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舞台リコリス・リコイルにまた会えたお話。

舞台「リコリス・リコイル」Life won’t wait.を観劇して。
一部ネタバレ有りです。ただの感情つめ。



初演感想

インタビュー1

インタビュー2

インタビュー(初演)

ゲネプロ


■続編決定

まずこの話から。
2023年1月。舞台リコリス・リコイルが上演された時、とても大きな衝撃を受けました。初めて見る舞台という大きな力に圧倒され涙したあの日。舞台の上で生きる千束やたきなたちに、どうしようもなく心を奪われたあの日。劇場に足を踏み入れたときの空気感も、音楽も、景色も、あの日の記憶は今でも鮮明に思い出せます。
大千穐楽で井ノ上たきな役の本西彩希帆さんが「続編をやりたい」と言ったとき、その言葉にひどく心を打たれました。「続編をやる準備はできています」という言葉を聞いたとき、絶対に実現させたいと思いました。

その言葉から丁度1年が経った2024年1月15日。

こんなに嬉しいことはありませんでした。こんなに嬉しいお知らせ、あっていいのかな。
また舞台の上で生きる千束とたきなに会えることが何よりも嬉しかった。また舞台リコリス・リコイルに会えることが本当に嬉しかった。

この先、本当につらいシーンしかなくて、それを受け取るのはすごく怖くもあったけれど、でも舞台リコリコチームなら100%大丈夫だという確信がありました。
原作をすごくリスペクトして、大きな愛で丁寧に丁寧に作り上げてくれる舞台リコリコチームのことを私は100%信頼しています。
続編決定をこんなに嬉しく思えたのも、舞台リコリコのことを大好きにさせてくれたチームのみなさんのおかげでした。舞台リコリコがこんなにも愛される舞台になったのは、この舞台リコリコに携わった全ての人のおかげです。
この場でにはなりますが改めて感謝を伝えさせてください。
本当にありがとうございます。

■感想

まず言います。完璧でした。文句ひとつありません。
先ほども言いましたが、私は舞台リコリコチームを100%信頼しています。役者、脚本、演出、照明、劇伴。どれにおいても自分の期待値を超えてくれました。
高低差を利用したセットや演出も良かったですね。後半は塔を下りるものと塔を登るものの物語でもあるので。

〇実在性

舞台で生きる千束とたきなのお話。
初演の時にも散々言ったんだけど、そこに千束とたきながいるんです。千束とたきなだけじゃない。みんながそこにいる。紛れもない、彼女たちが舞台の上にいるんです。
その上で舞台って凄く面白いなと思うのが、やっぱり舞台とアニメではキャラクターのあり方がまた少し変わってくるということ。
そこにいるのは紛れもなく千束でたきななんだけれど、私が知っている千束とたきなとはまた違う一面を見せてくれるんです。

例えば千束。TVアニメの錦木千束は、明るくて天真爛漫で誰からも好かれるような存在。それでいて自分の本音は見せずにのらりくらりと交わす、飄々とした人間でもありました。
舞台の千束も本質は変わりません。底抜けに明るくて、でもその表情の裏にどこか儚さを持っている、そんな女の子でした。でも舞台の千束は、TVアニメの千束よりも本音を見せてくれるんです。
そこを特に感じたのが初演、TVアニメ7話のBAR Forbiddenの潜入し、吉松とミカの密会に立ち会ったときのシーン。TVアニメにはなかった「今はひとりにさせて」という台詞が加えられていました。
この一言で錦木千束という人間の見え方がすごく変わります。この一言から錦木千束の本当の想いが見えるんです。TVアニメの錦木千束はこの一言さえも吞み込んで包み隠す女の子でした。でも舞台の千束は少し違った。大きな違いです。でも不思議とそれでも千束は千束でした。ちゃんと錦木千束だったんです。

たきなもそう。
舞台のたきなは私が知るたきなよりももっと表情豊かで感情豊かなんです。
TVアニメの井ノ上たきなは感情のかの字も知らないような無機質な女の子だった。でも舞台の井ノ上たきなは色んな表情をもっていて、それをたくさん見せてくれる女の子だった。そんな舞台の上で生きる井ノ上たきなちゃんが私は大好きなんです。

〇脚本

言うまでもなく良。
アニメを再構築して作っているようなものなんですが、本当に上手い。ちゃんと物語のキーになる部分をとことん拾ってくれている。それを上手く再構築してるんですよね。
13話の冒頭部分から舞台が始まった時は驚きました。そこから見せてくるのかと。上手いです。一気に引き込んできますよね。台本欲しいです。ください。

