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「読みたい」の地層 - 2

「この本が、自分に未知の何かを教えてくれる」「特別な感情を湧き上がらせてくれる」「ここではないどこかへ連れて行ってくれる」「もしかしたら自分を変えてくれる」「あるいは成長させてくれる」そういったポジティブな予感の集積によって、本は積み上がっていくのだ。自分は元々ネガティブな人間ではあるのだけど、世界に対して肯定的でなければその衝動は起こり得ない。だからこそ大事にしたいと思うのだ。」(施川ユウキ『バーナード嬢曰く。②』、p.44)


「読みたい」という気持ちは、積み重なっていつの間にか層になる。その層は、それこそ地層のように、いつか振り返ったとき、その時の自分を知る手がかりになるかもしれない。

今ご覧いただいているのは、読みたいと思った本と、そのときの気持ちを記録する極私的ジャーナルです。


蜂蜜と遠雷(恩田陸、幻冬舎文庫)


発刊当時結構話題になっていたし、映画も評判がよかったようなので、ずっと気になっている一冊。恩田陸作品は大学1年生の時に『夜のピクニック』を買い、そして途中で投げ出したのだが、本書で恩田陸再入門したいなと思っていた(なぜ途中で投げ出したのか、もう覚えていない)。ただ、上下巻で結構ボリュームあるし、読むなら一気読みしたいから時間ができたときに・・・と思い続けていつまでたっても読む機会は訪れないといういつものパターン。

Kindle Unlimitedで見城徹の『読書という荒野』をパラパラ読んでいたところ、「誰にでも読むことを強くおすすめしている本」としてあげられていたのが本書。この『読書という荒野』自体は相当好みが分かれるアクの強い?本(と著者)なのだが、そのアクの強い著者が「これほどまでに面白くて感動的な作品はなかなかない」というから、あらためて気になってしまった。


邪宗門(高橋和巳、河出文庫)

こちらも見城徹の『読書という荒野』で、著者が多大な影響を受けた作家・作品としてあげていたもの。高橋和巳も読みたい読みたいと思いながら、今まで未読だった。ので、入門はこの本からにしようかしら、と思った。のだが、『蜂蜜と遠雷』同様、上下巻で結構ボリューm(以下略)。


美術手帖 2020年2月号(美術出版社)

特集は「アニメーションの創造力」。2010年代を日本アニメーション史のひとつの転換点と捉え、制作技術やコンテンツについて語られている・・・らしい。

私はアニメーション好きなので、特集からして、発売当初から気になっていた。が、今まで購入するタイミングを逃し続けている。先日先日、SPBS(Shibuya Publishing & Book Sellers)でみつけて手に取ったのに、なぜかその時は、本に呼ばれてないような気がして棚に戻してしまった・・・!


Blockchain Handbook for Digital Identity 2018 vol.1(黒鳥社)

こちらもSPBSでみて、いいなあと。ブロックチェーンに関心を持って、いくつかの本を読んでいるのだが、本書はハンドブックというだけあって薄く、しかしブロックチェーンの要点をコンパクトにまとめている(ように、私には見えた)。た


デザインのひきだし39(グラフィック社編集部)

先週末渋谷パルコで開催されていた「本屋さん、あつまる。」で青山ブックセンターのブースに置いてあったのをみて、めちゃくちゃ欲しくなった。しかし、その時点で荷物を結構抱えており、本書は(付録がついてて)大変分厚いので、断念した・・・。


シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成(安宅和人、NewPicksパブリッシング)

TSUTAYA渋谷に寄った際、ちょっとだけ立ち読み。今日起こっている様々な変化をマクロな視点から捉え、目先の危機感にとらわれず、大きな視点から捉え直そうとしていて面白い。日本の行く先について、厳しくも希望の持てる書き方をしているところも、話題になるポイントか。今読んでいるいくつかの本を読み終わったら、手を出そうかなと思っている。


遅いインターネット(宇野常寛、NewsPicksパブリッシング)

Twitterでまいにち「#気になる新刊」を紹介している編集者、飯田光平さんのツイートを見て、「そう言えばこの本『シン・ニホン』の隣にあったな・・・」と思い出し、『シン・ニホン』とともに気になっている。

なお、今まで自分の日記やノートに書いていた読みたくなった本の記録を、こうして「読みたい地層」として(どっちにしろ誰もみていないであろう)noteに書くようになったのは、飯田さんの怒涛の新刊紹介に影響されたから、というのも理由の一つ。


こうみると、今週は見城徹と渋谷に刺激を受けた一週間だったらしい・・・。


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