見出し画像

【試合観戦記】 5/31楽天5x-3ヤクルト:2ヵ月前は左腕の初球チェンジアップに空振りしていた助っ人が!!!

今江監督の采配ハマったフランコ劇弾

「アリガト!アリガト!アリガト!」

もの凄い幕切れだった!
15年ぶりの開催になった福島県営あづま球場。

1点を追う展開で迎えた9回裏の1死2,1塁のことだった。
この日4タコだった村林の代打として茂木栄五郎に白羽の矢が立った。
今季はリーグ最多代打7安打を放ち、代打打率.583もトップ。

その茂木コールを聞いた後、ヤクルトベンチが動いた。
3イニング目に突入した右腕エスパーダを諦め、左腕・長谷川宙輝へとスイッチ。

相手が継投で火消しにきたところ、今江敏晃監督が再び動いたのだ。
代打の切り札を諦め、先日1軍再昇格してきたばかりの右の助っ人を起用。

「本当に賭けに出ました」
腹を括って代打の代打でフランコを送り出した。

その助っ人が期待に応えた。
左腕が投じた初球ゾーンに入ってきたチェンジアップ。
打った瞬間の3ランだった。

「アリガト!アリガト!アリガト!」

劇弾で3時間34分の攻防に終止符を打ち、球団通算100度目のサヨナラ勝利の立役者になった31歳のドミニカ生まれは、ヒーローインタビューの壇上で開口一番、感謝の言葉を3度繰り返したのだった。

来日2年目は開幕2戦目を終えた後に登録抹消。
以来ファームでの再調整が続いた。

MLBで923試合プレーし130本塁打も放っている元メジャーリーガーだ。
モチベーションを下げても不思議ではなかった。

それでも腐らず、2軍で課題に向き合うと、5月から勝負強い打棒が戻ってきた。

ホームランも5/1、5/24と2発飛び出した。5/10にはフェンス直撃弾。
5/14以降の得点圏11打席では得点圏打率.444、8打点の活躍ぶり。

状態が上向いてきたところで交流戦開幕のタイミングで1軍に再昇格してきた。

「シンプルにいい球を狙って、いいスイングをして、いい打球を打つのを心がけたんだ」

サッカーの遠藤保仁さん、里崎智也さんの著書名にもなっている『シンプル思考』が奏功した。

左腕の初球チェンジアップを振りにいったといえば、開幕2戦目3/30●L2-8E(楽天モバイル)を思い出す。

1点ビハインドの初回2死満塁のチャンス、左腕・隅田知一郎が投じた当該球に全く合わない空振りを喫し、結局オール4球チェンジアップで空三振に倒れていた。あのときとはまるで別人の勇姿が、福島にはあった。

来日1年目の久米島キャンプで遊撃手の烙印を押され、シーズン中は5度の抹消に遭いながらも、その後2球団8シーズンNPBで活躍したウィーラー氏と同じスピリッツを垣間見た気もした。

試合展開

ヤクルト=1番・丸山(右)、2番・山田(二)、3番・長岡(遊)、4番・村上(三)、5番・サンタナ(指)、6番・青木(左)、7番・オスナ(一)、8番・松本直(捕)、9番・山崎(中)、先発・サイスニード(右投)

楽天=1番・小郷(右)、2番・村林(遊)、3番・辰己(中)、4番・浅村(指)、5番・鈴木大(三)、6番・渡邉佳(一)、7番・岡島(左)、8番・太田(捕)、9番・小深田(二)、先発・早川(左投)

両軍のスタメン

青山動かず、鈴木が動いた

ブルペン陣も、綱渡り、紙一重の部分はあったが、なんとか粘投に次ぐ粘投。

1軍に帰ってきたターリー、渡辺翔太が頑張ってくれた。
首脳陣も魂を売り渡すことなく、開幕直後に掲げた3連投封印を守りとおした。

それにしても、ターリーにはヒヤヒヤだ。
ストライク率は5割を切り、先頭打者ストレート四球を含む2個のフォアボール。2死3,1塁でセリーグ首位打者サンタナを遊ゴに退けて、なんか踏ん張ったものの・・・(続く)

...続きは『Shibakawaの楽天イーグルス観戦記2024』でどうぞ。

楽天イーグルスを周囲よりも“半歩”詳しく知りたいあなたへ──

プロ野球開幕! 12球団最年少監督のもとチーム再建を目指す楽天。ファミリーのようなチームを標榜する今江監督のフレッシュな采配に注目!

あなたの野球観戦の「良き伴走者」を目指して。さまざまなデータをふまえ、X(旧Twitter)では書けない踏み込んだコラムを月10回以上を所収。ただいま新規読者さん募集中!今年はこちらで野球をともに楽しみませんか?

《読者さんの声続々!》「観る野球から考える野球へ。過程を検証する姿勢、セオリーを疑うことで見えてくる景色の提示など、野球の奥深さを覗くことができます。こちらを読むようになってから、本棚に野球の関連本が増えました」(東海在住40代男性さん)

★ご登録は下記からどうぞ! あなたのご参加お待ちしてます!

ここから先は

1,303字

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

読者の皆さんにいただいたサポートで、さらなる良い記事作りができるよう、心がけていきます。