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故障体質ロメロを上手く使いこなす楽天・三木監督の操縦術

※本稿は全文note公開中。最後までお楽しみいただけます。

オリックスが嫌った故障男がただいま絶好調!

今年のパリーグTOP10ニュースに入るかもしれない。
オリックスが故障体質を嫌い契約延長しなかったステフェン・ロメロが、目下、仙台で驚異の打棒を発揮している。

8/2終了時の成績は、以下のとおりだ。
(カッコは昨年の成績)

試合 35 (81)
打席 137 (331)
打率 .336 (.305)
出塁率.401 (.363)
長打率.705 (.539)
OPS 1.106 (.902)
本塁打 11 (18)
三振率 19.0% (25.1%)
四球率 8.0% (7.6%)

どの項目も昨年を上回る好成績だ。

三振の目立った削減と四球の微増に成功。本塁打の発生頻度も過去3年の18打席に1本から今年は12打席に1本ペースとスパークをかけている。

まだ120試合中の38試合を終えたばかりで、狸の皮算用もいいところだが、もしこのまま順調にいけば、浅村栄斗とともに歴史的な成績を残すのでは?と今から前のめりで期待しちゃう自分がいる。

覚醒ロメロの絶好調を支える好因は何か?

まず思い当たるのは、金森栄治1軍コーチとの出会いだ。

ロメロ在籍時のオリックスの打撃コーチの顔ぶれを確認していないのだが、おそらく金森コーチほど一家言を持つ叩き上げの打撃理論を所持した指導者に巡り合ったのはNPBに来てから初だったのでは?と想像する。実際、7/29ロッテ戦で代打満塁本塁打を打ったとき、金森コーチに感謝する談話を残していた。

「満塁で代打のシチュエーションだったからね。センターから逆方向に強い打球を打つことを意識していたよ。いい角度がついてそのまま入ってくれたね。金森コーチがいつもアドバイスをくれるから、いいところでいい1本が打ててよかったよ」
◎楽天ロメロ代打で満塁弾!金森コーチの助言に感謝 (日刊スポーツ2020年7月28日21時49分)

次に、浅村栄斗、ジャバリ・ブラッシュとの交流だろう。

オリックス在籍時には、吉田正尚、T-岡田といった左の強打者とプレーした経験はあったものの、右の強打者との交流は乏しかった。正直、クリス・マレーロぐらい。右には小谷野栄一、中島宏之もいたが好打者・巧打者でロメロとはタイプが異なった。

実際、決勝打を放った7/30ロッテ戦の試合後、報道陣に以下のコメントを残している。

浅村、島内、ブラッシュ…。このチームはスゴイ、スーパーチーム。自分のことを家族みたいに受け入れてくれもしたし、このまま貢献していきたい」
◎楽天ロメロV打「甘い球ミスすることなく打ててる」(日刊スポーツ2020年7月30日22時29分)

良きコーチと自分を温かく迎えてくれたチームメイトとの交流。ここにオリックスとの契約がまとまらず越年し、今年も野球がプレーできるかどうかというときに楽天に声をかけてもらったという「根源的な喜び」も加わるが、同時に指摘したいのは楽天首脳陣の上手い起用法だ。

例年故障に泣かされたロメロのコンディションに配慮した、三木肇監督の上手い操縦術がなければ、ここまでの戦果を残すことはできなかったはずだ。

そこで、ロメロの試合別打撃成績になる。
しばしの間、眺めていただければと思う。

◎ステファン・ロメロ 2020年 試合別 打撃成績

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これでは冗長すぎて、なんだかよく分からない。
そこで、成績を加工する。

網掛けのピンク、黄色、水色部分のそれぞれの成績を合算して整理すると、以下の成績表になった。

◎ステファン・ロメロ 2020年 起用別 打撃成績

画像2

ピンク・・・スタメン1日目・2日目の成績
黄色・・・スタメン3日目・4日目の成績
水色・・・スタメン5日目・6日目の成績
途中出場・・・ベンチスタートで代打など途中出場したときの成績

