい続けようってことを的確かつ実践でつかいやすいように伝えていて素晴らしい。これがよすぎてこのnoteを書き始めたまである。

この冨安のアドバイスはボランチの選手に向けたものですが、ハイプレスを受けた際の出口となる2ndライン背後のIHも適切なポジションをとることがとても大事だし、どのポジションでも毎秒毎秒上下し動き続けるラインに合わせて、立ち位置を修正し続ける意識が重要です。
引用元



ラインの手前、ラインの背後に関しても少し。
ラインの背後で受けることができればラインを突破して前進の完了。なのでラインの背後で受けたいとここまで書いてきたわけですが、ラインの手前で受けることについて改めて考えてみました。

ラインの手前ということはマークに付かれている状態。なので基本前は向けないし相手から前向きのプレスを喰らいやすいという明確なデメリットがあります。
ただ前を向かなくても味方にパスを落とせればその味方が前を向くことができ、レイオフでのライン突破が完了。
ラインの背後でのライン突破は縦パス→ターンで前向き完成に対し、縦パス→落としパス→受けるで前向きが完成。関わる人は増えますが比較的難易度が高いターンをすることなく前向きを作ることができます。

また単純にパスをもらいやすいし出し手も出しやすい。これを考えててこれが戸田さんが言ってた継続のサポートか!となりました。そしてラインの背後で受けるのが前進のサポート。考えがつながった感じがしていい気分。



試合を想定して

試合で頻出するゾーン2ビルド vs ミドルブロックの状況を使ってビルドアップで重要な考え方や、有効な動きをまとめていきます。

4-3-3 vs 4-5-1 ミドルブロック ①

保持は433、非保持は451のミドルブロックです。
まずビルドアップの始まりはCB。相手は1トップで2対1の数的優位です。フリーの時に大事なのは引き付けてリリース、来ないなら運ぶ。たっぷり時間を使いましょう。
ゆっくりボールを持って相手FWが食いついてくるなら隣のCBまたはアンカーにリリース。来ないならスピードを上げすぎず、じわじわと前進。

そしてアンカー。相手が451だとプレスのスイッチが入らず相手FWが出てこないので背中で付かれることも多いと思いますが、だったら受けようと動きすぎずCBに任せてもいいと思います。

次は右のIH、相手2ndラインを見極めてギリギリ背後でい続ける意識。そして相手のCBがどれだけ付いてくるかをしっかりと把握しておく。
ただ相手のライン間が狭いと2ndラインのギリギリ背後でも最終ラインが近く最終ラインの手前になってしまうのでそういう時は無理に受けないし出さない。コンパクトということは別のところにスペースがあるので。

右SB、相手SHの背後で待つ意識。ただ相手SHもその動きをみて下がってマークに付いてくることもあるので注意。

そして変な動きをしている左IH。俗にいうサイドフローというやつです、外に開いて相手SHの背後で受ける動き。
相手のCBはさすがについていけない、相手SBはWGがピン止めしてるので寄せることができない。と相手の誰がマークに付くか判断しづらいすごく効果的な動き。
この図の場合だとアンカーが付いていくしかなさそう。相手のIHに監視されている場合はその選手が付いていくことがあるにはありますが、ピッチ上で実際に高い確率でフリーで受けることができている戦術です。

4-3-3 vs 4-5-1 ミドルブロック ②

図の上側、左サイドの動き。左SBが内側に入ることで相手SHもそれに釣られ、CBからWGへのグラウンダーパスのコースを開けています。
このときWGのボールの受け方も重要で、何も考えず後ろ向きでボールを受けると相手SBからのプレスを受け、最悪の場合パスが届く前に寄せきられてしまいます。
相手との間合いを保つためにはパスの移動中も体の向きは相手SBに向け続け、タッチラインを背に半身で受けると相手は寄せにくくなります。
さらに最終ラインの裏を狙うランニングの動きを見せてから受けるとよりスペースを確保できるでしょう。

サイドから相手のラインを超えていく方法は
・SBの相手SHの背後で受ける動き
・中盤のサイドフロー
・WGの高さを調整しながらCBからのパスを引き出し、間合いを保ちながらボールを受ける
とまとめておきます。


CBから裏へのロングボール対角へのサイドチェンジもシンプルながらすごく有効で、特に相手のラインが高い時や片方のサイドに圧縮している状況ではしっかりと狙っていきたいところ。


1つ目の図では主に相手2ndラインの背後をいかにとるかという話で、2つ目はCBから長めのボールの話でした。
2ndラインの背後で受けた後の選択ですが、ゾーン2の保持では最終ラインの裏のスペースがまだ残っているのでそこからテンポ,スピードを上げて一気に裏を狙いフィニッシュに持っていくことも可能です。

テンポを上げずに押し込み局面へ移行するには、相手SHの背後をとれたらフリーなのでそのままドリブルで運んで陣地を進め、中のライン間で受けることができれば相手のSBは中央を警戒し絞るはずなので空いたWGへ。といった感じ。

