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サラリーマン増税「は」考えていないと言われても油断しない方が良い理由

早期退職アドバイザー 金刺 知徳の公式ブログ
42歳でサイドFIREを達成した個人投資家の金刺が、お金に関するニュースを取り上げ、経済的自由を得るため、生活が豊かになるため"ちょっとした"ヒントや考えを書いていきます。

先日、岸田総理大臣が「自分が全く考えていないサラリーマン増税について報道があるが、党税調はどうなのか?」と語り、宮沢氏が「党税調でもそういう話しは議論していない」と答えたという報道がなされた。
 
この報道から「サラリーマン増税は無いのか!よかった!」という安堵の声が一部で見られたが、気を抜きすぎた。
 
考えていないのはあくまでも“サラリーマン増税”であり、そもそも話し合いの時にサラリーマン増税という単語が出なければそういった議論にはならない。
 
後日松野官房長官が「サラリーマンへの増税を前提としたものではない」と口を滑らせたが、この発言から「サラリーマン増税というつもりで増税を検討しているつもりは無いが、そういった類の増税は考えている」のが解る。
 
ちっとも油断できない。
 
今回は「サラリーマン増税」というパワーワードがネットを席巻し、多くの人が岸田政権を否定し、支持率が落ちた事で、政治家の目に留まり「サラリーマン狙い撃ちの増税は考えていない」という発言を引き出すことはできた。

大収穫だ。

だが、ここで満足してはいけない。
 
彼らから引き出すべき発言は「後ろ〇〇年間、歳出増に対し、税率の上昇、および所得控除額の削減等を一切行わない」である。
 
逆にここまで言わせなければ増税されると思っていいだろう。

■2025年は赤字になるので増税という流れを作ろうとしている


 2022年は予算に対し大幅税収増で黒字。
 
つまりお金に余裕があるので、多少の予算増にも耐えられる。
 
2023年もその流れを引き継いでいる。
 
原因はGDPの成長率にある。
基本GDPが成長していれば前年よりも税収は増える。
 
そのはずだが、岸田政権はGDPが成長しているのにも関わらず何故か税収が減るという報告をしているのだ。
 
馬鹿馬鹿しい。
 
このレベルでは算数が出来ない人くらいしか騙せない。
 
彼らはまた私たちに嘘をついて増税の理由にしようとしているのだ。
 
因みにGDPが成長していて税収を減らしたいなら減税すればいい。
 
そのつもりが無いくせにこんな報告が出来るなんて天性の詐欺師である。
 
あとコロナが5類になったのに予算が減ってないのはいかがなものか?岸田政権はお金の使い方が下手過ぎるのではないだろうか?

■発言は「どんな内容だったのか?」ではなく文字に起こした時にどうか?を考える


彼らの中の「言っていない」の定義は「一言一句違えた事を言っていない」であり、言質をとれたとしても簡単に無効にされる。
 
例えば今回の「サラリーマンを想定した増税は考えていない」という発言を考えてみよう。
 
仮にこの発言の後、増税をしたとする。
 
そして“結果的に”サラリーマンにも影響が出て増税により可処分所得が減ったとしよう。
 
この時に「サラリーマン増税は考えていないと言っていたではないか!」というのは彼らにとって意味のない事なのです。
 
何故ならあくまでも“サラリーマンを想定して増税したわけではないけれど、サラリーマンにも影響が出てしまった”であり、嘘をついているわけではないからです。
 
詭弁だ!という人もいるだろう。
 
怒りを感じる人もいるだろう。
 
ただこれは彼らの中では普通の事だし、そのような発言になるように事前に練られている。
 
世の中にはこのような発言を考えるコンサルタントが存在するくらいなので、全てを疑えとは言わないが、詭弁に対して耐性を持っていた方がいい。
 
誤解するのは誤解する側の勝手なので、誤解する方が悪いという考え方が普通に通る世界だと考えておこう。

■自分にとって都合が良さそうな発言は警戒する


 人を疑う事は嫌だというなら、せめて言葉の意味の違いだけでも確認しておいた方がいい。
 
人間は自分にとって都合の良い事はポジティブに考え、都合の悪い事はネガティブに考える傾向がある。
 
このありふれた反応は実に利用しやすい。
 
例えば「考えていない」と「やらない」という言葉について考えてみよう。
 
「増税は考えていない=増税はやらない」は成立するだろうか?
 
答えは「NO」である。
 
何故なら「単位」が違う。
 
考えていない人がやらない場合「考えていないからやらない」と言い切る必要がある。
 
面倒だとは思うが、嘘をついていないというのが重要なので、この辺の詭弁は頻繁に使てくると考えていい。

■条件や時間の概念が無いものはノーカウント


人の気持ちは移ろうものである。
 
昨日お肉が食べたいと思っていても、今日魚が食べたいと思うかもしれない。
 
なので昨日増税を考えていなくても、今日増税を考えるかもしれない。
 
この様に「時間」の概念は物凄く大事なのである。
 
「(今は)増税を考えていない」が「明日は考えているかもしれない」くらいの事を想定しておかないとダメだ。
 
“これは騙している訳ではなく、人間であれば普通に起こる事だ”。
 
というのを意図的に利用する事だってある。
 
期限や条件のない発言はほぼ無効だと思っていい。
 
「2035年まで」とか「デフレーターが+2%で5年間維持出来て、賃金の伸びが+3%で安定したら」とか期限や条件を設定する必要がある。
 
 
何故私がこんなことに詳しいかというと、ある企業のセールス部門に勤めていた時に顧客開拓のため研修でこのスキルを授かったからだ。
 
お陰でセールスの成績はすこぶるよかったが、妻から詐欺師といわれてこのスキルをセールスで使うのを封印しました(結果年収は半分以下になりましたが)。
 
これについて否定してくる人もいるだろうが、そういう人達は“現役”の人間で、知られてしまうとまずい人達なので気にしないようにしよう。
 
 
因みにこのスキル、マーケット分析にも大いに役に立ちます。
 
というか、これでマーケットの行く末を予想してポートフォリオを構築していると言っても過言ではないです。


 
ではでは・・・・

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