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応援すること。それはすべてを引き上げるということではなく、地図を示して見守ること。

僕の小さなお友だちが、学校にはまだコロナの影響で通うことはできないけれど自分の夢に向けてがんばっています。葉月ちゃんと妹ちゃんです。
葉月ちゃんが通う八王子市立の小学校で僕は以前、講演に呼ばれたことがありました。

小さな学校で校長先生が朝登校してくる子どもたちを優しい眼差しと笑顔でむかえていたのがとても印象に残っています。その学校で講演をしたときに、僕へ質問をくれたうちのひとりが葉月ちゃんでした。


「私は将来デザイナーになって、そうして恵まれない人たちが住む国に工場をつくって、そこの国の人たちを助けたいんです。どうすればいいですか?」と彼女は話しました。

僕はそれにこう答えたんです。
「ぼくの友だちに、すでにそういうビジネスをやっている人がいるよ。アトリエfuwariというブランドをやっていて、タイで服をつくってる。もしきみがほんとにその道のことを知りなくなったら紹介するからいつでも連絡してきてね。」

本当の気持ちでした。けれどそれは、どちらかというと夢に向かって道はいつだって開けているよ、と伝えたい気持ちのほうが大きかった。けれどここから物語は歩みはじめました。

「まさくん。あのね小学4年生の女の子からメールをもらったの。まさくんに紹介してもらったって。」
そうアトリエfuwariのひろみさんから連絡が来たのが数日後。もしかして、と思いながら書いてあったことを教えてもらうと、それは葉月ちゃんからでした。

嬉しかったなぁ。あのとき。
自分の意思と行動で未来を切り開こうとしているひとりの小学生に自分が勝手に希望を感じた瞬間でした。それからも葉月ちゃんはひろみさんと連絡を取り続けています。

fuwariの展示会に足を運んで、自分が書いたデザイン画を見てもらったりしたときにはぼくにも優しさあふれる写真が届いてとても嬉しかったのを覚えています。

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最近またひろみさんから連絡をもらいました。

ひろみさん「まさくん、葉月ちゃんのことなんだけれどね。今度は刺繍を自分でしたボタンをつくって売って、その売り上げを寄付するんだって。」

ぼく「へーすごいね!それでいつ販売するの?」

ひろみさん「秋だって。」

ぼく「え?いまつくってるのに秋に販売するの?」

話を聞けば、彼女は春に開催されるカフェの手づくり市に出て、そのボタンを販売するつもりだったのだけれど、コロナの影響でその市が秋に延期になってしまったとのこと。彼女のいまこうしたいと思っているその気持ちと行動を「いま」カタチにしてあげたいあなぁ。と思ってひろみさんと話しました。

条件は【自分もしくは家族で完結できるかたちで彼女のボタンを販売すること】
そこは、実際にものをつくったり売ったりしているひろみさんとぼくとで決めたことでした。お客さんとやりとりして、最後お客さんのもとにボタンが届くまでを自分たちでやること。その世界をまるごと体験することは、きっと必要だし大きなことだから。

けれどお母さんも働いてらっしゃるし、そこは正直ハードルだろうなと思いました。
これで進まなかったらしょうがない。けれどそのスタンスを守る。
そうしてしばらく待っていたら、葉月ちゃんのお母さんから準備ができました。
と連絡が来た。葉月ちゃんが書いたお手紙の画像も一緒に。

このボタンは、葉月ちゃん、妹さん、そしてご家族みんなでつくりあげられたものです。
それは見方によったらパーツなのかもしれないけれど、それ以上に思いの詰まった彼女たちの夢の滴だと思うのです。

送料込みで500円だそうです。数は少ないけれど、彼女たちの思いがこれを自分の手元に置きたいと思えるひとたち、そしてその寄付を受けるひとたちにも届きますように。

*これはinstagramgのポストの文章を転載し、写真を加えたものです。ボタンは記事を出したあとすぐに売り切れたそうです。ほんとによかった。

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