〇劇伴

初演時同様、TVアニメの劇伴をちゃんと使ってくれました。初演時の感想でも書いたことなんですが、劇伴がアニメと共通なことですんなりと舞台の世界にも入っていけるんですよね。音楽って本当に大事。
個人的に嬉しかったのは、「リコリス・リコイルのテーマ」と「ハッカーロボ太」が使われていたこと。どちらも初演の時には使われていなかった劇伴です。
「リコリス・リコイルのテーマ」は、リコリコといえばやっぱりこれという劇伴ですね。絶対に外せない。一番好きな劇伴です。
「ハッカーロボ太」もすごく特徴的な劇伴。一度聞いただけでも耳に残る劇伴です。すごく好き。初演の時のロボ太は舞台オリジナルの劇伴で、あれも好きだったんだけどやっぱりロボ太といえばこれだよなーとなりました。

初演の感想でこんなことを言ってたら今回ちゃんと使われてて笑いました。
誰か私のnote読みました??

あとはやっぱり「お願い、間に合って!」かな~。
9話冒頭で使われている劇伴。初演の時と同様で、冒頭のピコピコ音だけ使われていました。
これを聞くと本編のどのシーンというわけではないんだけど、ただ千束に生きてほしくてがむしゃらに駆けずり回った井ノ上たきなちゃんのことを思い出して泣きそうになるんですよね。
「お願い、間に合って!」というのは、9話冒頭の千束の危機に間に合ってという想いと、その後の千束を生かすために一生懸命なたきなの想いの両方があると思うんですよ。
千束と過ごす2カ月よりも、千束を生かすために離れる選択をした井ノ上たきなのことを思うと毎回泣きたくなります。
この「お願い、間に合って!」はそんなたきなの一生懸命な想いを、ひたむきな姿を思い出させる曲なんですね。だからこれがちゃんと舞台でも使われていたのは本当に良かった。井ノ上たきなのテーマソングだと思っています。

〇リコリス・リコイル感想戦

オタクくん感想垂れ流しタイム。思いついたこと、思い出したことを延々と垂れ流します。

「心臓が逃げる」

本当に重い言葉。本当に重いシーン。
続編が決定したときから、ずっと待っていた言葉。一番聞きたくなかった言葉。

これ、半分本当で半分嘘。
楽しみになんかできなかった。もちろん期待はあったよ。本西さんがどんな風に演じるんだろう。どんな姿を見せてくれるんだろうっていう。
だけどそれを楽しみだと思える余裕はなかった。それほどまでに重いシーンで重いセリフだから。
だってさ、どんな想いで「心臓が逃げる」って。どんな想いでこの言葉を発したんだと思う?
オタク間ではネタ扱いされることもあるセリフだけどさ、私はちっとも笑えない。
吉松のことを"心臓"と呼ぶほど、そう言い切ってしまうほど、千束に生きてほしいと願っていた井ノ上たきなの口から出た言葉だよ。それほどまでに切迫した想いなんだよ。
そうまでして、生き延びてほしいんだよ。
それなのに、それを他の誰でもない、錦木千束から止められるんだ。
「ヨシさんを殺して生きても、それはもう私じゃない」
その一言で、叫びながら、歪みながらも命を繋ごうとしていた井ノ上たきなの動きが止まるのが本当につらい。
「千束が死ぬのは嫌だ」
たきなの唯一の願いが、他の誰でもない錦木千束によって拒否されるのがなによりもつらい。
「ありがとう」じゃねえんだよ。ここの錦木だけは、いつまで経っても嫌いです。それはもう拒絶なんだよ。

ここのシーン、舞台で一番泣きました。
本当にダメなんだ。想いが溢れてきてしまった。
本西さんも、河内さんも、迫真の演技だった。
TVアニメで聞いた「心臓が逃げる」、リコイベの朗読劇で聞いた「心臓が逃げる」、舞台で聞いた「心臓が逃げる」、全部が頭から離れない。
本当に迫真の演技だった。迫真の一言だった。

その後の「千束が死ぬのは嫌だ」も本当につらかった。
アニメの消え入りそうな声とは違って、すごく心に真っ直ぐ突き刺さる「千束が死ぬのは嫌だ」だった。
舞台のたきなちゃんはすごく感情豊かで表情豊かな子だから、だからこそ真っ直ぐな言葉と真っ直ぐな想いが突き刺さった。
このセリフの前後で繰り返し発していた掠れた「嫌だ」と、こぼれ出る泣き声で本当に苦しかった。あまりにもつらくてどうにもならなかった。

