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【VALORANT】世界大会のデータでエコラウンドの重要性を分析

この記事を読むとわかること

  • VALORANTのエコラウンド取得本数と試合勝率の関係

  • VALORANTのエコラウンドの重要性

はじめに


こんにちは。皆さんはVALORANTをプレイしていて「今の試合あそこのエコラウンド取れてから流れ変わって勝てたね」みたいなシチュエーションに遭遇したことはありませんか?

実際「接戦の試合ではエコラウンドの取得本数が勝敗を決める」というのを聞いたことがあります。
そこで今回はVALORANTにおけるエコラウンドでのラウンド取得本数が試合の勝率にどのくらい影響を与えているのか、データをもとに考えていきたいと思います。

エコラウンドとは?


VALORANT Champions 2022 İstanbulよりZETA vs BMEの一幕

VALORANTをプレイしている方ならエコラウンドと言われれば何を指すのかわかる人も多いかと思いますが、ここでは改めてエコラウンドについて再確認したいと思います。

『エコラウンド』とはクレジットを節約して挑むラウンドのことを指していて、クレジットが少なく、スキル+武器(ヴァンダル、ファントム)+アーマーをすべて買う(フルバイ)ことが難しいラウンドで、次のラウンドでフルバイできるようにクレジットを調整しながら武器などの購入を行うラウンドのことです。

gamer's postより

といった説明になるのですが、これでは具体的にいくらからいくらまでがエコラウンドなのかこの説明だけではわかりません。なのでラウンドの種類ごとに具体的なクレジットの範囲をきめておきましょう。

0 ~ 5000クレジット : エコラウンド
5000 ~ 10000クレジット : エコラウンド
10000 ~ 20000クレジット : エコラウンド
20000 ~ 30000クレジット : エコラウンド

VLR.ggより

上のようにラウンド種別を4つに分けて考えていきます。
購入状況とラウンド種別の例は以下のようになります。

  • ヘヴィシールド×5、スキルフルバイ×5、ヴァンダル×5の場合・・・フルバイラウンド

  • ライトシールド×5、スキルフルバイ×5、シェリフ×5の場合・・・セミエコラウンド

  • ライトシールド×5、スキルハーフバイ×5、シェリフ×5の場合・・・エコラウンド

  • ピストルラウンド(最大800×5=4000クレジット)の場合・・・エコラウンド

※スキルはフルバイで700×5=3500クレジット、ハーフバイで350×5=1750クレジットとして計算しています。

具体例を見るとわかる通り僕たちが思うエコラウンドは、ここではセミエコラウンドとして扱われていることもあることがわかります。
ここで言うエコラウンドだけで見てもあまり需要のある結果は得られなさそうなので、今回は「エコラウンドとセミエコラウンドの合計取得本数と勝率の関係」を調べてみました。


分析

エコラウンド取得本数と勝率の関係について

使用したデータとして、VALORANT Champions 2022 İstanbul, VALORANT Masters Reykjavík, VCT Stage2 Masters Copenhagenで行われた210試合、計4550ラウンドのデータを使用しました。 各試合を分析したところ以下のような結果になりました。

ER:エコラウンド、SER:セミエコラウンド

この結果を見ると取得本数によって明らかに勝率が変わっていることがわかります。特にエコラウンドが1本も取れなかった試合では4本獲得した試合に比べて50%以上も勝率が低いことがわかります。
また勝率が50%を超えるのはエコラウンドが2本以上獲得できた場合であり、半分以上の試合に勝つためにはエコラウンドを最低2本は獲得しなくてはならないこともわかりました。


おまけですが、動画はVALORANT Masters ReykjavíkのZETA vs NIPの11ラウンド目です。7-3出迎えた11ラウンド目、ZETAはエコラウンドを取得し12ラウンド目も立て続けに取得。結果7-5で前半を折り返しその後あの感動の大逆転勝利を収めます。このラウンドがなければあのドラマもないかと思うとエコラウンドの重要性がわかります。

以上の分析結果から、エコラウンドは相手の購入状況と比較しても不利な状況になることが多いため負けても仕方ない、捨てるラウンドと考えてしまいがちですが、エコラウンドが獲得できると勝利に大きく近づけるという意味では非常に重要なラウンドであることがわかります。ではエコラウンドは他のラウンド比べてどのくらい重要なのでしょうか。

エコラウンドがどのくらい重要か調べる

エコラウンドがどの程度重要なのか明確にするために「バイラウンドの取得本数と勝率の関係」と比較することでその重要性を確かめてみましょう。
バイラウンドの取得本数と勝率の関係は以下の通りです。先ほどはエコラウンドとセミエコラウンドを合わせて考えましたが、今回はセミバイラウンドは除いて分析しています。

BR:バイラウンド

バイラウンドはエコラウンドと比べてラウンド数が圧倒的に多いので、視覚的にもわかるようにヒストグラムを作成してみました。

大体7~10本程度取得していることが多い

この表の結果からバイラウンドでは取得本数が5本か6本かで勝率が大きく変わってくることがわかります。

5本取得時には11.1%の勝率が6本取得時には42.9%(32.8%増)になる。

また7本以上取得することができると勝率は50%を超えることもわかります。

13本以上取得したデータは少ないのであまり参考にしないでください。

次にエコラウンド・セミエコラウンドの結果とバイラウンドの結果を比較してみましょう。
比較してみると、エコラウンドはバイラウンドに比べて一本取得できるごとに勝率が大きく上がることがわかります。
特にエコラウンドが2本取得できた場合の勝率は61.7%であり、これはバイラウンドで7本取得できた場合の勝率52.9%よりも高いことがわかります。

エコラウンド+セミエコラウンドで2本獲得した場合の勝率
バイラウンドで7本取得した場合の勝率

このことからエコラウンドで2本獲得することはバイラウンドで7本獲得することよりも価値がある、と考えることができます。
エコラウンドは少ない獲得本数で勝率を大きく上げる、まさに一獲千金のラウンドだということがわかりました。

失敗した点(分析後に気づいた)

今回使用したエコラウンと+セミエコラウンドのデータの中には皆さんが考えるエコラウンドのほかに1ラウンド目と13ラウンド目のピストルラウンドがエコラウンドとして含まれてしまっています。
各試合2ラウンドずつ、計420ラウンドのピストルラウンドのデータを取り除いた場合、結果が変わる可能性は否定できません。ピストルラウンドのデータを取り除いた場合の分析もいつかやってみようと思っていますが今回は許してください。

ピストルラウンドの取得本数と勝率の関係についての記事も近々公開予定です。よかったらそちらもぜひ読んでみてください。


さいごに

ということで今回は「エコラウンドの取得本数と勝率の関係」について、2022年に行われた世界大会のデータを使用して分析を行い、その重要性について調べていきました。この分析結果をもとにエコラウンドで頑張る人が1人でも増えたら嬉しいです。僕も今からシェリフでデスマッチを回してきます。

これからも、VALORANT関する気になることや分析した結果を記事にしていきますのでよかったらnoteやTwitterのフォローをよろしくお願いします!それでは。


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