相手SBと間合いを保った良い状況のWGにボールが入れば、相手も1対1で勝負をかける選択はしづらく遅らせる対応をしてくるのでじわじわとドリブルで前進することができ、押し込み局面に移ることができます。
押し込み局面から再現性の高いフィニッシュへの形も、良い状況のWGがボールを持ったところから始まるパターンが多く、いかにWGに良い状況を与えボールを預けるかがボールを保持するチームにとって重要なテーマになりそうです。



442では

相手が442の時は451と比べ単純に考えれば1stラインの突破が難しくなり、1stラインを突破した後はやりやすくアンカーの腕の見せ所です。長々と書いたように適切な高さを意識して相手2トップの門に立つ。それにより相手を閉じさせCBに時間を与えます。
相手2トップの背後で受けることができれば、ライン間にパスを入れることもWGへ大きく振ることもできチャンスは広がります。こういうときもフリーで相手が寄せてこないなら引き付けてからリリースを意識したいです。

ただ、非保持側が442の守備陣形から2トップを縦関係にし、4231気味に構えトップ下の選手をアンカーの監視役にするケースや、CHの1人をアンカーにマンツーマンでつけることも多いので状況に合わせてチーム(ユニット)で選択を変えること。そしてパスを受ける前に相手CHがどれだけ付いてくるかをしっかりと確認しておくも大事です。

アンカー,ボランチの選手がパスを受ける前に意識することは、相手1stラインを見て正しいポジションに立つこと相手CHがどんな対応をしてくるかの2つで一旦はいいんじゃないかな、どうだろう。

非保持の442は最もオーソドックスなフォーメーションでそれを使うチームも多いので、それに合わせて保持を後ろ3枚で数的優位を作るチームもあります。個人的にはこれが好き



終わりに

今回、3分割した保持局面のうちでもゾーン1でのプレス回避(vs ハイプレス)、押し込み局面でのフィニッシュ設計(vs ローブロック)には触れずでした。

プレス回避については書けるほどの理解にたどり着いてない、というかハイプレスはやり得だとまで思っていて。
マンツーマン同数で人を当てはめるハイプレスでかなり奪えるし、どんなにビルドアップを整備したチームでも嵌められることはよくある。
で、レベルやカテゴリーが下がるほど保持側のプレスの耐性は下がり、相対的にハイプレスが強くなっていく。

個人的にハイプレスをする側は奪えたらビッグチャンスだけどすこーし呆気なく、逆にプレスをひっくり返されたら被カウンターのピンチに。
ハイプレスを受ける側は奪われたらビルド隊が強めに咎められ、ひっくり返してもテンポ,スピードが上がったカウンターになってしまうのであんまり好みではないけど、という思想をひとつまみ。

ただこれは外から見てるだけだから言えることであって、勝負の世界では好みなんか言ってられず、勝つためにやれることはすべてやるべきだというのはわかってるつもり。
今後はプレス回避の部分がより研究され整理される環境になったらなーとも思ってます。


フットボールには局面の画像でも載せた保持3つと非保持3つのほかにも、ネガトラ、ポジトラ、プレスをひっくり返した時やカウンターなどオープンになった状況でのテンポ,スピードの速い攻撃、それを受ける背走対応、セットプレーの攻守など無限に要素があってそれぞれをもっと細かく分けることもできるわけで、本当に深いスポーツだと思ってます。
まだまだ理解して整理できていないことが多すぎる。日々勉強、のびしろたっぷりだ。


せっかくだし少し自分語り。
こうやって少しはフットボールについて理解し始めて、フットボールを考えられるようになれたきっかけはなんだろうと考えてみた。多分トゥヘルチェルシー、ジョルジーニョ、戸田和幸、あとはやっぱりTwitterとか。
育ちは完全にTwitterだ。TLの皆さんにはたくさんの知識、考え方を勝手にいただきました、本当に感謝してます。良い場所を見つけられてよかった。

2,3ヶ月前よりサッカー観だったりサッカーを観るときの要素は確実に増えていて成長を実感してる。
1年前2年前、サッカーを現役でやってた時とは間違いなく別人。トゥヘルチェルシーを今観たら感じ取れるもの、その量は全く違うんだろうなと思います。ほとんど別チームを観てるみたいな。少し悲しい、悔しい、だがそれでいい


情報が溢れかえってるこの時代、大抵のことはどっかで誰かが言ってるし、その誰かが言ったことから得た知識や考え方で自分のサッカー観の大半が出来上がっていて、これを書いて公開するのは必要なのかって気持ちもありますが、何とか書いてみました。

このnoteを何年後かにみたらどんな気持ちになるんだろうか。

めちゃくちゃ浅い!恥ずかしいわ!!ってなるのを楽しみに、これからも学び続ける気持ちを忘れず、フットボールを愛していきます。とプロポーズを決めたところでこの辺で…


最後まで読んでいただきありがとうございました!感想お待ちしてます。
これからも何卒何卒よろしくお願いします。


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