気軽においしくお茶を飲みたい
日曜日のお茶習慣
毎週日曜日の午後に、NHKラジオの『まいにちハングル講座』の一週間分再放送を聞くのが日課(週課?)になっている。と同時に、始まる前にお茶を入れて一息ついてから勉強頑張る、というサイクルも定着していた。
最近飲んでいたお茶はこちら。いわゆる深蒸し煎茶で、渋みが少なく、ほんのりと甘味があっておいしい。
急須は100円ショップ(の300円商品)で買ったやつで、茶こしがついていないため、お茶パック(こんな感じの)に茶葉を入れて飲んでいた。自分もパートナーも、お茶に関してはほとんどこだわりがなく、二人で週一回飲む程度なので、この程度でおおむね満足していた。
もうちょっとおいしくお茶を飲んでみたい
ただ、茶器(特に急須)とか、入れ方とか、茶葉とかいろいろこだわると、もっとおいしくお茶が飲めるんじゃないか、と思い始めた。とはいえ、お茶について全然知らない自分でも、お茶の世界の深遠さはなんとなくわかる。いろいろこだわろうとするとキリがないし、あまりの深さに途中で「お茶なんて面倒くさい、水でいい南アルプスの天然水最高!!」となってしまっても、もったいない。私が望むのは、(そんなに頑張って準備しない程度に)気軽に(超絶美味!みたいなのはいいいから日常の中に、あ、おいしいねーみたいな会話が出るくらい)おいしいお茶を飲みたい、ということだ(ある程度おいしい、というのを実現するためにいろんな人が頑張っているのはわかっているが・・・)。
そんなことを考えていたところ、パートナーから「誕生日が近いけど何か欲しいものある?」と言われたので、「急須」と答えた。とりあえず、お茶環境の改善は、それを入れる道具から、ということで。
急須探し
じゃあ、どんな急須がほしいの?リクエストしてくれれば買うよ、と言われたものの、急須のことなんてよくわからない。しかも、東京にでも出て、実物いろいろ見て探しに行こうと思ったら、外出自粛要請だ。
しかたなく、ネットでちょこちょこと情報収集を始め、ある程度「こんな感じのがいい」というイメージができた。
・愛知県常滑市を中心に知多半島で生産される「常滑焼」急須がいいらしい。朱色のものが代表的で、朱色の元となる酸化鉄とお茶のタンニンが反応し、お茶の渋みや苦みが取れてまろやかな味わいになるとかなんとか。
・蓋ずれがしないやつがいいらしい。
・実家で使っていた急須の茶こしはかご型(こういうの)だったけど、小さいカゴは茶葉が広がらず、お茶のおいしさを引き出せないらしい。
・茶こしの穴が大きかったり、茶こし部分の面積が小さかったりすると、深蒸し茶など茶葉が細かいお茶を入れるとき、不便らしい(漉しきれなかったり、つまったりするらしい)。
・そうすると帯網とか、底網急須が良さそうだけど、手入れが大変そう。
・あと、陶器と同じ素材で作られたセラメッシュ茶こし?が素敵(こんなやつ)。手入れはどちらにせよ気を使わなければならないようだが、網がない分、内部もシンプルになって気持ちいい。
・自分は左利きなので、横手の急須は使いにくい。左利き用として取手部分が普通の急須とは逆についているやつもあるらしいが、それだと右利きのパートナーが使いにくい。なので、「後手」がいい。
上のような情報を総合しつつ、素敵だなあと思えるもの、使っていて気持ちがよさそうなもの、という観点から、以下のものを選んだ。
常滑焼の特徴である朱泥ではなく烏泥だけど、ひと目見てこの色いい!と思ったので、それに素直に従った。あと、茶こし部分は「並細」と「極細」の2種類があり、深蒸し茶や玉露などに対応できるのはより穴が小さい「極細」と思ったが、こちらは製造停止中らしい。
いいものは、いい
お店に行って実物を見てから買いたかったが、現状では難しいので、インターネット通販で購入。届いた実物を見ると、思ったより小さく、軽い。そして、思った通り、烏泥の質感が素敵。茶こし部分も十分に細かく、安心した。そして、後手。今まで無理して右手で急須を持って淹れていたので、左手で持てるということで、こんなにも使いやすいとは・・・。
近所のお茶屋さんで新茶(煎茶)を購入し、さっそく入れてみる。今まで小さいお茶パックを使っていたからわからなかったが、茶葉がふわーっと急須の中で開く様を見て、なんとも言えない充実感を得る。
なお、肝心のお茶の味だが、やや茶葉を入れすぎ、お茶袋をしまっている間に時間が経ち過ぎ、濃くなった。
それでも、急須は軽いし、それでいて蓋がずれないので入れやすいし(今までの300円急須は、蓋がピシッと閉まらず、ガタガタした)、そして炻器のざらっとした感触がたまらない。焼き物のことは何にも知らないが、それでも、いいものは、いいとわかる。
いつものようにごちゃごちゃした台所でお茶を入れているのは変わらないが、その時間は確実に前とは違うものになった。
せっかくの新茶なので、捨てずに食べることにする。そのまま食べても、苦味はほとんどなく、むしろほのかな甘さが感じられて十分においしい。残りはおひたしに。
せっかくの新茶シーズンなので、取り寄せができるいろいろなお茶を見ていると、あれもこれも、飲んでみたくなる。「シングルオリジン」など、新しいお茶の楽しみ方が提案されていたり、ペットボトルのお茶全盛の今日において、「急須でお茶を淹れる」ことが「新しさ」となり、一部で盛り上がりを見せているようだ。
また、外出自粛や店舗休業要請などによって、収穫されたばかりの新茶が消費者に届かないという課題もあるようで、それに対してクラウドファウンディングも立ち上がっている。
この流れに乗ってお茶の楽しみ方を、(気軽と思える範囲で)いろいろ試してみたい。
お茶、これは楽しいかもしれないぞ・・・という気分になっているところ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?