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3冊目。

新しく手に取った本があまり気分じゃなくて結局既読本に手を出した読書生活。一応続いてる。


3冊目


武田綾乃著
『響け!ユーフォニアム
  北宇治高校吹奏楽部、波乱の第ニ楽章 前編』


響け!ユーフォニアムを好きな人間としか仲良くなれない。まじで大好きな作品です。


頑張るって

前編の感想をちょっとだけ。

下手な先輩は、存在自体が罪ですよ。

響け!ユーフォニアム             
北宇治高校吹奏楽部、波乱の第ニ楽章 前編


一番強烈だったのはこの台詞かなあ。
終盤のオーディションのやり取りまで久石奏という人物が全く掴めなかった。
なんだこの1年ってずっと思ってた。

だけどここでオーディションや夏紀に対する想いを吐露した久石奏の姿を見て、ああ一人の人間なんだなって思った。

久石奏まじでいいキャラしてんだよな〜〜〜。個人的には最終楽章での久石奏がめちゃくちゃ好き。


頑張るって、何ですか。

響け!ユーフォニアム             
北宇治高校吹奏楽部、波乱の第ニ楽章 前編


これも強烈な一言だった。
2019年に公開された劇場アニメと原作とでかなり違うシーンだけど共通して言えるのは久石奏に対する救いの手かな、と。

頑張っても頑張ってもその頑張りを正当に認めて貰えなかった経験を持つ奏から出てきた言葉。
苦しいな、と思う。
頑張るって、苦しい。

だからこそ、久美子と夏紀と奏のやり取りがめちゃくちゃ好きだな。


部長:吉川優子


第ニ楽章自体については好きな話がわりと後編につまってるのでそっちでもっとちゃんと書きます。

かといってこのまま終わらせてしまうのも物足りないので私が大好きな吉川優子ちゃんについて少し語ります。怪文書です。


たぶん私が吉川優子を好きになったのって、彼女がどこまでも誰かのために本気で行動できる女の子だからだと思います。

誰かのために、本気で怒って泣いて笑って。そんなことができてしまう吉川優子が大好きです。
名前の通り、本当に本当に優しい子なんです。

少し話がそれますが、吉川優子ってやっぱり怖いとか嫌な先輩ってイメージを持たれやすいと思うんですよね。まあ久美子1年生時のオーディションであれだけ派手にぶつかればそう思うのも無理ないんですが。

あの件に関して優子は一貫して私は間違っていないという立場を主張していました。

著書の武田先生に同意するような形になってしまいますが、私も同じように考えています。
というかあのオーディションに関しては本当の悪者っていなかったと思うんですよね。

香織先輩に吹いてほしいという優子の主張も、オーディションで選ばれたのは私だ、上手いほうが吹くべきだという麗奈の主張も正しい。

誰も悪くないし、誰も間違っていなかった。


ただそう思えるようになったのって、最終楽章を読んでからだったんですよね。

「吹かないです」と言った香織の気持ちと声を上げて泣きじゃくった優子の気持ちを、私は最終楽章を読んで初めて分かったような気がします。

逆にいえばそれまで本当の意味で、あのオーディシ ョンの結果の意味を理解できていなかったということでもあります。

「あなたがソロです。中世古さんではなく、あなたがソロを吹く」

響け!ユーフォニアム    
北宇治高校吹奏楽部へようこそ

滝先生のこの言葉が重くのしかかりました。
なんて重い言葉なんだろう、と。

このことに関してはまた最終楽章を読んでから書こうと思います。


前編の好きなシーンとして、高坂麗奈の吉川優子に対する評価が垣間見える瞬間が挙げられます。

不穏な単語に首を傾げると、希美は肩を揺らしながら苦笑した。
「いや、悪口とかじゃないねんけどさ。有能な人を基準に組織作りしてると、その有能な人間がおらんくなった途端にいろいろとしんどくなるなって話」「優子先輩は有能やと思いますけど」
無表情のまま、麗奈が不満そうな声を上げる。

響け!ユーフォニアム             
 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第ニ楽章 前編


優子と麗奈ってオーディションの件もあったし普通に考えたら上手くやっていけるかどうか微妙な関係じゃないですか。

でも麗奈ってちゃんと、というのも変ですけど優子のことを頼りにしてるし優子のことを尊敬してるんですよね。

これは完全に私的見解ですけど高坂麗奈は吉川優子のことが大好きだと思っています。私的見解ですが。(大事なことなので2回)

それって一重に吉川優子の人柄のおかげだと思うんですよね。

もちろん麗奈が自分の悪い所を素直に謝れるような真っ直ぐさを持った良い子だからってのはあると思う。(真っ直ぐすぎるところはあるが)

でも麗奈は、嫌いな人や興味ない人に尊敬の念を抱くような子ではないじゃないですか。
そんな麗奈が真っ先に「優子先輩は有能やと思いますけど」って声を上げるってことはそれだけ優子のことを信頼してるって証だし、優子が信頼されるに値するほどの人柄を持つ人物であるという証だと思うんですよね。

この作品は基本久美子の視点から語られるわけで。

だから作品内で描かれている優子と麗奈の関係性って外(久美子)から見た関係性なんですよね。
優子の麗奈に対する感情も、麗奈の優子に対する感情も決して多くは描かれていない。

それでもこういったふとした瞬間に二人の関係性が見えて、そこから推測される二人の関係性がすごく好きだなあと思いました。


話がまとまらなすぎるけどまとめます。

吉川優子はどこまでも献身的な人だと思っています。部長として、文字通り全てを北宇治高校吹奏楽部に尽くした人間だと思っています。だからこそ、だからこそ、後編でのあの結末がとても苦しかった。これについては後編読了後にまた書きます。



おわりに

響け!に関してはアニメから入った身なのでこの第二楽章も原作より先に誓いのフィナーレとリズと青い鳥を見ました。
どちらが良いという話をするつもりはありませんが、原作でしか描かれていない部分が多くあるのも事実です。
アニメで響け!を好きになった人にも是非読んでもらいたいですね。


これ、読書記録ってよりただの響け!のオタクの感想だよね。まあいいか。


伊達ちゃんは伊達ですがメガネは伊達じゃありません。


それではまた後編で👋
(最後のいらないだろ)