#02 ダイヤモンドの「TypeⅡ(タイプ2)」に思うこと



ダイヤモンドには、大きく分けて2つの種類があるのをご存知ですか?


1つ目は「TypeⅠ(タイプ1)」と呼ばれる、ダイヤモンドの黄色味(D

~Nカラー、ベリーライトイエローなど)の原因となる窒素(N)を不純物として含むダイヤモンド。


2つ目は「TypeⅡ(タイプ2)」と呼ばれる、上記の窒素をほとんど、あるいは全く含まないかなり希少な種類のダイヤモンド。


上記の2種類に大別されます。

出現する色合いは原因によって重複する部分も多いのですが、


○「TypeⅠ(タイプ1)」・・・無色~イエロー系、ピンク、褐色、オレンジ色等々全般。全産出量の90%はこちらに分類される。


○「TypeⅡ(タイプ2)」・・・無色、ピンク、褐色、ブルーなど。


が、主な出現する色合いになります。

ただ、宝石の色の原因は他元素が不純物として混ざることが原因だけではありません。

たとえば、上記のようにタイプ1と2のダイヤモンドにピンク色と褐色が同じように出現する理由としては、不純物ではなく「結晶そのもののゆがみ」が原因だったりと自然界ならではの画一的ではない理由が存在しています。


私たちが通常目にするダイヤモンドは、Dカラーのものも含めていわゆる「TypeⅠ(タイプ1)」に分類されているダイヤモンドですね。

個人的な見解としては、このタイプ1のタイプのダイヤモンドのDカラーにも幅というものがあり、限りなくカラーレスなDカラーと、EカラーよりのDカラーというものが存在していると思います。(トップとボトムという言い方をします)それはEカラー、Fカラー、・・・とそれぞれそうで、そのグレードの一ランク上に限りなく近いカラーを「○カラーのトップ」、一ランク下に限りなく近いカラーを「○カラーのボトム」と呼んだりします。


それはさておいて、今人気で話題の「TypeⅡ(タイプ2)」ダイヤモンドについてちょっと思ったことを書きたいと思います。

このタイプ2だけを扱ったダイヤモンド専門店もあるようで、私がこの業界には行った頃よりもエンドユーザー様でこの部分にこだわられる方も増えてきた印象です。

前回の記事で私は書いているのですが、「肉眼ではほとんんど色の差は分からない」と多少のグレードの上下では思うのですが、この「TypeⅡ(タイプ2)」のダイヤモンドはちょっとレベルが違います。


肉眼で見たとき・・・ルーペで中を覗いたとき・・・それと分かるのです!これは別に、宝石鑑定士ではなくても分かると断言できます。

カラーレスなのに若干青みを帯びているような輝きで、「透明よりももっと透明」といった印象です。(青みを帯びているというのは比喩で、後述の「紫外線蛍光」とは別です)

内部をルーペで覗くと、まるでファセット面(カット面のこと)で私たちの世界と内面を隔絶するような断固としたクリアさがあり、静謐があり、不浄の世界が広がっているような印象を受けます。何ものも不可侵な、神秘的な世界があの小さな粒の中に揺るぎなく存在しているのです。


前述したように、ダイヤモンドのほとんどは「TypeⅠ(タイプ1)」に分類されます。その中で、もしDカラーにこだわりたい方がいらっしゃったら、「TypeⅡ(タイプ2)」を探し求めてみても面白いかもしれません。かなりレアな存在になるので縁ある出会いになるとは思うのですが、きっと「なるほどね」と思っていただける美しさだと思います。


※カラーの原因は様々なので、「TypeⅡ(タイプ2)」のダイヤモンドでもEカラー以下のイエロー系のダイヤモンドも存在します。


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