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【戦評】鈴木大地の突破口。ロメロ一閃が持つ真の意味~8/7○楽天7-4ソフトバンク

今シーズン11度目のビッグイニング

大量5点をあげて戦況をひっくり返したラッキーセブンの攻撃。場内が2度ワッと沸く心地良い瞬間がやってきた。

1度目は小深田の2点三塁打だ。1点を追った1死3,1塁、フルカウントにもつれた打席で東浜の看板球シンカーを右中間へ弾き返し、背走するライト上林の左を完全に破ったそのときだった。

2度目は1点リードに変わった直後、勝利を決定づけるロメロの2打席連続13号3ランだ。若鷹軍団のアンダースロー失投を完璧なかたちでバットに乗せ、本塁打確信の飛球が放たれたときだった。

場内が選手の一挙一動に集中し、それまでの景色がガラッと変わる。これぞ野球の夢だ。このダイナミズムを味わいたくて僕は白球の行方を追っている。自分の初期衝動を再確認したような貴重な瞬間になった。

立ち上がりの則本が上林、柳田にソロを被弾。ゲームの序盤で3点先行されたソフトバンク10回戦だったが、6回以降のみごとな逆転劇になった。6回にロメロの12号2ランで反撃の狼煙をあげると、翌7回は前述の5得点になった。

イーグルスの得点イニングはここまで118回ある。
そのうち5得点以上のビッグイニングは9.3%に当たる11回。

点を入れた約10回に1度は大量得点という今年の打線の破壊力を証明する攻撃になった。

勝利投手は宋家豪。ロメロ12号2ランで1点差に迫った直後、相手のラッキーセブンを三者凡退に抑えた。

今年は良いとき悪いときが両極端。本戦はどっちなのか固唾を飲んだが良いほうでホッとした。なかでも、3打席連続でアウトになっていない柳田との5球勝負は見応えあり。持ち球をフル活用し、最後は緩急差34キロの低めカーブで空三振に退ける名場面を作った。

今シーズン12度目の逆転勝ちを収めたチームは再びソフトバンクと並んで首位浮上。

42試合23勝18敗1分の貯金5とし、8月4勝2敗、直近10試合6勝4敗、ソフトバンク戦5勝5敗、楽天生命パーク16勝10敗1分、先制された試合8勝11敗へ。

ゲーム差は3位・ロッテと2.0、4位・日本ハムと2.5、5位・西武と4.0、6位・オリックスと6.5になった。

◎両軍のスタメン

ソフトバンク=1番・上林(中)、2番・今宮(遊)、3番・柳田(指)、4番・中村晃(左)、5番・栗原(右)、6番・明石(一)、7番・松田(三)、8番・甲斐(捕)、9番・周東(二)、先発・東浜(右投)

楽天=1番・小深田(遊)、2番・鈴木(三)、3番・ロメロ(指)、4番・浅村(二)、5番・島内(左)、6番・内田(一)、7番・ブラッシュ(右)、8番・太田(捕)、9番・田中(中)、先発・則本(右投)

◎試合展開

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突破口を作った鈴木大地

楽天打線は5回まで散発3単打に抑えられていた。とくに5回は三者凡退を喫していた。6回以降さらに調子を上げるのかと思われた好投東浜を、鮮やか攻略した糸口はどこにあったのか。

突破口を作ったのは、6回先頭の鈴木だったと思う。

7/25●E3-6B以降は11試合連続ヒット中。この間、打率.421、出塁率.488と好調の大地が連続ヒットを12へ伸ばし、無死1塁を演出。直後に生まれたロメロの12号を単発ではなく2ランに仕立て上げた鈴木の打席が持つ意味は、あまり注目されないかもしれないけど、大きかった。

この人の良いところは、どんな投手でも自分の間合いで打席に立つことができる。

この日の東浜は小気味良い投球だった。3回ロメロと4回ブラッシュがいずれも・・・(続く)

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