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【試合感想文】 8/20ロッテ4-3:9回先頭・和田康士朗。正直なめていた。

ふつうに対峙していれば、ふつうに抑えていたはず

正直、なめていた部分はあったのだと思う。

「俺の球が打てるもんなら打ってみろ!」という上から目線の圧倒感ではない。セーフティバントをやらせるため、球に手加減を加えて置きにいったのだ。

相手の通算打率は.201、今季は1割台に沈んでいた。
いっぽう松井裕樹の今季被打率は.176だった。
左vs左でもあったので、ふつうに気を抜かずに勝負していたら、ふつうに抑えることができていたはずなのだ。

ボール先行2-0からの第3球だった。
和田康士朗がセーフティバントの構えで揺さぶりをかけてきた。
見逃しストライクで2-1。その直後の4球目だった。

奇襲攻撃するなら、やらせてアウトに取ればいい。
おそらくそう考えたのかもしれない。

148キロの結果球をど真ん中に。
前後の球と比べても球速は落ちていなかったが、置きに行った部分もあるのかもと感じた。

和田の打力は確実性こそ低いが、パンチ力は兼ね備えている。俊足ばかり注目を集めるが、2019年にはファーム150打席で6発を放ち、和ギータと呼ばれることもあるほど。打者有利2-1カウントからど真ん中に手加減を加えて投げ込まれた真っ直ぐは、快音とともに右中間へ飛んでいった。

嫌な印象しかない松井裕樹vs荻野貴司

そして1死3塁、バッターボックスに荻野貴司が入ったとき、もう嫌な感じしかしなかった。

改めて両者の通算対戦成績を調べてみると、本戦決勝打を含んで19打数3安打。打率.158で、僕が思っていたほど相性悪いことはなく、松井裕が圧倒している。

松井裕樹vs荻野貴司 通算対戦成績

しかし、3安打のうち2本はホームラン。
松井裕が複数被弾を許した数少ない打者なのだ。
これが僕の松井裕vs荻野の印象をすこぶる悪くしている。

松井裕の真っ直ぐは(この試合の実況・木下貴道アナがエピソードを紹介していたが)現在もなお炭谷銀仁朗が楽天で一番良い真っ直ぐと評価するほど魅力的なボールになる。しかしデビュー当時のストレートはさらに異次元だった。

116回を投げた1年目は真っ直ぐの被弾ゼロ。プロ入り後ストレートを初めてホームランにされたのは、2年目の2014年5/16koboスタでのこと。荻野に左本を浴びたのが最初だった。

規格外の左腕の異次元ファストボールをプロで初めて柵越えに仕留めた荻野は、2021年5/2楽天生命パークでも松井裕から145キロストレート撃ちの決勝弾を放った。本戦の決勝打はフォーク撃ちだったが、そういう経緯があっただけに、僕は嫌な感じに襲われていた。

試合展開

ロッテ=1番・荻野(右)、2番・藤原(中)、3番・中村奨(二)、4番・ポランコ(指)、5番・山口(左)、6番・安田(一)、7番・ブロッソー(三)、8番・佐藤都(捕)、9番・友杉(遊)、先発・小島(左投)

楽天=1番・辰己(中)、2番・小深田(二)、3番・小郷(右)、4番・浅村(指)、5番・阿部(三)、6番・島内(左)、7番・伊藤裕(一)、8番・太田(捕)、9番・村林(遊)、先発・則本(右投)

両軍のスタメン

犬鷲ナイン良いプレー続々

則本昂大が7回途中までよく試合を作り、その後を継いだ鈴木翔天、渡辺翔太もホールドがつく好投。

主砲・浅村栄斗も直近3年の対戦打率が.143で、昨年に至っては19打数0安打と完璧に抑えられた天敵・小島和哉から必死のバッチで2安打を放つと、7回2死1塁から今季2個目の二盗を鮮やかに決めるなど、キャプテンマークの意地をみせていた。

27打席ノーヒットが続いていた村林にもタイムリー含む長短2安打が飛び出し、守備では左前へ抜けようかというライナーを球際横っ飛びの好捕!

同点で迎えた8回は回先頭で鈴木大地がまたまた代打安打を弾き返しチャンスの起点を作ると、辰己涼介は1塁ベースカバーに入る小島との競争を全力疾走で制して内野安打をもぎ取るなど、良いところも多々あった。

しかし、結果は10安打を許してM4-3Eと競り負けるかたちになった。

敗因は何か?
イニング先頭打者に長打を数多く打たれた。
バント失敗が響いた。

などなど・・・(続く)

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2018年9月のGM就任から始まった石井体制も5年目へ突入。今年はGM職を外れて監督業に専念する総決算・集大成の戦いに。監督も「狙うのは優勝ですね。優勝以外を掴まされてもハズレ」と不退転の決意を示す今シーズンを試合感想文やコラムなどで綴ります。

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