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「読みたい」の地層-2020.03-1

「この本が、自分に未知の何かを教えてくれる」「特別な感情を湧き上がらせてくれる」「ここではないどこかへ連れて行ってくれる」「もしかしたら自分を変えてくれる」「あるいは成長させてくれる」そういったポジティブな予感の集積によって、本は積み上がっていくのだ。自分は元々ネガティブな人間ではあるのだけど、世界に対して肯定的でなければその衝動は起こり得ない。だからこそ大事にしたいと思うのだ。」(施川ユウキ『バーナード嬢曰く。②』、p.44)


「読みたい」という気持ちは、積み重なっていつの間にか層になる。その層は、それこそ地層のように、いつか振り返ったとき、その時の自分を知る手がかりになるかもしれない。

今ご覧いただいているのは、読みたいと思った本と、そのときの気持ちを記録する極私的ジャーナルです。

劇場版「SHIROBAKO」

「読みたい」の地層と言いつつ、いきなり本ではなくて映画なのだが。

2014〜2015年に放送されたTVアニメ版をdアニメで一気見し、第23話では小学生の時観たポケモン(「ポリゴンショック」後のアニメ再開後初回「ピカチュウのもり」)以来、久しぶりにアニメで号泣した、思い出深い(?)作品。劇場版が公開されることは知っていたのだが、その後情報を追えてなかったこともあり、公開日をまったく承知していなかった。先日たまたまTwitterを見ていたら、話題のハッシュタグとして#shirobakoが上がっており、見てみると、その日が公開日だった(2月29日)。

観にいきたい。観ればみゃー森らすてきなキャラクターたちの、アニメにかける情熱を感じて絶対幸せな気分になれることはわかっている。予告版でみゃー森たちが動いているのを観ているだけで、TVアニメ版みたときの感動がよみがえり嬉しく楽しくなる。ただ、なかなか簡単に映画を見に行こうと思える社会情勢じゃないのが残念(映画館が営業さえしていれば、むしろ空いているのかもしれないが)。

みゃー森に会いたい!


1917 命をかけた伝令

二つ目も映画。

アカデミー賞でも作品賞有力候補になっていて、ずっと気になっていた『1917 命をかけた伝令』。いつもラジオクラウドで聴いているアフター6ジャンクションのコーナー「週刊映画時評 ムービーウォッチメン」で今週、宇多丸さんが紹介していたし、木曜日の荻上チキsession-22のオープニングトークでもチキさんが「映画らしい映画」だと言及していたしていた。この映画は撮影技術(ワンカットに見える撮り方)が話題になっているので、映画館で、さらにiMaxやドルビーシネマで見たいなあと思い直しているところ。

ただ、映画は2時間トイレを我慢するため、水分摂取量のコントロールが大変なんだよなあ・・・(2時間の間に、結構トイレに行きたくなるタイプ)。


カラー版 - 近代絵画史(上) 増補版 - ロマン主義、印象派、ゴッホ(高階秀爾著、中公新書)

こちらもアフター6ジャンクション経由。3月5日のカルチャートークのコーナーで、アイドルグループ「アンジュルム」の元リーダー、和田彩花さんが「自宅でも楽しめるおすすめの美術本」として紹介していた一冊。もともと高階先生の『近代絵画史』(上下巻)は『名画を見る眼』『続 名画を見る眼』とともに、美術の歴史をおいながら、そのなかに個々の作品や画家がどう位置づけられるかをわかりやすく解説した名著で、私に美術の見方(の入り口)を示してくれた本だ。そのカラー版が出ていたのは見落としていた・・・。

高階先生の分かりやすい解説が際立つ旧版も、名著中の名著。それに個々の作品のカラー写真がついていたら、控えめに言って最強ではないか、ということで購入リスト入り。


つらいと言えない人がマインドフルネスとスキーマ療法をやってみた。(伊藤絵美著、医学書院)

荻上チキさんがYouTube上でおすすめの本を紹介する「Chiki's Library」。そこで取り上げられていたのが本書。認知行動療法のエッセンスと、認知行動療法の最先端の取り組みである「スキーマ療法」を紹介しており、科学的根拠に裏付けされつつ読みやすい本に仕上がっている、とのこと。

つらいと言えない人なので、これは私の読むべき本でしょう。


今週は、アトロクとsession-22と、荻上チキさんに影響受けた一週間だったということがよくわかる・・・。毎日ラジオクラウドで両番組を聴いているし、荻上チキさんに関しては、彼の出ているメディアを追いかけて観たり聴いたりしているので、接触量からして当然と言えば当然なのだが。



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