になる。

スタメン1日目2日目にめっぽう強い

今年のロメロは、スタメン1日目・2日目の成績が最も素晴らしい。その成績はOPS1.300、打率.394、驚きの成績だ。

一方、スタメン出場が3日4日5日6日・・・と続けば続くほど、今度は成績が下降気味になっていく。5日目・6日目に至ってはOPS.639、打率.261に落ち込み、ホームランもゼロになってしまう。

ロメロも今年10月で32歳。一般に言う野手年齢のピークは過ぎている。連戦日程で先発フル出場が続けば、疲労が蓄積され、そのぶんパフォーマンスが落ちるということなのだろう。

そこで楽天首脳陣は、ロメロの先発フル出場を意図的に減らした。開幕14戦目の7/4はベンチ入りメンバーからも外れた完全休養日も。他にはベンチからの途中出場日をあえて設けることにした。

そうした運用は成績低迷するスタメン5日目・6日目を回避し、絶大な戦果をあげるスタメン1日目・2日目を創出した、と僕は想像している。

先週のロッテ戦は、その典型例になった。

故意にベンチスタートデーを設けることで、先発連続出場による疲労を逃し、フレッシュな状態を後押しすることで、ロメロも首脳陣の期待に応える戦果をあげた。

7/28(火) スタメン外れ。代打で8号満塁。
7/29(水) スタメン1日目。9号ソロ。
7/30(木) スタメン2日目。好走塁の3安打。

7/31(金) スタメン外れ。代打。
8/1(土) スタメン1日目。3安打
8/2(日) スタメン2日目。10号2ラン、11号2ラン。

ロメロ好調の裏に小深田台頭あり

開幕時点で楽天首脳陣が所持していた「プランA」は、浅村は二塁固定、ロメロとブラッシュの両外国人を外野1枠&DHで体調を見ながら交互にまわし、3人とも規定打席到達の稼働を目指す作戦だったと思う。

しかし、ブラッシュの不調が長引いたことで「プランA」は頓挫を余儀なくされた。スタメン5日目・6日目のロメロの打撃低迷も、DH起用では回避できなかった。

同時に浅村、ロメロの開幕スタートが想定以上の出来だったことも手伝い、両者の得点能力の最大化を図る「プランB」に切り替えたのでは?と僕は想像している。

そこで採られた変更は、浅村をセンターラインの守備から解放することだった。二塁を他者に任せて、DHで打撃専念の状況を作る。

もちろん、浅村DHを可能にした背景には、ドラ1の小兵、小深田大翔による懸命の働きで即戦力化している点があげられる。

小深田のOPS.695はパリーグ平均値.173に迫るもの。二遊間内野手のOPSとしては合格ラインに乗ったと言える。

今と状況が異なるため簡単な比較はできないものの、参考までに藤田一也の全盛期のOPSは、これより低い数字である。

小深田は確かな選球眼と卓越したコンタクト能力を武器に、簡単に三振せず粘ることで数多くの四球を獲得、.376という高い出塁率を作りあげた。驚くことに1打席当たりの球数P/PAは4.45を記録する。OPS.695も主に出塁率で作ってきた。

小深田の台頭がなければ、浅村を二塁からDHに固定する作戦は実現せず、両外国人の外野1枠&DH交互起用も、そのまま続いていただろう。

ロメロも1週間に必ず苦手のスタメン5日目・6日目に直面していたはずだ。連続出場からの疲労で成績を落とすリスクを抱えたままだったと思う。

今ある浅村、ロメロの絶好調には、小深田の台頭も大きいのだ。

ただし、これも今週次第。日曜日4回裏守備からベンチに退いた茂木が、もし怪我だったら変更を余儀なくされそうだ。今のところ、今日の登録抹消に茂木の名前はないので、ホッと安堵している。【終】

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