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生命を授かった、ぬいぐるみ達

部屋にあるぬいぐるみたちとわたしは今、
お話をしようとしているが、
それは、まだ始まってはいない。

大きなシナモンは遠くを見ている。
わたしが「あなたにはなにが見えるの?」
そう尋ねるのを待っている。

わたしはその一言を躊躇う。
それを言ってしまったらシナモンと会話が始まってしまうからだ。

パンプキンの服を着たシナモンは言う。
「僕はお菓子が大好きなんだよ。きみもでしょ??」
わたしはその問いに返事が出来ない。
理由はさっきと同じだ。
朝までコースのおしゃべり会が始まってしまうからだ。

レモンの服を着たシナモンはこう言う。
「あぱー。」マヌケズラした顔で。
わたしも同じセフリを言いたい。
一緒になってアホになりたい。

でも全部してしまったらわたしはもう、戻れない気がして出来ない。

膝の上にいるスヌーピーはこう言う。
「大丈夫だよ、怖くないよ、こっちはとっても楽しいよ。ほら、おいで。」
わたしは言いたい。
「わかった!!!そっちでお話しようね。そっちに行くね。」
でも言えない。

今生きている世界から離脱して、違う世界へ飛んでしまったらもう戻れない。この世界には。

そう私の中の自分が自制させる。

このような体験は正直、今までなかった。

誰かに見られてる、視線を感じる、そうのような類の不安感、恐怖感は体験したことは多いにある。

だが、今は違う。
わたしはとても満たされている。安心するのだ。
この部屋の中の物達が生きているのを実感している。
そこに安らぎすら感じる。

だけど、今までの経験上、満たされている気持ちや、安堵は何時までも続かないのは分かりきっている。

この子の達がいつか牙を剥く。
わたしを攻撃し始めることを。
それはとてつもない怖い事で、恐ろしいことだ。

それだけを避けるにはやはり、わたしは頓服を飲み、noteにアウトプットする。

寝るのが一番効果的だから、
早く眠りについてしまいたい。

夢の中ならあなた達とお話たくさんできるから。

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