千束の想いも痛かった。
ヨシさんに向けて銃弾を放つシーン。そのあとの叫び声。痛い。つらい。大嫌いだ。こんなシーン。
舞台の千束、憎めないんだよ。
私は「千束が死ぬのは嫌だ」に対して「ありがとう」って返した錦木千束が大嫌いです。
だけど、舞台の千束は、その「ありがとう」に至るまでの想いが色濃く、より鮮やかに、生々しく演じられている。よりダイレクトに表現されている。千束の気持ちがそのままに伝わってきて、だからどうしても恨むことなんかできなくて。だからこそつらいんだ。恨みたいのに、許したくないのに。千束だって、つらいのに。

「なにしようか、これから」

砂浜のシーンをやってくれた時点で私は泣いていた。思い入れしかないシーンだった。
聖地巡礼をした時に実際にこの目で見た景色が眼前に広がって、舞台の上の彼女たちとリンクした。
あの日、この目で見た景色と、今舞台の上で生きている彼女たちが重なった瞬間だった。
私は、リコリス・リコイルは「救世主 錦木千束」が死ぬ物語だと思っている。そして、錦木千束が生まれる物語だと思う。井ノ上たきなによって、錦木千束が生まれる物語だと思う。
「救世主」という生き方を捨てた錦木千束に、新たなものをくれたのは井ノ上たきなだった。
「諦めてたことから始めてみたらどうですか」
いつだってやりたいこと最優先の錦木千束が教えてくれたことだった。
千束がたきなに教えてくれたように、たきなも千束に与えてくれたんだ。生きる意味を、居場所を。
3話の逆構図。本当にきれいで美しい。どこまでも大好きだ。舞台でもTVアニメそのままに演じてくれた。本当にありがとう。
「言ってませんよそんなこと」のたきなちゃんもちょいアニメと違う感じで好きだった。
あの「めっちゃかわいい、ですよ」は救世主さんの気持ちに応えようと探し続ける千束がかわいいと思ったから発した言葉で、別にペンダントのことは褒めてないんですよね彼女。だから覚えてない。

「100年早いわッ!」

これも舞台で聞きたかった台詞なので本当に嬉しい。クルミの台詞で一番好き。まじでかっこいい。

「狂わされたな、お前も。あの子に」

ミカとシンジ。やっぱりここはね。ミカが銃を構えて、暗転して何も見えなくなってからの銃撃音。ちゃんとTVアニメをリスペクトしてくれてて本当に信頼の塊だった。

「いってきます」

9話ラストのたきなの台詞。ここも聖地巡礼してた場所なので感情がえげつなかった。ここでもたきなちゃんは登っていくんだよね。さすがに客席上がってきた時はびっくりしたけど。今日も本西彩希帆さんはかわいいねえ(IQ1)

「ひどいやつだ」

ここの演技、本当に100点満点。まじで求めてたものすぎた。

「浮かれてんじゃねーぞ」

ハワイのシーン、ちゃんとやってくれてよかった。
ハワイ衣装で出てきたたきなちゃんと千束を見た時になぜか号泣してた。本当に理由は分からない。
楠木さんからの電話で遊ぶ千束のアドリブでようやく笑えた。アドリブ自体はちょくちょくあったんだけど、いかんせん重い話がたくさんなのでとてもそんな気分にはなれなくて私は一つも笑えていなかったから。(ちゃんとおもしろかったです私の心が追いついていないだけで)
最後、楽しそうに笑う彼女たちを見れただけで私は良かったです。控えめにアロハしてる本西たきなちゃんが世界一かわいいです。
カテコもボロボロ泣いたなあ。「なにしようか、これから」で花の塔が流れた時点で泣いたし、ハワイシーン入った瞬間に泣いたし、もう一度花の塔が流れたところで泣いたし、千束とたきなが真ん中に来たところで泣いた。ずっと泣いてたわ。
というかALIVEでもボロ泣き。たきなちゃんが真ん中に来たところで、ああやっぱり後半は井ノ上たきなが駆け回る物語だよなあと思ったらもう止まらん。
というか、舞台リコリコにまた会えた喜びと嬉しさで初手からグダグダに泣いてた。そんなもん。

