【CS試合評】 崩れたＶへの青写真。勝機を手放したキャプテンマークのKY劇～10月21日●楽天3-4ソフトバンク

塩辛コンビの想像を上まわる奮闘で始まったCSファイナルステージ。
パリーグ最多勝右腕と同最高勝率右腕を退けての価値ある2連勝だった。

イーグルスは戦績を2勝1敗とし、第3戦目以降は則本&岸の二枚看板で日本シリーズ進出へ王手をかける「Ｖへのロードマップ」。
しかし、この青写真が脆くも崩壊している。

前夜はエースが2試合連続の背信投球になった。
打線は苦手左腕を良く攻略したものの、「想定外の乱打戦」を制することができずに、鉄腕･福山が決定打を被弾して5-7で敗戦。

明くるデーゲームの本戦も、岸が2点先行を許す苦しい展開。
4番･ウィーラーのタイムリーで中盤に1度は逆転したものの、今ポストシーズン、ズバズバ的中してきた梨田監督の継投作戦に、ほころびが発生した。
1点リードの6回、CSで快投続いた二番手･宋の快進撃がストップ。
4番･内川、5番･中村晃によもやの2者連続ホームランをくらい、逆転を許すと、ホークスの鉄壁リリーフ陣の前に、そのまま4-5で敗れた。

これで相手のアドバンテージを含めて2勝3敗となり、楽天は崖っぷちに追い込まれている。

両軍のスタメン

楽天=1番･茂木(遊)、2番･藤田(二)、3番･銀次(一)、4番･ウィーラー(三)、5番･島内(中)、6番･アマダー(指)、7番･聖澤(左)、8番･岡島(右)、9番･嶋(捕)、先発･岸(右投)

ソフトバンク=1番･城所(中)、2番･今宮(遊)、3番･デスパイネ(指)、4番･内川(一)、5番･中村晃(右)、6番･松田(三)、7番･長谷川(左)、8番･明石(二)、9番･高谷(捕)、先発･バンデンハーク(右投)

この2戦の敗因は、相手ペースでの戦いを余儀なくされたことにあった。
強力救援陣を擁する若鷹軍団との戦いでは、6回終了時まで「最低2点以上のリード」を作る必要がある。
同点もしくはリードが1点だけの場合、前日と本戦のように、いずれはヤラれるリスクが高くなってしまう。
試合後、指揮官も「もう1点取って2点差で後ろにつなぎたかった」(10/22河北新報)と悔やむ結果になった。

イーグルスは疲弊していた。
雨天中止などで流れた分が直前まで4試合組まれる日程。
かつ、中3日でCS1stステージに突入し「非常時体制」で所沢を突破。
福岡に駒を進めていた鷲軍は遠征日程でコンディション調整が難しい中、最後の気力を振り絞る戦いに突入している。

とくに登板過多と連投が続く中継ぎ陣は、相当だと思う。
CS直前に左肘違和感を訴え、CSでは被弾が目立つ松井裕。
前日に速球の平均球速を著しく落として涙を飲んだ福山。
そしてCS合計6戦中5戦に登板し、本戦では制球乱れてボール先行が目立った高梨などは、僕らの想像以上だと思う。

彼らがヘルシーなら、リードが虎の子1点でもノープロブレムだ。
終盤の複数回を完璧な仕事で逃げ切ってくれるはずだ。
しかし、今はそれが難しい。
これでCSでの救援防御率は4.15になっている。

その意味で、あまりにも、もったいないシーンがあった。

その場面とは、、、

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