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あっという間の3日間

東京の娘が、彼氏を連れてやって来た。2年半程のお付き合いで、お噂はかねがね、という感じではあるが、距離も離れているので今回が初めましてである。ちょっと緊張して迎えたが、正直で裏表なく悪気なく遠慮なく、ニコニコとものを言い、偉そうなところもへつらうようなところもなく、実に自然体で、スッと懐に入ってくる人柄に、こちらも肩の力がスッと抜けた。

丸一日遊べるのは中一日だけ。天草に行ってみたいなあ、というリクエストだったが、連休で、阿蘇に次いで渋滞が予想される観光スポットなので、ちょっと頭を切り替えて、同じ海を反対側から見てみよう、と芦北方面に向かうことにした。

末娘と四年前に日帰り旅行をした、楽しい思い出の芦北の海。同じ場所で写真を撮ることができ、そこは大満足。が、途中では、確かすごく楽しいゴーカートのコースがあった、という心許ない記憶と適当な検索で人吉のゴーカート場に向かい、3回分の券をそれぞれ買って、一度走った段階で、あ、ここじゃなかったな、と気付いて、一時間半かけて別のゴーカート場に大移動、さらにそこも微妙に違うぞ、とまたさらに16分かけて移動する、というハプニングがあった。しかも、お目当てのゴーカートは現在閉鎖していて、完全なる無駄足になってしまった。それでも、そのハプニングも丸ごと楽しみ、運転する私の眠気覚ましになるようなクイズで車中を盛り上げてくれる2人で、いいカップルだなと感心した。

帰宅すると、その日の夜は末娘とその彼氏、甥っ子とその彼女も招いて家で食事会をするので、準備も手伝ってもらった。トルティーヤの生地にカレー、プルコギビーフ、玉ねぎなどを好きなようにトッピングして、チーズをかけて、ピザのようにするのを担当してもらった。実に楽しそうに手伝ってくれる。食事会でも、全く違和感なく溶け込んで、リラックスしている。

娘はどちらかと言うと真面目で人見知りをする方だが、彼の影響を受けて、だいぶ柔らかくていい感じになってきたように思う。お年頃なので、ちゃんと将来の話を、という思いも娘にはあるようだ。彼の様子を見ていると、まだまだ型にはまらず、2人でいられればいいんじゃない?とのんびり構えているみたい。そんな対称的なところも、実は長く付き合っていくのに面白くて良いように思う。

あっという間の3日間を過ごして、2人は空港の出発ロビーの中に仲良く吸い込まれていった。楽しかった、また来たい、という彼の感想が程なく届く。次に来る時には、念願のゴーカートに乗ろうね、と送った。彼らを見送って、夜寝る前に、ちょっと寂しくて、いつもは飲まない梅酒の炭酸割りを飲み、いつもは控えているけど一口煎餅やクッキーもバリバリ頬張った。これから一週間は、念のため自宅に引きこもる予定。こちらの方は、長く感じてしまいそう…

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