カテコのあとキャスト挨拶あると思ったら無くて悲しかったけど、でもこれこそ13話だよなと思った。ここでキャスト挨拶を挟んだらリコリス・リコイルではなくなってしまうなと。それが余計に終わりを感じさせて寂しかったんだけどね。
TVアニメの新作制作は決定しているけど、それが舞台化される保証はどこにもない。前回みたいに、続編をやりたいって声を上げて、動いてどうにかなるもんではないからね。
そう思うと、本当に一区切りかもなあなんて思う。でもなんか不思議と寂しさはなくて、いや嘘あるけど、でもやりきったなというか満足感というか、ここまでやってくれたことへの感謝が大きいからとりあえず舞台新作とかの話は私の中ではないかな。それ以前にまだ舞台完走してないしね。諸々の都合でもう行けないんだけど今回はそれでよかったかもしれない。何回も受け取れるほど心の余裕がない。重い話が多すぎて感情が追いつかないんだここ。TVアニメ9話以後、毎話泣いてたからね冗談抜きに。

というわけで私の舞台リコリス・リコイルはひとまずここでおしまい。舞台はまだ続くけどね。本西さんが走り切るまで私も走ってるよ。

■感謝

ありがとう。私の好きな言葉です。感謝は大事。
最後に感謝を叫びます。

まず舞台リコリコチーム。
本当にありがとうございます。初めての舞台が舞台リコリス・リコイルで本当によかった。そう思わせてくれた舞台リコリコチームに感謝です。
たくさんたくさん作品を愛してくれてありがとう。TVアニメを大切に大切にしてくれてありがとう。
キャストの皆さん、大切に、大切に演じてくれてありがとう。舞台の上で生きるあなたたちが本当に大好きです。

TVアニメ「リコリス・リコイル」。
そもそもこの作品自体を好きになっていなかったら今の全てがない。こんなにも好きになれたから、今がこんなにも楽しくて嬉しくて幸せ。舞台と出会えたのも、そもそもリコリコが大好きになれたから。ありがとうね、ほんと。

本西彩希帆さん。
あなたです。あなたがいなかったら今はありません。あなたがいたからここまで来れました。
リコリコが大好きで、でも舞台に行くのは怖くて、怖くて迷っていたあの時。
私を動かしたのは本西さんの言葉と想いと姿でした。あの日、本西さんと河内さんの対談記事を読んでいなかったら。あの日、稽古映像を見ていなかったら。そう思うと、すごくゾッとします。
他の誰でもダメだった。本西彩希帆さんだから、舞台の上で生きる井ノ上たきなちゃんのことも大好きになれた。大好きな大好きな井ノ上たきなちゃんのとを、もっと大好きになれた。
何様だよって感じだけど、たきなちゃんを演じたのが本西さんでよかったってやっぱり思いました。もう何度も思ってることだけど、それでもやっぱり思うよ。本西さんでよかったよ。
大好きな大好きな井ノ上たきなちゃんを、大切に大切に演じてくれてありがとう。寄り添ってくれてありがとう。側にいてくれてありがとう。本当にありがとう。また、ね。

千束とたきな。
私がリコリス・リコイルわ大好きになれたのは結局ここだからね。二人を大好きになれたからリコリコのことが大好きになった。舞台のことも大好きになった。だから本西さんにも出会えた。
もう言葉で説明できるもんじゃない。ただ好きなんだよな、この二人が。
いつまでも笑っていてくれ。幸せでいてくれ。ただそれだけ。

■おわりに

また舞台リコリコに会えて嬉しかった。
今の率直な想いを言葉にするのならば、これに尽きます。これが一番です。
舞台の上で生きるみんなに会えたこと、舞台の上で生きる千束に会えたこと、舞台の上で生きるたきなに会えたこと。これしかない。
彼女たちには舞台の上でしか会えないんです。映像に残すことはできる。記録することはできる。そこで見ることはできる。でも会うことはできない。私はそう思います。あの場、あの瞬間でしか会えない子たちだと思っています。
だからまた会えたことが本当に本当に嬉しかった。それしか言えない。
ずっとこの日を待ってたんだなって。やっとこの日を迎えられたんだなって。
とにかく嬉しかったです。それだけです。

小さくて大きなあの背中。
初演のときに見上げるだけだったあの背中。
まだ一人ぼっちだったあの背中。

あの景色を一生忘れない。
あの想いを一生忘れない。

井ノ上たきなちゃんが大好きです。
リコリス・リコイルが、本当に大好きです。